県西おもちゃ病院（2008.12）

今日は10件の受付だったが、難しいのが多く、ドクター4名フル活動でも、3件の入院となった。
①ボローギー（カエルのぬいぐるみで、ルイアームストロングのワット・ア・ワンダフル・ワールドの歌を口パクで歌う）
口パクしないということで、ぬいぐるみを剥がす。普通（イワヤ製）のと違い、電池ボックスでの挟み込みなので、この作業は楽だった。
下あごを四角いシャフトで廻して（シャフトは連続回転なのだが、下あごは往復運動）いるが、あご側モールド穴が磨り減っているのが原因の様だ。上記の様に接着するわけには行かないので、間に薄い銅板をはさみこんで組立した。しかし、動作しているうちに、あごが、必要以上に大きく開く様になって異様だが、事情を説明して、このまま使用してもらうことにした。
②ピーチ（ぬいぐるみの歩行犬）
足の骨折（シャフト付け根部分もモールド割れ）にて、ステンレス細線で接合、プラリペアでコーティング。
③④レーザーガン
1台は電池容量不足、もう1台はモーターでLED円盤を回転させているが、LEDから接続している配線（一本はモーターシャフト部分、もう1本はこの周囲にあるハトメに接続）さらにこの部分のモールド割れ。この構造のが1台に2個入っている。
接続が大変で時間切れ、入院となった。
⑤アンパンマンのおしゃべりあいうえお教室DX(アガツマ製）
オープニングのアナウンスは出るが、その通りキー（ニコちゃんマークをクリック）を押しても反応せず。このキーが反応しないと、その次のメニューに入らない。
内部接点シートの腐食による断線、（片面5箇所+反対面2箇所）。
イージスペンでレジスト上から引き直す。更に包装用粘着テープをその上から貼る（これは、経年変化未確認のため、お勧めは出来ない。先輩ドクターからアドバイスの有った、図書補修用フイルムルックス社の物が良さそうだ）。これは接続出来たが、接点部分に塗ったのが厚くて常時接触となってしまう。現在、対応を思案中。
⑥ミニコンポ（古い、レコードプレーヤーもセットになったもの）
カセットデッキ部のレバー折れにて、入院修理対応。

⑦名曲ピアノ絵本

キーを押しても、音が断続して、正常再生されない。⇒電池容量減によるもので、おもちゃの動作しない原因の７０％は電池によるのが多いと言っておいた。

⑧キーボード

電池ボックスのネジが錆び付いて開かないというもの。

無理矢理ネジを廻したら途中で折れた。内部の電池が液漏れしていての影響、接点も腐食して、マイナス側スプリング接点折れ。

メネジのボスは持ち合わせが無いので、外して、手持ちのM3-６角ナットの中心に半田こて先を入れ、相手モールドに圧（熱？）入する。

接点は、メル友ドクターから頂いた接点に交換し、OKとなった。

⑨ミッキーのフィギャア

これが、大変だった。50ｃｍ位有るだろうか、軟質プラスチック？製のもので、頭を凹ましてしまったので、直らないかとのこと。

首を無理矢理外そうとしたら、付け根で切れてしまった。内部は発泡ウレタンらしきものが充填されているので、凹んでいる部分まで、取り除き、ハンマーの柄で内部から押し、仁平ドクターが持って来たヒートガン（熱収縮チューブなど加熱するもの）で外側から暖めて整形していく、これが、綺麗に仕上がった。ヒートガンが無ければ出来なかっただろう。

おもちゃドクターって、どんな道具でも、持ってるのねと、驚いていた。

首は、ロックタイト401で接着、さらにクイックボンドで周囲に塗布。接着強度には自信が無いので、置物として触らない様に御願いした。

⑩おやすみホームシアター

天井などに、カセットに入ったフィルム（2枚重ねになっており、お互い反対方向に回転する）を回転させ内部ランプで投影するという（音楽のカセットも別の所にセット）ものだが、回らないという。

分解しようとしたが、最後の分解方法で悩んでしまう。時間切れで入院。

奥まったところにカバーの止めネジがあった。

この段階で動作確認したら、正常に回っている（非常に回転が遅いので、動いていない様に感じるが）。念のためギアボックスを開け、動作確認と注油を行う。

組み直して修理完了。

番外編：ハロゲンヒーター

サークルの方が、タイマーが動作しないと言うことで、修理依頼に来た。入院で、分解して見たが、タイマーはゼンマイ式のMAX3時間用で、内部ゼンマイの変形で修理不能と判断。外付けタイマー単体では1500円位から有る様なので、どうするか確認中です。取り敢えず、ゼンマイ部分は取り外し、ON/OFF動作だけにしてある。