先日ミューズにいましたら、有能な若手ギタリストであるN君から質問されました。
「どうしてリュートは右手をあのように寝かして演奏するのですか」
現代のギター奏法では、右指のラインができるだけ弦と90度に近く弾くと教えられているので、疑問に思ったのだでしょう。彼はホピーのコンサートに来ていましたので、ホピーの右手のフォームを見てそう思ったのだと思います。
この手の講釈をたれるのは得意ですから(笑)、プレクトラム(ピック)を使った奏法からの歴史的な流れを説明して、少し実演もしたら彼は納得していました。すぐ近くにソルの右手フォームの絵(ソルの教本にあるヤツです)があるので、見てもらったんですが、ほとんどバロックリュートを弾く右手と同じなんですね。小指もつけているし。同じギターとはいうものの、現代のクラシックギターは随分遠いところに来ているんですよ、N君。
一口に右手フォームっていいますけど、実は楽器のホールドの仕方、アームの持って行き方などと関連していて、というかそれらが有機的に関連し合っているものなんですね。以前知っているリュート奏者(実際に本人の演奏を見たことがある人)を思い出して、一覧表(メモ程度ですけどね)を作ったことがありましたが、驚いたことに同じ人はほとんどいなかったんですね。
要素は次のようになります。あまり厳密なものではないですけど。(笑)
サム・イン? or サム・アウト?
ストラップ使う? or 使わない?
楽器を右足に乗せる? or 左足に乗せる?
楽器を立て気味? or 水平気味?
楽器を高くホールドする? or 低くホールドする?
ブリッジよりで弾く? or ロゼッタよりで弾く?
アームの進入角度は?
これを横軸、縦軸に奏者の名前を書いて、弾いているときのことを思い出しながら表を作っていったんですが、前述したように、見事にみんなバラバラ。ちなみに昔の絵を見てもみんなバラバラです。中世やルネサンス初期中期あたりまでとバロック以降は、楽器の性質が違うので、弾き方やホールドの仕方が異なるのはわかりますが、バロック以降だけみても、それはもう千差万別です。昔の絵を見るとよくわかります。
これは結局、指の長さ、太さ、長さの比率、皮膚の状態などが人によって皆異なるわけですから、みんなバラバラになるのは当然ということでしょう。左手のフォームは多分右手よりはフォームを規定する要素は少ないので、同じような形になるのに比べて(ヴァイオリンでも、チェロでも、津軽三味線でもうまい人は同じようなフォームで動きます)右手は大変なわけです。
考えてみたら、右手の親指が師匠より1ミリ短かったら(人差し指は同じとして)、もう影響が・・・うーん、1ミリくらいでは出ないかな。(笑)でもその違いが5ミリだった確実に影響がありますね。5ミリくらい違うのはザラでしょ。それだけ違っていれば、もう師匠と同じフォームを取ってもうまく弾けそうにないということは分かりますよね。
ま、要するに楽器の勉強は個人個人に合わせた方法が必要なんですね。
「どうしてリュートは右手をあのように寝かして演奏するのですか」
現代のギター奏法では、右指のラインができるだけ弦と90度に近く弾くと教えられているので、疑問に思ったのだでしょう。彼はホピーのコンサートに来ていましたので、ホピーの右手のフォームを見てそう思ったのだと思います。
この手の講釈をたれるのは得意ですから(笑)、プレクトラム(ピック)を使った奏法からの歴史的な流れを説明して、少し実演もしたら彼は納得していました。すぐ近くにソルの右手フォームの絵(ソルの教本にあるヤツです)があるので、見てもらったんですが、ほとんどバロックリュートを弾く右手と同じなんですね。小指もつけているし。同じギターとはいうものの、現代のクラシックギターは随分遠いところに来ているんですよ、N君。
一口に右手フォームっていいますけど、実は楽器のホールドの仕方、アームの持って行き方などと関連していて、というかそれらが有機的に関連し合っているものなんですね。以前知っているリュート奏者(実際に本人の演奏を見たことがある人)を思い出して、一覧表(メモ程度ですけどね)を作ったことがありましたが、驚いたことに同じ人はほとんどいなかったんですね。
要素は次のようになります。あまり厳密なものではないですけど。(笑)
サム・イン? or サム・アウト?
ストラップ使う? or 使わない?
楽器を右足に乗せる? or 左足に乗せる?
楽器を立て気味? or 水平気味?
楽器を高くホールドする? or 低くホールドする?
ブリッジよりで弾く? or ロゼッタよりで弾く?
アームの進入角度は?
これを横軸、縦軸に奏者の名前を書いて、弾いているときのことを思い出しながら表を作っていったんですが、前述したように、見事にみんなバラバラ。ちなみに昔の絵を見てもみんなバラバラです。中世やルネサンス初期中期あたりまでとバロック以降は、楽器の性質が違うので、弾き方やホールドの仕方が異なるのはわかりますが、バロック以降だけみても、それはもう千差万別です。昔の絵を見るとよくわかります。
これは結局、指の長さ、太さ、長さの比率、皮膚の状態などが人によって皆異なるわけですから、みんなバラバラになるのは当然ということでしょう。左手のフォームは多分右手よりはフォームを規定する要素は少ないので、同じような形になるのに比べて(ヴァイオリンでも、チェロでも、津軽三味線でもうまい人は同じようなフォームで動きます)右手は大変なわけです。
考えてみたら、右手の親指が師匠より1ミリ短かったら(人差し指は同じとして)、もう影響が・・・うーん、1ミリくらいでは出ないかな。(笑)でもその違いが5ミリだった確実に影響がありますね。5ミリくらい違うのはザラでしょ。それだけ違っていれば、もう師匠と同じフォームを取ってもうまく弾けそうにないということは分かりますよね。
ま、要するに楽器の勉強は個人個人に合わせた方法が必要なんですね。