リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

抵抗都市

2019年12月15日 20時43分18秒 | 日々のこと
昨夜アマゾンに注文した佐々木譲氏の新刊が届きました。

「抵抗都市」

帯には、

日露戦争に『負けた』日本。東京で国を揺るがす陰謀の幕が開く。
警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が「今の日本への問題意識を示すためにこの舞台を選んだ」と語る、圧巻の歴史改変警察小説。

とあります。

実は私、佐々木譲氏の大ファンで、そもそものきっかけはバーゼルにいたとき同じ留学仲間のテノール歌手、石川洋人君に「中川さん、これ面白いですよ」と言われて貸して頂いた「ベルリン飛行指令」を読んだのがきっかけです。

「ベルリン飛行指令」は、ドイツの要請で第2次世界大戦中ゼロ戦を日本からベルリンに自飛行させて運ぶという、荒唐無稽の冒険譚です。でも当時の時代描写やメカ描写がリアルでノンフィクションかと思わせるほどの出来で、ストーリーの展開に引きこまれました。これは三部作で、続く「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」も読んだのは言うまでもありません。

スイス滞在中、HPに「通奏低音用例集」というコーナーをやっていまして、佐々木氏の小説にいい用例がありましたので、引用許可をメールでお願いしたら、とてもご丁寧なご返事を頂いたこともありました。その頃は、まだ知る人ぞ知るという存在だったと思いますが、それから程なく直木賞を受賞されて、超売れっ子作家に。そして警察小説シリーズを手がけて今日に至っています。

でも私のホンネとしては、氏の歴史小説、それも江戸時代ではなく明治から終戦に至る時代を舞台にした小説を読みたいんですよねぇ。氏の時代描写、人物描写には引きこまれるものがあります。警察シリーズが当たって作品がそっち系のものばかりになり少々さみしく思っていたんですが、今回の「抵抗都市」、歴史物と警察物の融合です。これなら昔からの佐々木ファンも納得。期待に胸が高鳴ります。このシリーズ続いてほしいですねぇ。