院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

情報統制(2)

2011-06-01 20:27:39 | Weblog
 児童ポルノというのは見るに耐えない。写っているのが現実の児童だと思うと、可哀そうでならない。そして、このような映像で欲情する者の神経が分からない。

 でも、児童ポルノが大量に作られているところを見ると、需要があるのだろう。世に変態の種は尽きまじか。

 石原東京都知事は、漫画であっても児童ポルノ的なものを禁止しようとしている。漫画家たちは、ちばてつやさんを筆頭にしてこうした動きに大反対している。結論から言うと、私はちばてつやさんに与する者である。

 まず、漫画で描かれるのは現実の児童ではない。そして何よりも、漫画で描かれたデフォルメされた人物を、どういう基準で児童と成人に区別しようとしているのだろうか?そんなこと、できっこない。

 もっとも、区別できるかどうかが本質的な問題ではない。漫画に限らず、ポルノというものが一般に「青少年健全育成」を阻害するのかどうかについて、エビデンス(証拠)がないのである。

 ポルノはいたずらに青少年を欲情させ、性犯罪へと導くのだろうか?前回述べたようにインターネットの世界にはポルノが氾濫している。そのため、最近の青少年の性犯罪が増えたという話は聞かない。

 事態は逆で、最近「草食系男子」という言葉が流行っているが、もしかするとポルノの氾濫のために、今の青少年はヴァーチャルな世界で性的に満足してしまい、「草食系」になってしまったと解釈することもできる。

 石原氏の頭には、ポルノ→いたずらに性的に興奮させる→性犯罪や一歩手前のことに青少年が煽られる、という単純な図式しかないようである。

 ポルノは青少年の性的衝動を煽るか、または鎮めて「草食系」にさせるか?これは、きちんと研究してデータを出さなければ、「単なる思い込み」で政策が打たれることになり、由々しい事態である。

 まず、青少年を無作為にA群B群の2群に分ける。そしてA群にはポルノを完全に解禁する。B群にはポルノを全面禁止にする。そのようにして、何年かたったあと、性についてA群とB群にどんな違いが出てくるか追跡調査をするのだ。

 こうした実験は不可能かもしれないけれども、本当はここまでやってから法規制するかどうかを決めるべきである。こうした調査もしないで、これまでの常識や予断でもって、表現の自由を侵すかもしれない条例を作るなんて、もってのほかだと私は思うが、どうか。

情報統制(1)

2011-06-01 18:55:57 | Weblog
 中国で蒼井そらという安直な芸名のポルノ女優が大人気だという。

 あの表現の自由がない国で、どうしてそのような現象が起きるのだろう。グーグルが撤退した国である。インターネットの規制もかなり厳しいと思っていた。だが「蒼井そらブーム」だそうだ。

 中国の男性は蒼井そらをインターネットで見ているのだろう。だとすると、国家や共産党への批判には厳しくても、ポルノには厳しくないということか?

 中国は前に、肌色の画面を映すサイトを自動的に切断した。そうしたら、毛沢東の肖像画が映るサイトも切断されたというマンガのような話があった。

 最近は中国もポルノには寛容になったのだろうか?

 我が国では無修正のポルノはご法度である。そのような映像を流すと、猥褻物陳列罪かなにかで引っ張られる。でも、外国から発信されるポルノは無修正でもOKである。なにか矛盾してはいまいか?

 日本の出版社は無修正に対して神経質である。検挙されたら商売にかかわるし、会社の存亡さえかかっているからである。

 では、輸入DVDはどうか?無修正のDVDを持ってくれば、罪に問われるだろう。なら、インターネット回線を通してならよいのか?その辺の不徹底なところは中国を嗤えない。

 東京都の青少年健全育成条例については、また次回。