Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

まさに、この風景

2009年10月31日 | 
 興福寺の五重塔が猿沢池とその柳の木をバックに撮影されていたことを思い出したとき、なんだか急にその風景に会ってみたくなった。えーと池はどこだったっけ。五重塔から少し道を下ると思ったより小さい池が見えてきた。子どもの頃、母と見た池はとても大きかった記憶があるのだが、なんだか首里城のふもとの、「りゅうたん」の方がずっと広いじゃないか。そんなことを考えながら、池のまわりを歩く。
 たどりついた場所が写真をとった場所。まさに、この風景である。多くの観光客が順番にここで撮影する。ちょうど向こう側では工事をしていて、右側に大きなクレーンが写るが、記念撮影をしようとする人々は、そのクレーンが見えないように池のほとりに立って、五重塔と池をバックに撮影する。
 クレーンもいいじゃないかい。今は21世紀で、来年は平城京遷都1300年なんだぜ。クレーンぐらい写ったって驚いちゃだめさ。きっと鹿の角を持った「せんとくん」もそんなこと言って笑ってるよ。

HUB とハブ、MAXIと牧志

2009年10月30日 | 家・わたくしごと
 数日前、沖縄空港に貨物のターミナルがオープンした。24時間開港の貨物のハブ空港を目指すという。このニュースは数日、沖縄のローカルニュースや地元新聞の一面を賑わせていた。そんなニュースが流れる中、かみさんが面白いことを呟いた。
「ハブ、ハブっていうとね、なんだか沖縄にいるからだろうけど、毒蛇のハブのことを思い出して、変な感じがするのよね。」
 確かに言われてみれば、そうである。沖縄でハブはHUBでなく、ハブとマングースの「ハブ」である。そうだよ。ハブ空港なんていわれると、ハブがうようよしていて、空港ターミナルに足を踏み入れるやいなや、どこからともなく現れたハブに「パクッ」と食われそうな危険な気配を感じるじゃないか。
 そんな話を聞いてから「でも、この種の言葉、他にあった気がする」と思い出そうとするのだが、出てこない。今日も朝から、暇さえあれば頭をひねり続けたのだった。そして、やっとのこと思い出したのだ!
 「マキシシングル」である。この言葉を聞くと、どうしても沖縄の地名の「牧志」を思い浮かべてしまうのだ。「牧志シングル」なんてあまりにも馬鹿馬鹿しい名前だが、もしかしたらこのブログを見て、公設市場のある市場本通りあたりの新しい店に誰かがこの名前をつけるかもしれないぞ……。

大学の芸術祭で演奏します

2009年10月29日 | 大学
 今年も大学の芸術祭の季節がやってきました。普通、大学の先生はこの時期にまとめて論文を書くとか、家で日ごろ大学ではできないような仕事を集中的にするのでしょうが、私は違います。毎年、芸術祭で学生とともにバリのガムランを演奏します。
 「先生は出なくていいんじゃない?」とか「学生のイベントに先生が出るなんて、どうなの?」とか、そんな声がたまに聞こえてきますが……。
 「いいんです。私がみんなと演奏したいから、自分の意思で出演しているんです。心から楽しめるからやるんです。大学時代、私の先生だって、芸術祭に一緒にガムランを演奏してくれて、ぼくはとっても嬉しかったんです。」
 今年のチラシは例年になく素敵です。美術工芸学部のメンバーが作ってくれました。パソコンを一切使わないデザイン。いいですね。本当にいい感じです。それに個人的に、私は「紺」が大好きなんです。このブログの色も紺。でもブログの下地の色とちょっぴり似た色のポスター。ブログの中に埋没しないかしら。 

正倉院展

2009年10月28日 | 
 午前中、学会に出席し、この日始まったばかりの正倉院展を見るために奈良に向かった。なんば駅から近鉄で45分もあれば奈良に着く。実に便利なところだ。一度実物を見てみたいと思っていた伎楽面の数々、伎楽装束、そして美しい四弦琵琶(五弦の方ではない)が今回の公開品に含まれていたからである。一回、見逃してしまうと、次は何年後か想像もつかないからだ。
 午後遅い時間でも結構な行列であるが、15分程度で会場に入れる。ひとつひとつの展示品をゆっくり時間をかけて鑑賞する。これが奈良時代から保管されていること自体が驚きで、物によってはその美しさがまだ失われていないのだ。
 最近はこうした宝物がハイビジョンの映像なので、家でもかなりクリアーな映像として見ることができるようになった。それはとてもすばらしいことだ。しかし、どんなにテレビの画像が美しくても、自分の目で現物を見るのとはその印象が全く違う。伎楽面もそんな展示品のひとつだった。やはり自分の目で見たとき、その大きさを見ながら、どのくらいの頭の大きさの人がかぶったのかなどいろいろなことを想像する。頭の大きな人にはとてもかぶれない大きさだ。
 だから、ぼくは博物館が好きだ。自分の目で見たものごとは、その時に五感に感じたすべてのことを含めて記憶が可能だ。きっと、私は今日見たものを音楽学の授業の中で、生き生きとした内容で学生たちに話すことができるだろうし、聴く側もまた、耳を傾けるはずだ。すくなくても棒読みの教科書をお経のように聞かされているよりは……。


正しくは串カツでした

2009年10月27日 | 
 一つ前のブログを見た大阪の友人(一緒に食事をした)から携帯にメールがありました。そしてその中には、「串揚げ」ではなく「串カツ」であることが指摘されていました。そうですね。その通りです。確かに大阪では「串カツ」って言います。だから「串揚げ」という表現は間違いです。
 ただ、私は昨日のブログに最初は「串カツ」と書いたのです。ところが書いているうちに、食べたのは、肉以外にホルモンや野菜で、「カツ」と表現することに躊躇してしまったわけです。もともとカツという日本語はCUTLET(「薄い肉片」とか「切り身」を指す)を語源としているわけで、私にとって「カツ」の中身はどうしても「肉」じゃなくてはならなかったというわけ。ナスが揚がって串に刺してあっても「ナスカツ」とは言わないもの。
 でもね。そんなの理屈なんです。理屈っぽい人って嫌ね。そんなの関係ないでしょう?大阪ではね、あの手の食べ物のことを「串カツ」って言うんです。料理の名前なんです。大阪のみなさま、ごめんなさい。

串揚げーー新世界に行ったら(2)

2009年10月27日 | 
 新世界に行ったら、「串揚げ」である。いつから名物になったのかは知らないが、とにかく相当数の串揚げ屋が軒を連ねている。これだけあったら、いったいどの店に入っていいのかわからない。観光ガイドに出ている店は行列ができているが、そんな店を覗いても地元のおじちゃん達の姿はない。沖縄でもそんなパターンは多い。
 今回はこの地元にガムラン・スタジオを持つ友人が連れていってくれたために、迷うことはないし、味の保証付き。このパターンは旅行者にうれしいセッティングである。この串揚げが写真に写したもの。やっぱり串揚げには、無料キャベツと二度漬け禁止のソース。このソースが結構うまい。新世界を大満喫である。

スマートボールーー新世界に行ったら(1)

2009年10月26日 | 
 通天閣のふもと、新世界に行ったら必ず寄るのがスマートボール屋である。別に玉が穴に入ろうが、入るまいが、そんなことは関係ない。とにかくこの店によって100円分、ゆっくりと玉を打って、その行方をひとつずつ目で追うというのが、新世界に行った時の私のルールである。たった一度だけ、息子と二人で新世界に行ったとき、この店には入らなかった。なぜなら「十八歳未満はお断り」のため、まだ小学生だった息子と入ることができなかったからである。パチコンとは違って、優雅な遊びであるが、やはりお菓子であっても景品を出すために「子どもはダメ」ということなんだろう。
 100円でいったいいくつ玉が出てくるのか数えたことはないが、15個くらいなんではなかろうか。ぼくはそれをすべて打ち終わるまで10分をかけ、しかもたった一個しか入らずに5個の玉が出ただけだった。それでもいいんだ。ここにすわって、パチンコ屋とはまったく異なる「人間が作り出しているような音風景」を楽しみながら、そして古びたゲーム場の風情を楽しみながら、玉を打つことが目的なのだ。
 あと6年たったら、今度は息子と二人でここに入ることができる。君が十八になったとき、私は必ず君をここに連れてこよう。そして、その時には100円だけでなく、300円分遊ぼうじゃないか。もちろん私のおごりで……。きっとまだこの店は残っているさ。スマートボールがない新世界なんて、新世界とはいえないもの。


通天閣

2009年10月25日 | 
 東京タワーにも上ったことのない私なのだが、昨年、初めて息子と通天閣の展望台へ行った。エッフェル党とは格違いかもしれないが、人間には高い建物を作り、上から下を見下ろしたいという願望が潜んでいるんだろうか?
 上から見た大阪ミナミの街並みは、なんだかカラフルなミニチュア・プラモデルのように見えたが、だからといって特に感動したわけではなかった。それよりもむしろ、愛情をこめて観光客がさわる「ビリケンくん」の方に興味を持った。
 塔は上からよりも、むしろ下から眺めるのが美しいと私は思う。通天閣は夕方になると大きなネオンが点灯する。通天閣名物であり、こんなベタな広告は東京タワーにも、京都タワーにも、神戸タワーにも存在しない。このベタさこそが「大阪新世界の象徴」のように見える。ちょうど夕方にこの広告が点灯した。ちょっぴり嬉しくなった。

私は倹約家それともケチ?

2009年10月24日 | 
 神戸空港に到着し、いつものようにポートライナーで三ノ宮駅に向かった。駅に着くと、まず最初に向かったのは、写真にあるようないわゆる「金券、チケットショップ」である。私が思うだけかもしれないが、大阪の大きな駅にはこの手の店がとても多い気がする。もちろん東京も、新橋や神田といったサラリーマンが多い街には、「金券・チケットショップ」が軒を連ねる。
 私は三ノ宮駅につくと、例外なく駅のすぐ近くのこの店で、阪急の切符と、帰りのポートライナーの切符を買うのである。ちなみに昨日は二枚で60円、普通に買うより安かった。いわゆる回数券のバラ売りである。新幹線の切符だってかなり安く買えるのを知ると、みどりの窓口に並ぶのがばかばかしくなる。
 なんだか自分は倹約家、それともケチなんだろうかと思ってしまうのだが、人にそんなことを言われたことはないし、たぶんまったく逆のタイプだと自分では思う。関西での切符購入をするとき、この手のショップで買ってしまうのはいわゆる習慣なのだ。ここが私の「券売所」なのである。

明日から出張

2009年10月22日 | 大学
 明日から学会に出席するために大阪出張です。夜遅くなって出張の準備を始めました。ホテルはいつものビジネスホテルで、絶対のこの週末には仕事を一つ仕上げなくてはならないためにパソコンの準備もOK。着替えもOK、もちろん学会関係の資料もそろって……そうだ、観光ガイドを忘れちゃだめよ。なんたって食道楽の街、大阪に行くんですから。
 このガイド、よく見るとBOOK OFFで105円で購入しています。ということは何年出版のガイドかな?見てみると2004年刊行。まあ5年前だったら道は変わってないさ、ということでこの古いガイドを持っていくことにしました。ちなみに明日の夜は通天閣のすぐ近くにあるガムラン・スタジオにお邪魔します。やっぱり「スマートボール」に興じた後に「串揚げ」かな、それとも「土手焼き」?