昔、「三師会」というのがあったというけれども定かではない。「三師」とは医師、歯科医師、薬剤師のことである。少なくとも現在はこの三者が共同で何かをするということはない。(政治活動にせよ、親睦活動にせよ。)
「三師会」と言うからには、「三師」は対等でなくてはならないはずだが、薬学部は4年制で医学部、歯学部より2年少ない。最近、薬学部も6年制になったが、格としては前2者より半歩下がる。
薬剤師は、医師、歯科医師の処方によってしか調剤できない。また、薬剤師は薬物全般のことをよく知っているけれども、すべての科を取り扱わなければならないので、すべての薬に精通はできない。(つまり、広く浅い。)
一方、医師、歯科医師は、自分の科で扱う薬に慣れていて、臨床効果や副作用も自分の目で見ているから狭く深い。だから、薬剤師は彼らが(狭い範囲で)使用する薬物の作用副作用について、医師、歯科医師を超えられない。
もうひとつ薬剤師が弱いところは、医師、歯科医師は自分で処方ができることである。すなわち、薬剤師の仕事ができてしまう。医師、歯科医師には権限がなくて、薬剤師にだけができる医療行為を私は知らない。
それでは、医師と歯科医師の権限はどう違うのだろうか?権限の違いはただひとつ。歯科医師は「補綴」(ほてつ。歯にものを詰めること)ができるが、医師にはできない。
歯科領域である口腔外科は手術ができる。普通、口腔外科医は歯科医であり、常識的には上部食道まで手術をするけれども、それ以上やってはいけないという決まりはない。
ということは、論理的には歯科医師はどんな身体部分の手術でも権限としてはできるのであり、医師に「補綴」が禁止されている分だけ、歯科医師の守備範囲は医師より広いことになる。(もっとも処方権は医師がすべての科の薬を処方できるのに対して、歯科医師は歯科分野の薬しか処方できない。)
もっとも消化器外科医が心臓の手術をしない(技術がない)のと同じように、歯科医師が口腔関連以外の手術をすることはない。でも、繰り返すが、それらは法律で決まっているわけではないから、やろうと思えばできる。
今日もみなさまが知らないと思われることを書いてみた。
「三師会」と言うからには、「三師」は対等でなくてはならないはずだが、薬学部は4年制で医学部、歯学部より2年少ない。最近、薬学部も6年制になったが、格としては前2者より半歩下がる。
薬剤師は、医師、歯科医師の処方によってしか調剤できない。また、薬剤師は薬物全般のことをよく知っているけれども、すべての科を取り扱わなければならないので、すべての薬に精通はできない。(つまり、広く浅い。)
一方、医師、歯科医師は、自分の科で扱う薬に慣れていて、臨床効果や副作用も自分の目で見ているから狭く深い。だから、薬剤師は彼らが(狭い範囲で)使用する薬物の作用副作用について、医師、歯科医師を超えられない。
もうひとつ薬剤師が弱いところは、医師、歯科医師は自分で処方ができることである。すなわち、薬剤師の仕事ができてしまう。医師、歯科医師には権限がなくて、薬剤師にだけができる医療行為を私は知らない。
それでは、医師と歯科医師の権限はどう違うのだろうか?権限の違いはただひとつ。歯科医師は「補綴」(ほてつ。歯にものを詰めること)ができるが、医師にはできない。
歯科領域である口腔外科は手術ができる。普通、口腔外科医は歯科医であり、常識的には上部食道まで手術をするけれども、それ以上やってはいけないという決まりはない。
ということは、論理的には歯科医師はどんな身体部分の手術でも権限としてはできるのであり、医師に「補綴」が禁止されている分だけ、歯科医師の守備範囲は医師より広いことになる。(もっとも処方権は医師がすべての科の薬を処方できるのに対して、歯科医師は歯科分野の薬しか処方できない。)
もっとも消化器外科医が心臓の手術をしない(技術がない)のと同じように、歯科医師が口腔関連以外の手術をすることはない。でも、繰り返すが、それらは法律で決まっているわけではないから、やろうと思えばできる。
今日もみなさまが知らないと思われることを書いてみた。