入院おもちゃで最後に残った厄介?な「ラジコンジープ」の修理に取り掛かった。
受信機が故障らしいことは昨年確認出来ていたので、これを機会に送受信機を作ってみようと、手持ちが無かった27MHzの水晶をおもちゃドクター仲間から送っていただいた。
信号のやり取りには、イーエレで販売されているPT2262(送信)150円、PT2272(受信)150円を使用することに。
まだ試してはいないが、このICは12Bit3ステート(L/H/F)でアドレスコード設定(3の12乗=531441通り)が出来るので、セキュリティとかにも使えそうだ。
「pt2262.pdf」をダウンロード
「pt2272.pdf」をダウンロード
この他に、ラジコン専用7CHのMT-6/MR-6Aもあるが、少し高い。
「MR-6A.pdf」をダウンロード
この部分をまずは製作して、有線で接続すると、問題なく4CH(前後左右)のやり取りが出来た。
といいたいところだが、ちょっと勘違いが有った。
PT2272はL4(ラッチ)とM4(モーメンタリ)の2種類があり、L4で良いかと使ったら、言葉通り、他の信号が来るまでラッチしたままになり、ラジコンには使えないのでM4に交換してOKとなった。
次はモーター制御用にフルブリッジドライバーIC(TA8428K:秋月で2個300円)を追加して、モーターを廻してみたら、これも問題無く動作した。電圧降下は約1.2Vだった。
「TA8428K.pdf」をダウンロード
同様なICには、TA7267、TA7291等あるが秋月での価格は同一だった。
問題は、水晶発振回路と、送信増幅部分である。(受信回路までは着手出来なかった)
参考回路を基にトランジスタで構成した。発振回路は無負荷では27MHzが出力されたが、負荷が掛かると9MHzになったりする(オーバートーンの水晶なので難しい)。送信増幅も歪が多いので、高周波用増幅IC(UPC1651G)に変えてみたが、少し改善されるものの根本的な改善にはならない。やはり同調コイルが無いと難しい様だ。
更には、PT2262の信号で、高周波を断続させるのに、苦労した。
元々の送受信機の高周波回路のみ使用するという選択肢も有るが、今度はスペース上入らなくなり、これ以上は、解決に時間が掛かりそうなので、水晶を提供いただいたドクターには申し訳無いが、時間のある時に実験再開することにして、赤外線方式で作り直すことにした。
PT2262には赤外線用のPT2262-IR(190円)があるので、これを使用する。
クロック周波数が可変出来る様に1MΩ多回転を使用。
その他は参考回路通り作って見たら見事動作した。クロック周波数を一番感度の良いところに合わせる(結果的には38kHzになっていた)。
感度(到達距離)が伸びないので赤外LEDと赤外線リモコンモジュールを交換してみた。
赤外LEDはOSIR5113A(秋月で100個700円)を20mAで動作させる。
赤外線リモコンモジュールはPL-IRM2121-A538(秋月で100円)がPL-IRM0101-3より良かった(指向性が広いせいか?)。
同じ形状のPL-IRM2161-C438のが安くて良い(2個で100円)かも知れないが、手持ちが無いので、後日確認したい。
1/10部品入手:性能的には差が無い。電源電圧2.4Vから動作するので便利。但し、Max5.5V(全てのモジュールが同じだが)を超えると、即、壊れるので、定電圧等の保護が必要。
3.3Vの3端子レギュレータを赤外線モジュールの電源に使用。PT2272は動作電圧4Vからなので、動作せず、これは電池直接とした。
クロック用の抵抗も可変抵抗で一番安定に動作する点を探して見る。
1.2MΩ(14kHz)が一番良かったが仕様書の1MΩ使用(16kHz)でもさほど変わらなかった。
ところが、このラジコンは元々、比例制御(プロポーショナル)方式なので、このICを使った場合、送信側をニュートラルにしても、ステアリングが中点に戻らないので、もう一工夫、回路追加を検討しなくてはならない。
ステアリングの機構も、リンク、ロッド部プラスチック破損が有り、これもアイデアを出して補修した。