Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

路線バス

2023年08月18日 | バリ
 数年前から国のテコ入れもあって、バリでは路線バスが走るようになった。去年までは走行実験の名目で無料だったが、いまでは電子マネーによる支払いのみ4,400ルピアでどこまでも乗れる。
 ただ観光客には少々敷居が高い。まずpaypayのようなアプリをいっときの旅行でインストールするのは難儀だし、スイカのようなカード購入やそのチャージも簡単ではない。
 もっと問題なのは、路線バスの経路は渋滞必須で、当然ながら抜け道は使えないのである。ゆえに乗客はまばらだし、このバスもまた渋滞の原因になっているのではないか、と思うこの頃である。


存在していることへの喜び

2023年08月16日 | バリ
 時代が変わり、東南アジアの街々も、あの店、この店が順繰りに消えていき、モダンな建物へと変わっていきます。
 それ自体を否定しているわけではないのです。でも、時代に取り残されたように未だ存在しているこのお店を見ると、何だろうな、喜びとも郷愁とも違う不思議な感情がこみ上げできます。
 店のおじさんもボクも歳をとりました。40年近い日々が過ぎ去ろうとしているんですから。それでも、いつもと変わらず店員のおじさんは私に静かに微笑んでこう言います。
「久しぶりだね」


芝刈り

2023年08月15日 | バリ
 太陽が昇ればこの地は昼と同じだから、騒音なんておかまいなしである。
 案の定、朝6時半前から、芝刈りの強烈な音で目が覚める。そしてかれこれ1時間この音は続いているのである。 
 まあ、これも文化感の違いみたいなもので、当該文化の人々にとって、ここがホテルであろうと御構いなしである。だからこちらもあきらめて、受け入れざるを得ないのである。

どこから見ても正面

2019年03月24日 | バリ

  22日からインドネシアに来ています。今回はバリからスラウェシに移動し、バリに戻って4月3日の朝に帰国します。それにしても、ここに至るまでの道のりは多忙を極めて、本当に海外なんて行けるのか真剣に考えた時期もあり、キャンセル料の計算までしてました。どうにか着きましたが、学会など連絡が結構あり(大学がひと段落した時期には学会が忙しくなるという悪循環)、そうも研究に没頭できないというのが現実です。
  昨日は朝から東へ西へとバイクで移動し、帰りには土砂降りに遭遇し、川のように雨水が流れる幹線道路をバイクで走り、文字通りずぶ濡れになり宿に戻りました。雨具のおかげで資料はすべて無事でしたけど、さすがに疲れ、今日は16時に戻って19時まで爆睡してました。
  食事に行こうと、宿を出た近くには、あの有名なチャトゥル・ムカの石像があります。「あいつ、バリ・ホテルに泊まってるんだな」と思われるかもしれませんが、残念ながらその近くの快適な安宿です。久しぶりに写真を撮ってみると、ばっちり顔が写っているではありJませんか!なんとラッキーと思いきや、この石像、チャトゥル(4)とムカ(顔)だから、4面の顔がついていたのでした。まあ、どこから撮影しても正面向いてるわけだよね。いったい何十年、バリに通ってるのかしら。


新しいガムランのばち

2018年09月07日 | バリ

 バリで新しいガムランの舞台用のばちを友人のコマン君が制作してくれた。グループの衣装の色、楽器の特質などを詳しく伝えたところ、いろいろ悩んだようだが、できあがったのはこの写真のばちである。正直、びっくりするぐらい美しい仕上がりだった。もうこのばちで演奏するというだけでテンションが上がるほどである。
 ガムランという楽器にとってばちもまた重要である。その堅さや大きさによってその音、演奏の方法などが異なってくる。だからバリでは特に競技会などの場合は本番用のばちを慎重に、かつ比較しながら選んでいく。
 このばちの大きさも私の楽器に合わせてもらった。つまりイージーオーダーのこの世に二つとないばちということになる。とはいえ、ばちの運命というのははかないもので、何年かすると先端がつぶれ、練習用のばちになり、最後には廃棄されることになる。要は消耗品だ。このばち作りを職業とする私の友人はこういった。「今の僕はこれを仕事としている。そしてそれが楽しくてしかたがない。踊りの衣装作りがその体に合わせて衣装を作るように、ぼくは、それぞれの楽器に合わせて木を選び、たたきやすいばちをつくる」と。彼は彫刻家であり、演奏家でもある。だからこそ、芸術作品のように美しく、そして叩きやすく、美しい音を奏でるばちを作ることができるのだろう。まさに「モノづくりの技」とはこのことだ。


Happy End とはいかなかった帰国

2018年09月06日 | バリ

 9月4日の0時45分発のガルーダ880便は時間通り、ングラ・ライ空港を離陸した。そして太平洋から近畿地方に接近する台風を避けるように、日本海を経由して大回りで成田空港に1時間遅れで到着したのだった。成田は多少の風があるものの、台風を感じられる空気の変化はない。ああ、よかったと思い、急ぎ東京駅へ向かった。
 タイミングがいいことに11時03分発のひかりに飛び乗れた。
「通常運転ですか」の私の質問に駅員は、「はい時間通りの出発です」と何の躊躇もなく答えた。私は安心して自由席の窓側の席に座って、浜松まで深い眠りにつく予定だった。なかなか夜中の飛行機はぐっすり眠れるものではない。新幹線でそれを取り戻そうと考えていた。しかしその考えは甘かったのだった。
 新横浜に止まると、そのまま新幹線は動かなくなった。台風21号の影響による米原~京都間が強風のため、というアナウンスだったが、風がおさまり次第出発する、と何度も繰り返していた。なんとなくうとうとしながらそのアナウンスを夢の中で聞いた。しかし待てども待てども動かなかった。
 4時間半待ったところで、「架線が切れて復旧の目途がたたない」というアナウンスにかわる。そのとき決断した。国分寺の実家に帰ろう!と。しかし、ここは新横浜である。在来線も遅れているし、東京までやっとのことで戻り、切符をキャンセルし、さて中央線に乗車しようと思ったところで、これもまた全線運転が止まっている。仕方がないので、改札口の前で立ったり、座ったり。夜9時を過ぎても新幹線は動かないようだ。新幹線改札口には人があふれている。
 東京に実家があって本当によかったと、そのとき思った。そんなとき中央線復旧の知らせが入る。家に戻ったのは23時前だっただろうか。バリを出てから25時間でようやく東京の実家まで到達したのだった。そういう意味で、本日のタイトル、Happy Endとはいかなかった帰国となったわけである。写真は新横浜にずっと停車していた新幹線の中で撮影。誰一人声を発せず、シーンとしていたのが印象的だった。


今年も食べました

2018年09月03日 | バリ

K教授
前略
  その後、帰国をしてお忙しい日々を送っていらっしゃることと思います。こちらはあれからあちこちと調査にまわり、本日、帰国日を迎えました。ところで一つご報告があります。
   今年は教授と食べることができなかったクラブサンドイッチをやっと昨日のランチで食べることができました。残念ながらサヌールの海辺の白いパラソルが並ぶカフェのような洒落た場所ではなく、街の喧騒の中に建つデンパサールのバリ・ベーカリーでしたが、そこでも背伸びをして、二階の半野外になっているテラスでランチをとりました。この時期はお昼のデンパサールでも涼しい風が吹き抜けるすばらしい場所です。でも、海の波の音ではなく、バイクのエンジン音がうるさいのがたまににきずです。
   ここのクラブサンドイッチはボリュームもあり、3つも食べるとおなかがいっぱいになります。なんといってもポテトフライの量が多いので。まるで炭水化物オンパレードのランチですが、それでもこれはバリでの自身に課したミッションですから躊躇することなくいただきました。ちなみに、残りの一つは、食事をともにした学生の一人に寄付いたしました。デンパサールのクラブサンドもなかなかです。次に行くときは、ぜひ、ここのクラブサンドイッチをご一緒したいと思います。
   次にお会いするのは23日の横浜公演でしょうか?そうそう、24日に浜松でもガムラン・アンクルンの奉納公演があります。よろしければいらしてください。ちょっと遠いですが。それではお元気で。
草々


スパゲッティのような?

2018年09月01日 | バリ

   今回はほとんど出先のお店や、お伺いした家で食事をさせていただているため、「お持ち帰り」で注文して部屋で食べることはほとんどなかったが、久しぶりにインドネシア風焼きそば「ミーゴレン」をテイクアウトで注文した。初めての店で注文して、部屋で包みを開いてみたところこのミーゴレンが出てきたのだった。
   いわゆる太麺であり、ちょっとみるとスパゲッティ・ナポリタンのようにも見えるではないか?店屋によってはもう少し汁気があるのだが、ここのミーゴレンは、それほどウエットな感じもしない。お持ち帰りにはこの方が食べやすくていいのである。
   日本の中華料理屋も店屋によりそれぞれ特徴がある。同じようにインドネシアのワルンとよばれる食堂もまた同様だ。一見したところ、お店の雰囲気はどこも似たような感じに見えるが、実は料理人によってぜんぜん違うものが出てくるし、味付けも千差万別である。だからこそ、それぞれの人にお気に入りがある。この店のミーゴレンが大のお気に入り、というわけではかったが、それでもお気に入りのミーゴレンが一つ増えたのだった。


かつ丼&マンゴージュース

2018年08月30日 | バリ

   一本前のブログに掲載したカフェでいただいた「かつ丼&マンゴージュース」である。見た目、結構旨そうに見えるではないか!これ、本当に美味しい。まあ、日本食なるものをバリで出される基準で測れば、かなりいけるレベルである。ただ、若干「揚げ過ぎ」の感はあったが、それでも砂糖の入れ方、卵の半熟度、玉ねぎ具合などどれをとっても、私なりに合格点である。だいたい、注文してから肉を揚げているので、サクサク感もある。
   カフェ飯なんぞは、ほとんど日本で食べたことがない。しかし、これは、このカフェにとってはかなり「エスニックな」カフェ飯なんだろう。日本のカフェでタイ風焼き飯やら焼きそばが出てくる「あの感覚」である。日本のカフェでエスニック料理が出てきても何ら違和感はないわけで、バリのカフェで「日本料理」もその点では同じことにならないか?
   この店にまた行くかどうかはわからない(もしS教授がまたこの近辺に宿泊したなら絶対に行くだろう)。だいたい一人でこんな洒落たカフェーになんぞ入ることは考えられないが、35,000ルピアでかつ丼が食べたくなったときはお勧めのカフェ飯である。


おしゃれなカフェで…

2018年08月30日 | バリ

   日本では「カフェ飯」なんて言葉が使われるようになって久しいが、ここインドネシアでもちょっぴりオシャレなカフェが増殖中である。聞くところによると、ジャカルタをはじめ都市から広がった本格派コーヒーブームがインドネシア全土に広がってきているらしい。そしてそれこそ「カフェ飯」を出すところも増えてきたようだ。そんな私は、オシャレにはほど遠い生活をしているわけだが、たまたまS教授が帰国するということで、S教授の宿泊するホテルの近くのカフェに入ったのだった。
   とはいってもS教授が宿泊しているところは、いわゆる観光地からは少し距離があり、正直に言えば、「普通の村」に毛が生えたようなところである。まわりはワルンやら一般庶民の店であふれている。そんな場所にオシャレはカフェがあったわけだ。ここも別の小さなホテルの一部であることがあとでわかったのだが、素敵な空間だった。
   そして、ここでいただいたカフェ飯が35,000ルピアの「かつ丼」。この写真も撮影したのだが、カフェの雰囲気がわからないために掲載はしなかった。しかしそのかつ丼がまた旨いのである。270円のかつ丼に、旬のマンゴージュースでディナーという最高のカップリング。しかも、オシャレなカフェではお箸は出ないので、スプーンとフォークでどんぶりに入ったかつ丼を食べるという新規性。だいたいかつ丼とマンゴージュースのカップリングなど日本では想像できまい。ということですばらしい体験だった。やっぱり次回、そのかつ丼とマンゴージュースの写真を掲載しようと思う。