メールで交流のあるおもちゃドクターから、トイラジコンの電波が出ているかモニターする方法が無いか問い合わせが有った。
簡単で身近にあるものでチェックする方法として、日本おもちゃ病院協会の講習会で、AMラジオを使用する方法が紹介されていた。
アマチュア無線家としては、周波数が違うから無理だろうと思ったが、ちゃんとAMラジオに信号が聞こえて来る。変調パルス信号の高調波が検出されている様だ。
変調信号回路は動作してても、電波が出ていないという場合には使えないので、簡単に受信機が出来ないものか、調べてみた。
ネットで検索すると、100円AMラジオの前に50MHzのクリコン(クリスタル・コンバーターの略)を付ける方法が紹介されていた。
もっと簡単で、感度の良いものが出来ないかと今までの実績回路でアレンジしてみた。
AMバンドに変換する原理は一緒だが、AMラジオとしてaitendoより発売されているDSPラジオモジュール180180[DSP-RADIO-M] 240円を何個か在庫していたので、これを使うことにして、DSPブレークアウト基板[DSP443-BKO] 180円に実装することにした。
モジュールピッチが2mmで基板ピッチが2.54mmと異なるので、ヘッダーピンとソケットを使ってプラグイン出来る様にした。
クリコン回路は、何度かFMチューナーフロントエンドで置き換えたTA7358AP(サトー電気で税別90円)を使うことにし、このICと一緒に26MHz水晶と40MHz水晶を注文した(どちらも税別で5個200円)。
RFの同調コイルにはaitendoの磁気コア可変コイル(2個入)[KB35]11T(100円)を使用し、同調コンデンサはカットアンドトライで22PFとした。(27MHz帯に同調させているので、40MHz帯ではレベルが少し落ちる)
出力(6ピン)は1mHのインダクタで非同調とする。
お互いのコイル(入出力)を接近させると、回り込みで自己発振を起こすので、離している。
TA7358APはLCによる発振回路となっているので、水晶で発振するか心配だったが、どちらも問題無く発振した(水晶は8ピンとVCC間に入れた)。なので26MHzと40MHzをスイッチで切り替えられる様にした。
DSPラジオ側はMW-AM固定(520~1710kHz)とし、バーアンテナ替わりにIFT(黒コア)を使用し、ケースはGNDに落とす。これにより、MWの直接波は減衰する。
SGで信号を出し、ヘッドホン出力でモニターして見る。
受信範囲は26.5~27.78MHzと40.46~41.77MHzになった。
(RF部の同調はラフなので、当然、下側ヘテロダイン周波数も発生するが)
ラジコンに許されている周波数は26.975~27.255MHz(01~12バンド)、40.61~40.75MHz(61~75バンド)なので、受信範囲に入る。
クリコン側はアンテナ無しで、SG側は30cm程度のリード線を付けた状態で受信するので、DSPラジオの効果が出ている感じである。同調するとLEDが点灯する。
電源は単三×2本の3Vを想定しているが、2Vまでは正常に動作した。消費電流は50mA以下です。
以上、材料費は千円以下で出来、今回の製作で、逆にアマチュアバンドでも威力を発揮しそうだ。
2007/4/21のブログでTRIO製プリコンSM-5を紹介しているが、これに応用出来そうだ。オリジナルのままで私設博物館?用として置きたい気持ちもあるが。
【9/13実機で確認】
おもちゃ病院が有ったので、実際のラジコン送信機で確認してみた。
簡単なASK変調なので、広帯域に変調音が聞こえて、どれが中心周波数なのかわかりにくい。
ハンディ受信機でも、同じ現象となるが、レベル表示が出るので、それで確認は出来る。
ラジコンカーと到達距離を比較したが、ラジコンカーのが同調の関係は距離が伸びる。
クリコンでも10m以上は届くので、確認用には使えそうだ。
あとは、バリコンを付けて同調させた場合どうなるか確認したいと思う。
先日のブログで、電池クリップを使った仮充電を紹介したが、aitendoのリチウムイオン電池充電キット[AKIT-4057](オリジナルは入出力端子が付いていないので、ジャックと端子を付けている)が見つかったので、ユニバーサル基板に電池クリップと充電ユニットを組み合わせてみた。
ただ、それだけのことなので、工作は短時間で完了。
早速、充電してみる。入力は5V出力のACアダプターを使用する。
専用チップ(TP4057)を2個並列運転させて、最大充電電流1Aまで可能とのことだが、かなりチップが熱くなるので、電流を測定すると0.45A程度である。
データーシートには並列運転の応用回路が無く、そのせいかと1個外してみたが、やはり熱くなる。仕様だろうと、このまま様子を見る。
1時間ほどで、充電LEDが赤から緑に変わったので、充電完了した様だ。電池を取り外す。
【メル友よりアドバイス】
5Vの電源で1Aの充電をしようとすると、電池が3.5Vとすると1.5V?1A=1.5Wとなり、あのパッケージでは耐えられないでしょう。
そこでサーマルプロテクターが動作して電流を減らすようで、充電時間が伸びているようです。
充電電流を見ながら元の電圧を下げていくと、4.4Vぐらいまで動作するようで、私は300mAの充電器を作ったときは1Ωの抵抗を2個挿入し、抵抗に熱を分散するようにしています。
電流が未定の時はダイオードでドロップさせるのも手かと思います。
また1Ωの両端の電圧で電流を直読できます。