Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

夕焼け

2012年08月30日 | バリ
 今日はマニス・ガルンガンで三日続いたガルンガン祭礼の最後の日。午後早くに仕事を済まして、夕方、クタのグラメディア書店に行くついでに久しぶりに夕日を見ようと思い立って出かけた。
 留学中、何度か経験したマニス・ガルンガンには村の友人たちとブドゥグルに遊びに出かけたことを思い出した。なんとなく三日目は「どこかにお出かけ」しなければこの日が終わらないといった心持ちだろうか。
 雲一つない夕焼けを眺めた。ペンジョルが海風に吹かれてゆっくりと泳いでいる姿を見ながら夢心地になった。明日はまた夕方から真夜中までトゥンジュク村。切り替え、切り替え。スイッチ・オン!


翌日の朝

2012年08月29日 | バリ
 ラワールを大量に食べた翌日(本日)の体調ですが、とりあえずひどいことにはならない感じです。だいたい朝食を食べた後の感じでわかりますよね。よかった、よかった(とはいえ、まだ安心できないけど)。
 やっぱり、ラワールはビールと一緒に食べないとだめですね。アルコール消毒をしながら食べるなんて、なんと理にかなっているんだろう?
 あるガムランの先輩が、ずっと以前、お腹をこわした私に「ビールは大丈夫です。消毒ですから」と話してくれたことを思い出します。このような素敵な発言をする方といえば、もう●さんしか考えられませんね。そのお言葉、今、私が受け継ぎ、後輩たちに話しております。ありがたや。
 写真のラワール(ラワールがクルプックに隠れてみえないけれど)もやっぱり、ビールといっしょでした。効果あったんですね。
 

お盆初日 penampahan galungan 

2012年08月28日 | バリ
 今日は祖先の霊が戻ってくるガルンガンとよばれる祭礼の初日、プナンパハン。多くの家では豚肉でラワールとよばれる料理を作ります。調査地の村でも朝4時に豚一頭を屠り、十家族で均等に分けて、それを朝6時過ぎから男性が中心になって料理の開始。普段は台所に立たない男性陣も今日ばかりは真剣そのものです。
 朝からラワールでお腹いっぱい。ちなみに今日はあちこちにお呼ばれされていて、合計3回、各地でラワールをいただきました。それぞれ地方により、作り方や味も違って食べ比べると面白いのです。そういう私、実は正直なところ、ラワールはちょっぴり苦手なバリ料理なんですが、今日ばかりはそんなことは言っていられず。
 さて、明日を元気に迎えられるでしょうか……。ちなみにラワールを食べる前の昨晩から、お腹の調子がいまいちでした。間違いなく神経性胃腸炎ですね。「明日はラワールだ」と思っただけで、お腹が痛くなるなんてね。
   

どれにしようかしら?

2012年08月27日 | バリ
 断食明けの大祭ルバランで、バリに住むジャワの人たちはほとんど帰省してしまったので、ジャワ料理の店や屋台はほとんど閉店。さらに明日からバリのお盆、ガルンガンが始まるので、またまたお店が閉店。ホテル暮らしなので外食に頼らざるを得ない私としてはとんでもない時期にインドネシアに来てしまったものである。
 友人が泊まっているサヌールの夜市に出かけたが、閑散としている。それにサヌールだからだろうが、外国人ばかりでびっくり。普段デンパサールで生活する私としては、まるでシンガポールの屋台街に来たような気分。
 数少ない屋台の中の東ジャワ料理の屋台を一生懸命に覗き込む外国人がいたので、なんだか面白くて写真に収めてしまった。ごめんなさい。それにしてもその覗き方は、水族館の水槽の岩陰に潜むエビかカニを見るような眼差しで、真剣そのもの。そんなに近くから見なくてもいいと思うんだけどな。お店の人、きっとたじろぐと思う。

ご褒美

2012年08月26日 | バリ
 昨日は朝から遠方まで調査に出かけ、ほぼ一日仕事だった。車の振動で首のヘルニアが痛くなり、痛み止めの薬を塗りながら午後を過ごした。それでも昨日の調査は無事に終えたので夜はU君の歓迎会と称して、自分へのご褒美会となる。
 やっぱり最後はスウィーツである。何度か言ったカフェに入りケーキを選ぶ。
店員「あのさ、このチョコレートケーキ、無茶甘いよ。日本人はみんな甘すぎるっていうんだよ。」
 なんで食べる前からそんな売ることに消極的なわけさ。こっちはこのチョコレートケーキ食べに来てんだけど。
P「大丈夫。大丈夫。チョコ大好きだからいけるよ。」
 確かに甘い。言われたように無茶甘い。でもケーキに添えてある生クリームにほとんど甘味がないので、それと一緒だとなんともさわやかな味になるのだ。
 まずもって、日本ではこんな店に入ることはない。一人でこんな店、入れるはずないじゃん。だいたい浜松だったら、学生がバイトしてるよ。
 ちなみにしょっちゅう僕の息子と間違えられるU君は、そんなチョコレートケーキを避けて、無難にキャロットケーキを注文していたのだった。
「君ね、少しチェレンジ精神が足りないよ。」
 いやいや、彼の方がずっと「大人」なのである。

儀礼の空

2012年08月25日 | バリ
 儀礼の調査をしていると、そこで行われている儀礼的行為に集中する。僧侶が次にどんな行為を行うのか、どこでどのような芸能が上演されているのかなどなど、儀礼空間で行われているそんな行為を記録したり、メモしたりする。だから当たり前だが、それとは無関係な(何の儀礼も行われていない)、儀礼空間の真上に広がる空なんてまじまじと見ることはない。だいたいそんなことをすれば、大事な儀礼を見落としてしまうし、調査の放棄であるからだ。
 ぼくは昨日、ちょうど仮面舞踊が終わって儀礼がブレイクしたそんな瞬間、カメラのファインダーを儀礼空間の上にまっすぐ向けてみた。別に意図的にやったわけでもなく、なぜ、その時、とんでもない方向にファインダーを向けたのか、正直なところ記憶にないのである。
 儀礼とは全く違う空間が広がっていたことに気がついた。儀礼空間の騒々しいサウンドスケープとは無関係な静かな空間。ゆっくりと風が東から西へ流れて、飾り物がゆるやかにたなびく。こんな空も観客で、儀礼を見つめていたんだな、とあらためて感じる。そう思ったら、緊張が緩んでなんとなくホッとした。そんな当たり前なことに気がつかなかった30年。ちょっぴりぼくも成長したんだね。

私の先生

2012年08月24日 | バリ
 70歳に手が届いたグンデル奏者は、私の師匠の一人である。1980年代からグンデル・ワヤンのリーダーとして演奏をになってきたが、残念なことに今なおリーダーであり続けている。要するに、リーダーになりえる後継者がいないのである。
 70を過ぎた今も、畑仕事やさまざまな工事に汗を流し、若い人々とともに働く先生だが、やはりそんな姿を見ると痛々しく感じる。そうしなければ食べていけないという現実を私は知っているからだ。しかしだからといって私に何ができるだろう?
 歳を重ねたバリの演奏者には誰にだって言えることだろうが、楽器の撥を持った瞬間、その表情がかわり、背筋が伸びる。もうその瞬間、別人になる。「格好いい」というのはスタイルが良くて、似合ったおしゃれな服を身につけた人ばかりに当てはまる言葉ではない。こんな「じいじい」はぼくには、限りなく凛々しく格好よく見える。
 自分もいつかこうありたいと思う。誰もが歳をとっていくものだ。しかし歳を重ねるほど、その演奏や上演に磨きがかかり、若い学生や教え子たちに「格好いい」といわれれば、それはもう本望である。「格好いい」は、その奏でる音や演技が醸し出す雰囲気なのであって、外見だけの「格好よさ」などとは比べ物にならないほど「いけてる」のである。

道悪すぎ

2012年08月22日 | バリ
 タバナンからトゥンジュク村へ北向きに続く道、ひどく穴ぼこだらけ。実は行く時は、マルガから南向きに下りたのだが、この道もひどい。どうして30年もの間、舗装をしても穴ぼこだらけになる、という繰り返しなんだろう?30年だよ、30年!
 若い頃はこの程度の悪路はへっちゃらで、バイクで突っ走ったのだが、さすがに腰痛と首のヘルニアの持病をもつおじさんになったら、こういう道を走るのが厳しくなってきた。しょうがないので、時速10キロくらいでソロリソロリと穴を回避しながら進む。後ろから小型トラックが来たって無視。振り返ってにらみをきかしておしまい。
 村人曰く、与党に組みしている村の道はつねに美しい舗装で覆われているそうである。ということはトゥンジュク村は万年野党支持かい?ま、筋金入りの野党支持なら道のことなんか気にならないか。陰ながら政権交代を祈ることとしよう。

ガルンガン近し

2012年08月21日 | バリ
 かつてワヤンを学んだトゥンジュク村まで、バイクで片道30キロの道を往復しました。最近は車で行くことが多いのですが、この断食明けの時期はジャワからの観光客が多くて、レンタカーもなければ、なじみの運転手も大忙しでなかなかつかまらなくて、渋々バイクで出かけたわけです。バイクは体が冷えるし、雨が降ると難義なのですが、自分のペースで走ることができるし、停車場所に困らないので悪いことばかりではありません。
 ちょうど来週、バリはお盆(ガルンガン)を迎えます。この時期になるとKAPALの街の表通りにならぶ石材や陶器を扱う店々は、ガルンガン用のお飾りを売るお店へと様変わりします。こんな豪華なお飾りになったのは、そんな昔のことではないと思います。1980年代、私がバリで勉強していた頃は、ここまで派手な飾りつけを毎年はしていませんでしたから。
 こんな光景を楽しむこともできるのも、バイクのおかげ。ちょっと腰が疲れたので、こんな風景をぼんやり眺めながら小休止。若い頃は、村まで二往復なんてざらだったのに、歳とともに村がどんどん遠くなっていく気がしてなりません。物理的な距離も時間も変わらないのにね。風にゆらぐガルンガンのお飾りを見ながら、ちょっぴり悲しい気分……。
 

インチョン空港

2012年08月19日 | 
 インチョン空港でトランジットしています。アジアのハブ空港を自負するだけあって、トランジットの移動はひじょうに便利だし、免税店の数も相当数あり。でもどこも免税店は日本と変わりません、ヨーロッパの空港だと品物もアジアの空港とかなり違う気がしますが、やっぱりアジアの空港なんですね。もっと韓国のブランドとか置けばいいのにと思うのはぼくだけでしょうか。
 私が座っている席の前のテレビはSAMSUNGの広告とそのテレビで、韓国ドラマが放映されています。日本でもBSをつけると最近は朝から韓国ドラマだから、はじめての空港なのにあまり「外国に来た感」がありません。
 デンパサールに到着するのは夜の12時過ぎ。VISAカウンターに並んで、イミグレーションを通って…と思うとうんざり。インドネシアに行くための通過儀礼ですね。明日10時にアポイント一件。無理なくがんばります。写真はホテルでアップします。