院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

流行の起こり方

2013-09-09 04:15:20 | ファッション
 流行の起こり方はいろいろあるのだろうが、ここでは「だっこちゃん人形」の流行を取り上げよう。


毎日JPより。)

 私が小学校3年生のとき、上の写真のような人形が爆発的に流行した。

 単に黒いビニール製の人形なのだが、売りは2つあった。ひとつは目玉がフレネルレンズのようになっていて、見る角度によって開いたりつぶったりする。もうひとつは、手足が円弧上で腕にしがみつくことができた。

 隣近所の人たちが大人も子供も「だっこちゃん人形」を買った。小学生だった私も、その人形が猛烈に欲しくなった。だから近所の人たちが持っていても不思議には思わなかった。

 ここで問題になるのは、私自身が「だっこちゃん人形」の機能に惚れて欲しくなったのか、またはみなが持っているから欲しくなったのかである。

 みなが持っているものが欲しくなるということは、大いにありうることだ。みなが持っているから欲しくなる、それで買うから、ますますみなが持つようになる。こうして核分裂の「臨界」のような現象になる。

 何かの拍子にこのようなことが起こるのだが、元の品物にまったく見るべきところがなければ、「臨界」は起らないだろう。

 品物と同列に論じて申し訳ないが、AKB48にも似たようなところがある。メンバーはみな並みの女の子よりは可愛い。だからもともと「臨界」が起こる素地があったのだ。

 一方、ジャニーズ系のタレントは私には素地さえないように見える。それでも「臨界」に達しているのが、私には分からない。(その少年が大衆に受けるかどうか、ジャニーズ事務所の社長は本能的に分かるらしい。)

 ところで、私は「だっこちゃん人形」を「すぐにすたれる」との理由で買ってもらえなかった。