Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

バリの石像(その2)

2013年10月31日 | 浜松・静岡
 本日はわが家周辺のバリの石像第2弾である。住んでいるマンションの入り口を出て、信号が青だと徒歩40秒の距離に存在する実に身近な石像がこのガネーシャである。ダイニングバー風の高級そうな飲食店前に日がな一日、ぼんやりたたずんでいる。明らかにバトゥブランあたりの石像屋で作られたものがアジア雑貨屋を通して売られたか、オーナーがバリ好きで現地購入したかどちらかであろう。
 ヒンドゥーの神としてガネーシャ(象の顔をした神)はひじょうに有名だ。インド民芸品店などにいけば、ガネーシャグッズはたいてい二つ、三つあるものだ。バリにもウブドやサヌールなどにガネーシャブックショップという有名な本屋があるのでご存じの方も多いだろう。ちなみにバリのロンタル文書(古文書)には、ガネーシャという表記はなく、ガーナGanaと記されているので、私の師匠は決してガネーシャと言わなかった。しかもインドのガネーシャは絵でもポッチャリ系なのだが、バリのガーナはすらりと細見、スレンダーである。バリのワヤンの人形なんてその典型である。
 シワ神の妻がお産に苦しんでいるとき、とにかく驚かせて出産させようと、いろいろな驚くようなモノを見せるのだが出産できない。とうとう大きな象を見せたときに驚いて出産したから、その子供の顔は象になってしまったらしい。もちろん立派な神である。ところでこれとは真逆な立場で、象の顔をした魔物がいるのだが、これは瞑想の成功で、ガーナ神より力を授かった魔物ガジャワクトラである。どうして魔物にとんでもない力を授けちゃうのかと思うものだが、試験に合格しちゃったんだから、魔物だって勇敢な武将だって関係ないんだろう。この魔物、12月6日、7日の光塾で上演の演目「スタソーマ」に登場するし、今回のチラシにも印刷されている。
 さてさて本題だが、このダイニングバーとガネーシャの関係も、先日書いたシフォンケーキ屋とバリの石像同様に不明である。フォルム重視だったのか、それともオーナーがヒンドゥー教を信仰しているか、はたまたヒンドゥー神好きか?ということで、これも宿題である。
「このダイニングバーとガネーシャ像の関係について1,000字程度でレポートしなさい。なおこれにかかる費用一切は、個人負担とする。」

師走恒例のワヤン公演のチラシが完成です!

2013年10月30日 | バンバン!ケンバン♪はままつ
 またまた12月が近付いてまいりました。12月といえば師走、師走といえば光塾での恒例ワヤン!今回はスタソーマ物語の前半部分を上演します。本日、チラシが手元に届きました。
 この演目はかつて沖縄の浦添美術館、山形県小玉川で上演したことがありますが、前半部分を東京で公演するのは初めてかもしれません。仏教と深くかかわるスタソーマ物語はバリのワヤンの演目としては異色かもしれません。私はほとんどその演目を見たことがありません。それほど観客にとってはなじみのない物語なのです。
 しかし私たち日本人からみれば、実はラマヤナやマハバラタといったインド古代叙事詩よりもずっと理解ができる演目だと思います。ただし、猛烈な激戦がある演目ではないことから、派手さにはかけるかもしれません。そういう意味で「アダルト向け」な演目です。
 今回も一座のH氏がチラシを担当です。自主公演のチラシ担当の地位を確立しつつあります。チラシを見ると、登場人物の人形がわかる、というのもわたしたち一座のチラシの特徴です。
 容姿端麗なスタソーマのほか、象の顔をした魔物や、竜や虎が登場するスタソーマ物語前編。定員は毎度ですが各回45名です。お早目にご予約くださいませ。

上演:ワヤン・トゥンジュク梅田一座
   ダラン:梅田英春  演奏:グンデル・トゥンジュク

日時:第一日 12月6日(金)  19:00開場 / 19:30開演
   第二日 12月7日(土)  14:30開場 / 15:00開演

会場:光塾 定員45名(椅子席22席、桟敷席23席) 全席自由
(JR渋谷駅 新南口から徒歩1分)
   会場では履物を脱いでお入りいただきますのでご了承ください。

料金:一般2,000円 / 小中学生1,000円(前売・当日共)
   未就学児無料

11月2日(土)午前0時より受付開始です。
お申込・お問い合わせ: ワヤン・トゥンジュク予約センター
            e-mail: wayang@mbf.nifty.com


●Emailでのお申込みは、件名に「ワヤン予約」とご記入の上、本文にお名前、電話番号、希望公演日、希望枚数、椅子席ご希望の方はその旨を記載してお送りください。折り返し、確認のご連絡をさしあげます。
●お申込み、お問い合わせは12月5日までとさせていただきます。
●定員になり次第締め切らせていただきますので、予めご了承ください。

25年も一緒にいたなんてね…

2013年10月30日 | 家・わたくしごと

 あなたとともに過ごした日々は25年です。出会ったのは1988年なのを覚えていますか。本当に走馬灯のように過ぎ去った年月でしたね。その間、あなたは、私の聞くCDをほとんどすべて、奏でてくれていたわけです。いったいその間、どれほどの音楽を奏でたり、歌ったりしてくれたのでしょう。でも、もうそんなあなたと、あとわずかでお別れです。
 ここ数日、あなたが私の傍からいなくなってしまうと、なんだかそれまでの音楽経験が一瞬に消えてしまうようで怖くて仕方がなくなりました。音が心の中で生き続けていることはわかるのです。でもね、一緒にいた時間が長すぎたから、「モノ」としての形が消えてしまうことが怖くて、その瞬間に何が起きるのか恐ろしくてどうしようもないのです。
 新しい友人はもう数日でやってきます。もちろんあなたと25年をともに過ごしたように、これから仲良く付き合っていきます。でも25年か…。ボクはどうなっているんだろう?そんなことを考えるはやめることにしましょう。今は「ありがとう」を心の中で何度も何度も呟いて、呟いて…。そんな今もあなたはうれしそうにピアノの音楽を私に届けてくれているのです!時にはとっても苦しそうに咳き込むのだけれど、それでも最後まで奏で続けてくれているあなたを見ていると、なんだかボクは勇気が出てきます。だから前を向いて、あなたと向き合って、「さよなら」が言える気がするのです。
 


たまに名曲が聴きたくなると…

2013年10月29日 | 家・わたくしごと

 先週土曜日に開催されたバンケン2013で、トイピアニストの須藤英子さんが、二台のトイピアノでパッヘルベルのカノンを演奏した。名曲が聴きたくなるきっかけなんて、いつもそんなことから訪れるものだ。たとえばちょっとテレビドキュメンタリーのバックでその曲が流れるとかね。
 ボクは家に帰って、バロック名曲集みたいなCDをくまなく探したのだが、それがどこにも見つからない。「研究室だろうか?」と思い、今日も探してみたのだがここでも発見できず。そうなると聞きたい欲望は限りなく高まり、もう抑えられなくなって、「もうこうなったらアマゾンでワンクリックか!」とあきらめかけたとたん

 「そうだ、編曲もので、これがあるじゃないか!」

 ということで、ジョージ・ウィンストンのアルバム「DECEMBER」を思い出したのだった。そう、このCDの9曲目が《Variations of the Kanon by Pachelbel》だった。すごい、ぼくはすごすぎる。こんなことを思い出すなんて!とにかく自画自賛して久しぶりに聞くと、これまたウィンストン節炸裂である。
 この曲を繰り返し聞いているうちに、中野にあったあの名曲喫茶「クラシック」を思い出した。薄汚れた小さな黒板に、硬いチョークで曲名を書いて、長いこと順番を待っているとそのレコードがかかるのだった。薄暗く今にも抜けそうなギシギシと音を立てる床の2階は、クラシック喫茶にもかかわらず食べ物持ち込み自由で、やっぱり音が出るお煎餅は遠慮して、駅前から続く商店街で買った一番安い菓子パンーーたいていはクリームパンだったーーを食べながら粉っぽいオレンジジュース頼んでこの曲を聴いていたころを思い出す。だいたいコーヒーかオレンジジュースしか注文するものはなかった。もう今、あの店は跡形もない。でもあの壊れそうな木造の建物の記憶、そんな頃の楽しかった記憶、ボクの中から消えることはないだろう。バンケン、トイピアノ、パッヘルベルのカノン、中野クラシック、私の記憶……そんな連鎖でしばし幸せな気分に浸ることができた。音楽とはまるで、これまで歩んできた人生の鏡のようだ。


バリの石像(その1)

2013年10月28日 | 浜松・静岡

 私の徒歩の通学路に存在するバリの石像である。外見はすごくおしゃれな店で朝は看板がないのでスパかサロンかと思いきやなんとシフォンケーキ専門店だった。正直なところ、このバリの石像が気になって、店で売られているものに全く興味が湧かないのである。あまりに入口にインパクトがありすぎるのも問題があるということだろうか?
 しかし、これは個人的な趣味なのか、それともシフォンケーキ屋の主人はバリフリークか、はたまた、以前はバリ・スパだったのか?そんなに気になるなら店に入って聞けばいいものを、これがまたおしゃれすぎて、とてもドアを開けて中に入れる雰囲気ではない。
 しかしながら、そんなことを考えれば考えるほどまたまた気になるのである。ということで、浜松在住の学生諸君に来週の宿題。
「このシフォンケーキ専門店とバリの関係について、1,000字程度でまとめるように。必ず店員とのインタヴューを行うこと。参考文献はつけること。ちなみに場所はステーキガストなるファミレスの隣である。」
  
 


ボクに足りないもの

2013年10月27日 | バンバン!ケンバン♪はままつ

 昨日の「バンケン2013」、無事に終了いたしました。ご来場の皆様、本当にありがとうございました。鍵盤ハーモニカ、すごすぎます。トイピアノの「トイ」はとって、これからは小型ピアノといいましょう。アコーディオン、どうしてガムランなんてやっているんだ、と自問自答してしまったほど素敵!そんなこんなで、スタッフの割には演奏をたっぷり聞いて感動しつつも、立ちっぱなし、荷物運びで、足腰が疲労して終わったのでした。まあ、「快感的疲労」ですわ。
 ところで、このバンケン、実は、鍵盤ハーモニカの歴史が年表にまとめられパネルとなって展示されたのでした。鍵盤ハーモニカなんて長くてかったるいし、ピアニカはYAMAHA、メロディオンは鈴木楽器の登録商標なので、どちらかをいうのもの問題なので、われわれ「ケンハモ」と呼んでます。そうそう、あの京都の料亭で、梅肉ソースつけて食べる高級な料理に似ています。ちゃんと骨は切ってあるから、「剣ハモ」だってだいじょうぶなわけです(意味不明)。
 そんなハモを、じゃなくて「ケンハモ」の年表の横に貼られた表示(写真)が本日のブログの内容(ってか、枕長すぎるんですけどね。)。実は、バラバラに印刷されたこのA4の用紙を見て、ボクはこれを横長に(2行にしてもいいけれど)することしか思い浮かばなかったのでした。ところが、ある学生はこれを見るなり、あっという間にこうして貼ってしまったわけです。しかもかわいいメンディングテープで装飾して!ボクはこの瞬間、打ちのめされました。この人の才能(?)に感動すると同時に、嫉妬すらしました。恰好良すぎます。
 ボクに足りないところはこういうところです。本当に融通が利かない人間なのです。だから反省と感動の意味を込めて、記念に写真に収めました。ポケットにデジカメは入れていたけれど、バンケンを撮影したのはこれ一枚です。これに比べたら、どれもこれもインパクトがなく、影が薄く感じてしまいました。(誤解しちゃあいけません。素敵な演奏だし、素敵な方々でしたけど、それ撮影してもブログには掲載できないものね。)
 


マントラは役に立ったか?

2013年10月25日 | 浜松・静岡

 本日、午後3時、大学事務室での会議。机の上には、台風の進路図がホチキス止めされた数枚の資料が配られた。事務の管理職の方々、背広姿かワイシャツ姿。私一人だけバティックの上着。完璧に浮いている…。
 誰も口火を開かない。静かに資料に目を落とすもの、携帯を眺める(きっと台風情報を見ていたのであろう)もの、ぼんやり壁も見つめるもの、三者三様である。僕は何をすればいいのだ?これまで天気図なんて米海軍から日本の気象庁、穴が開くくらい見ているのだがら、こんな資料を見ても、もう何も新しい情報なんて出てこないのだ。誰か何か言ってくれ!
 とそのとき誰かが多少、重苦しい雰囲気に合わせたトーンでこういった。
「27号は、だいぶ太平洋の方にずれていきましたな」
 そうだよ。いい口火だ。できれば27号じゃなくて、台風27号と言ってほしかった。28号だったら鉄人と間違えた人がいるかもしれないじゃないか。
「まあ、確かに…」
この表現もまた暗い。雰囲気を大切にしているは評価できるが、もっと明るく話そうよ。いい話なんだから。
「やれますね。私としてはやらせていただきたいと思います。」
もうはっきり私は自分の考えを伝えた。一瞬、皆は互いに顔を見合せたようだったが、「まあそうですね」といいながら、再び誰かが携帯のディスプレーを見ながら
「今日の夕方6時くらいがかなり振るらしいね」
とつぶやいた。そんなことはどうでもいいから、明日のことが知りたい。でもこんなときあせりは禁物である。
「帰る時間がね。雨がひどくなりそうだな」
ゆっくりと誰かがいうと
「じゃあ、まあそれ以降も仕事でもして…」
といいかけたが、管理職ゆえに軽々しく「残業」という言葉を口にすることはなかった。

 こんな会話を書き続けていると長文になりそうなので、ここでやめよう。結果としては「じゃあ、決行ということで」。ということで明日は予定通り「バンケン」開催。浜松ではいくつかのイベントの中止が早々と決まっていたが、「バンケン」は開催である。あとは雨が今夜中に止んでくれることを祈るのみである。そうだ、マントラが効いたのだ。そのおかげで台風は太平洋に去り、いい感じで浜松沖を通過してくれる……。


台風来るな!来るんじゃねえ!

2013年10月24日 | 家・わたくしごと

 台風27号が沖縄近海に接近。これがどうも土曜日には東海、関東に近づいてくるらしいが、今回の台風には気象庁も頭を悩ましているようで、進路予想がなかなか定まらない。そういう状況に対して、ちょっと事情があってイライラしているのである。
 というのは、今週の土曜日、大学では今年も一日だけだが、「バンバン!ケンバン♪はままつ2013」が行われるわけで、このイベントの開催にかかわってくるからである。複数のコンサートや講演会、展示で構成されていることから準備期間も長く、学生たちはしっかり準備してれている。土曜日に関東周辺ではさまざまなイベントが予定されているだろうから、うちの大学だけじゃないのはわかっているが、それにしてもこんな時期に台風襲来とは予想だにしていなかった。
 本日、6時前にベランダに出てみたら、まだ台風の「た」の字も感じさせないような朝焼けだった。今日の天気がいいことはうれしいのだが、なんだか溜め息の連続である。仕方がないので、留学中にならったワヤンの上演のときに雨を降らせないダランの学ぶマントラを、フィールドノートから引っ張り出してこようと思う。

 ちなみにバンバン!ケンバン?はままつ2013の情報は以下のブログでご覧いただけます。
http://blog.goo.ne.jp/chambermusic/e/443c3261b4f8d00a7af1b6d9cd2bc395


うなぎパイばかりではなく…

2013年10月23日 | 浜松・静岡

 浜松といえば手頃なおみやげとして「うなぎパイ」が有名である。浜松で歴史のある和菓子屋の春華堂がつくる「うなぎパイ」は浜松の土産屋、キオスクなどなど、売られていない場所はない。「夜のお菓子」というネーミングとともにとにかく浜松を代表する銘菓となったのである。
 さて、読者の方々は、地味ながら息が長いお菓子「源氏パイ」をご存じだろうか。あのハート型のパイだ。この源氏パイ、実は浜松の企業、三立製菓が作っていることをどれだけの方が知っているだろうか?といってもこちらは浜松銘菓というわけではなく、全国展開するお菓子なので浜松色は薄い。
 浜松銘菓としてのうなぎパイは1961年発売、全国展開の源氏パイは1965年発売だから、どちらも約50年も作り続けられているというから驚きである。ちなみに源氏パイは、Genji PIeとしてインドネシアでも売られているから世界展開(?)ともいえよう。正直、二つを味わい比べたことがないため、きっと味は違うのだろうけれど、私からすればどちらもお菓子の「パイ」である。「ご当地」でいくか、あるいは「全国・世界」を目指すか? 向かう先は違うものの、どちらも浜松が誇る「名菓」である。


真っ白

2013年10月21日 | 浜松・静岡

 今日の浜松。昨日、一日雨降りだったからでしょうか、朝、ベランダから外を見てみるとほとんど何も見えません。普段は浜松を象徴するアクトののっぽのビルもどこにあるのかわからない。この写真はいつもと同様、14階のベランダからの定点撮影なのですが、目をこらしてもビルの形があらわれない。ものすごい靄です。
 台風27号の速度と行方が気になって仕方がありません。26日には学生たちが準備している鍵盤楽器のイベントがあり、前日にはその準備もあります。なんだか今年は台風にイライラします。沖縄にいるときにはこんなことがよくありましたが、まさか浜松でこんな体験をするとは予期できませんでした。なんだか台風28号も発生したとか…。