(オリンパス・フォトパスより。)
だいぶ昔の話だが、友人同士が言い争っていた。一方はWINDOWSの素晴らしさを語り、他方はマックOSがいかに優れているかを主張して互いに譲らなかった。激しい応酬になり、君はどう思うかと私に話を振られた。
私が「どちらも僕が作ったOSではないから。僕が作ったものなら自分のOSの良さを主張するけど」と答えたら、白けて対立は終わってしまった。
鉄道ファンが鉄ちゃんと呼ばれて、カメラを構えて駅や踏切に人垣を作っている。確かに鉄道は美しい。それは単に彫刻のように鑑賞するためのものではなく、輸送するという機能があり、その機能を実現するために知恵の限りが尽くされているからだ。
だが、私は鉄ちゃんにはなれない。なぜなら、それは所詮他人が作ったものだからだ。私ならもっと美しい鉄道を作りたい。
私が住む豊橋の近くに日本車両という電車を製造する会社がある。そこの社員を知っている。彼は鉄道の床下のバネの強度はどれくらいなければならないか、といったことまで知っている。彼はもと鉄ちゃんである。本当の鉄ちゃんは、ここまで極める必要がある。彼から見れば、新型車両の前で群れなしている人々は鉄ちゃんのうちに入らないだろう。
私がプロ野球やサッカーを見ないのは、「自分でやらなきゃ意味がない」という気持ちがあるからかも知れない。
(いつものことですが、私の意見はかなり偏ったものでしょう。プロの妙技を鑑賞することも大きな楽しみの一つだと思います。反論を期待します。)