院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

煮たり焼いたりする料理

2013-09-28 04:02:19 | 食べ物
 料理は芸術である。煮たり焼いたりする行為は、料理人の芸術的技能をもって初めて可能である。

 したがって、カルビなどの焼き肉は料理とはいえない。料理を焼くということは、料理人がやってこそ生きてくるのであって、客が焼いてしまっては元も子もない。(日本料理では、串打ち三年焼き八年といわれるほど高度な技術である。)

 煮るという行為も同じである。微妙な火加減はプロにしかできない。下のような小型のパラフィンコンロを出す旅館は二流である。煮るという高度な作業を素人の客に任せているからだ。



 古来、庶民の家では火は台所の釜戸にしかないものだった。七輪や火鉢が発明されて、釜戸の火が座敷に持ち込まれたのは、わずかに江戸時代のことである。(上流階級は別。)釜戸の火を別室に分けることが可能になったのは、庶民生活にとって一大革命だったと柳田國雄は記述している。

(寄せ鍋やすき焼きが料理と呼べるかどうかは、現在考察中なので、しばし待たれたい。)