Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

小学校での三日間

2016年09月30日 | 大学

 浜松市の三つの市立小学校でのガムラン演奏と体験のアウトリーチ活動が昨日にて終了しました。学生達にとって三日間続けての演奏、初めての経験だったと思います。それでも日を追って演奏も良くなっていったかな。練習を重ねてきた結果としての本番は演奏者を上達させるものです。十分とは言えないけれど、学生たちはバリで学んだり、夏休み集まって練習したりと、それなりにがんばった成果だと思っています。
 今回の三日間で、もっとも成長したのは踊りを見ながら演奏することかな。浜松ではこれまでメンバーの中で舞踊ができる学生がいなかったことから、本番前に少し合わせて舞台、というのが常でした。しかし今回は、留学から帰ってきた四年生がいたことから、それはそれはたっぷりお互いに遠慮なく踊り合わせができたと思います。
 大学教員でいるからこそ、こうして学生達とガムランができる幸せを味わった三日間でした。昨晩はすがすがしい疲労感でぐっすり眠りましたが、本日から研究者に戻り、来週の論文の締切に向けてがんばります。なんだか昨日までの三日間、演奏以外何もしていないことの言い訳ブログでした。


元気をもらって疲労する

2016年09月29日 | 家・わたくしごと

 一昨日から世界音楽の祭典のプログラムの一つ、小学校へのアウトリーチ活動として久しぶりの学校まわりが始まる。小学校で全校生徒の前でガムランを演奏するのは久しぶりだ。沖縄では小学校めぐりは何度か経験したが、まさか浜松でも小学校で演奏するとは思わなかった。
 それにしても小学生は元気である。上級生になるとそれなりに「恥じらい」なるものが生まれるから、低学年といっしょに「おはよーございまーす」なんて大声を出すことはないが、やっぱり、日々大学生と向かい合って私にとって、その元気度は半端ではない。
 小学校での演奏はたいてい体育館である。しかも生徒はいわゆる「体育座り」で見学する。だから長すぎるのもお尻が痛くなるのでダメ、さらにメリハリがないと低学年は飽きてしまうのだ。といっても約束の時間はしっかり上演しなくちゃならない。ここが腕のみせどころなのだ。今回は私の大学の学生たちが司会進行、そしてワークショップの仕切りでがんばっている(今日が最後の一回)。
 あまりにも小学生たちが元気で、すっかりこちらはその「元気」をもらって盛り上がったのだが、もらいすぎたようで、その結果、必要以上に力を出しすぎて、終演後は本当にぐったりだった。観客に飲まれたという表現がぴったりである。元気をもらって疲労するとは情けない。そのせいか、一昨日の就寝時刻は午後9時過ぎだった。まるで小学生になった気分である。


早起き

2016年09月28日 | 浜松・静岡

 昨日は朝5時前に起床。大学に集合、朝7時半。でも研究室にはもっと前に学生が必要なものをとりに来るので7時に行ってないといけない。なんだか自然と早く目が覚めてしまう。もちろんスマホの目覚ましは、5時、5時5分、5時10分とセットしてあったが、一つも鳴らさずにOFFにした。朝はどんなに早くても食事からはじまる一連のルーティンを終えないと落ち着かない。だから自然と早起きになる。
 今日から3日間、小学校でガムラン演奏とワークショップのアウトリーチ活動。「世界音楽の祭典」の一環で9月から多様な音楽のグループが、浜松市内の小学校へ派遣されている。そのうちの一つに大学のバリ・ガムランのサークルが選ばれたなんて名誉なことだ。夏休み中もできるだけ練習をして今日の準備をしてきた。この先もやるべきことは山とあるが、それでもサークルのとってこうした機会は上達するいいステップになるはずだ。
 ところで、朝5時はやっと空が白みはじめてくる時間だということを認識する。1週間前は、かなり明るかったはずだ。ということは陽が徐々に短くなって秋が深まってきているということか。寂しい、さみしい。ぼくは寒い季節が大嫌いだから。あー、またやってくるのか。50数回目に秋、そして冬が…。


新幹線

2016年09月27日 | 家・わたくしごと

 最近、新幹線が特別な存在でなくなりつつある。かつて新幹線は「ハレ」の乗り物だった。家族と旅行に行くとき、時々あった出張に出かけるとき、そんな特別なときに乗る特別な存在だった。ところが今では、ほぼ日常になっている。正直、これではまずいんじゃないか?と思うようになった。浜松から東京に向かうための交通手段で最も早いものは新幹線である。ひかり号にのってしまえば1時間20分から30分で東京駅に到着する。あっという間である。とはいえ、料金だって安くはない。安いチケットでも片道7,000円を超えてしまう。
 その半額くらいで行けるのが高速バスだ。牧之原と足柄パーキングエリアでそれぞれ10分間の休憩があり、トータルでは4時間かかって渋谷駅に到着する。まあ楽とはいえないが景色を楽しみながら、ゆっくり眠っていける利点もある。浜松に来た頃は、よく高速バスで帰ったものだが、最近は正直なところ、とんとご無沙汰である。結局、いつも新幹線の誘惑に負けてしまうのである。
 仕事も忙しくなって、なかなか思うような時間に浜松を出ることができないということもある。ただ、どっかで甘えがあるような気もする。「もしも新幹線で行けば…」という「もし」が常に私について回っているのかもしれぬ。忙しさにかまけて、初心を忘れてしまっているのかもしれない。学生たちは今だになけなしのお金で出費をできるだけ襲えようとバスや時には青春18きっぷを利用する。もちろん忙しくてどうにもまわらないときは仕方がないだろう。ただ、もう一度、初心に帰らないと思うのである。このまま新幹線に流されてはならぬ。新幹線はやっぱり「ハレ」の乗り物であり続けたいと思うのだ。


パンダワの奴らはどこへ消えたのだ?

2016年09月26日 | ワヤン上演

 とうとう12月の自主公演の練習が始まりました。今年は12月3日、4日に渋谷光塾です。毎年、自主公演から新しい演目が始まり、ほぼ1年間、わが一座はその演目を各地で上演します。
 今回の演目は、マハーバラタ物語の「ウィラタ国の巻」から、「パンダワの奴らはどこへ消えたのだ?」(仮題)を上演します。いかさま賭博にはめられたパンダワ五兄弟はアヨディア国を追い出され、さらに12年もの間、森の中で生活し、その後の1年間はコラワ一族に見つからずに隠れて生活しなくてはならない、という無茶苦茶な約束をさせられてしまいます。もし最後の1年の間に誰かひとりでもコラワ一族に見つかってしまえば、再び12年の森の放浪生活を最初から始めなくてはならないのです。
 さて、最後の一年もかなり経過したある日。コラワ一族は会談を持ちます。
「いったいパンダワの奴らはどこに消えてしまったのか?」
「きっと森で動物に食われて死んだに違いない」
「いやいや、そんなはずはない。誰かが匿っているはずだ」
そんな会談の一幕。右側の戦闘はコラワ一族の長兄ドゥルヨダナです。さて、このお話、結末はいかに!12月の自主公演にご期待ください!


第13回浜名湖フォークジャンボリー

2016年09月25日 | 浜松・静岡

 昨日と本日、第13回浜名湖フォークジャンボリーが開催されている。7月に大学で高石ともやさんのコンサートを開催したとき、このイベントの事務局の方々にはとてもお世話になったこともあり、ご挨拶も兼ねてフォークジャンボリーに出かける。あいにく今日は朝から雨。午前11時くらいから小雨ではなく本格的な雨になってしまい、あいにくのお天気。会場は浜松市からちょっと離れた浜松ガーデンパークなので、お客さんはいるのかしら、と思いながら午後1時半頃に会場に到着。
 いやいや、本当に驚く。会場はもう座る場所がないくらい観客でいっぱいである。たぶん5、600人はいるだろう。年齢層はほとんど私より上の世代。もちろんフォークが青春の世代のはずだ。知っている曲があれば口ずさみ、手を高くあげて歌とともに動かしたりと観客は年齢を感じさせないほど生き生きと音楽に向かいかっている。演奏だけでなく、そんな観客に圧倒されてしまう。
 フォークはいわゆる団塊の世代の音楽だ。たぶん観客のほとんどは定年か定年間近なのだろう。若い頃を思い出し、そんな時代に戻ったように友人、夫婦と楽しむ姿。まさに音楽は生きる力だ。そんな姿に心を打たれながら、来年度に企画する「音楽の力」について考え始めた。「生きる」というキーワード、なんだか面白いような気がするな。


わさび漬け発祥の地

2016年09月24日 | 浜松・静岡

 静岡にある駿府城の周辺の商人が、200余年前にわさび漬けを日本で最初に作ったことを読者の皆さんはご存知ですか?私はそのことをこのモニュメントを見てはじめて知りました。わさび漬けは、明治22年に開業した東海道線の静岡駅で売られるようになり、それが徐々に全国に広がっていったそうです。鉄道の力ですね。さらにわさびを日本で最初に栽培したのは、安部川の上流だったそうです。今から400年ほど前のお話し。
 私、実はわさび漬けが大好きです。わさびと酒粕だけの素朴なものも好きですが、ちょっとお洒落に「数の子」が入っているわさび漬けもお気に入り。お酒をあまり飲まなくなったので「つまみ」にはなりませんが、ご飯のおかずに最適です。
 今回のように、ちょっとした街歩きをするといろいろなことを知ることができます。知らない街にきて、旅行ガイドを見ながら目的地へまっすぐ向かうという旅も悪くありません。でも目的もなく、なんとなく街を歩く「旅」も大切だと思うのです。旅行ガイドを持って出かける旅は、ガイドの記事や写真の「確認」の旅。目的のない旅は「発見」の旅なんですね。時間さえあれば、ぼくは後者の旅をお勧めします。無計画という計画の旅。


彼岸花

2016年09月23日 | 浜松・静岡

 秋分の日の昨日、静岡市にある放送局のラジオに出演するために久しぶりに静岡に出かけた。昨年の秋だったか、静岡大学でガムランを演奏してからほぼ1年ぶりかもしれない。浜松を静岡と勘違いする方がいるが、浜松と静岡は距離もあるし、天竜川、大井川、安倍川という三本の大河川を渡っていた江戸時代、遠州と駿河は全く異なる「国」だった。今でも浜松と静岡はいろいろな意味で「近い」関係とはいえないかもしれない。
 さて仕事も終わり少しだけ駿府城公園の方を歩いてみると、桜並木の土手の側面に彼岸花が美しく咲いていた。彼岸の中日にぴったりの花だ。花言葉は、情熱/独立/再開/あきらめ/悲しい思い出/思うはあなた一人/また会う日を楽しみに、などいろいろあるようだが、やはりあまりポジティブなイメージを感じられない言葉もある。
 お彼岸だからといって、誰もがお墓参りに行けるわけではない。仕事だってあるし、あるいは記憶も薄れていく。私にとって彼岸花は「悲しい花」ではない。その花は先立っていった人々の記憶を蘇らせる花なのだ。この花を見て記憶は新たに蘇る。そして心で手をあわせるのがいい。語りかけるのがいい。大切なことは忘れないことだ。どこにいても思いは伝わるのだ、と私は信じている。


看板猫

2016年09月22日 | 東京

 実家の最寄駅の西武国分寺線の鷹の台駅。私が子どもの頃は活気に満ちた商店街だったが、現在では通学路、通勤路になる朝夕以外は閑散とする商店街。今ではお店もすっかり減ってしまった。通学する人々はたぶん国分寺で買い物をするのだろう。商店街は車を駐車するスペースもない。
 夜8時も過ぎれば、ほとんどお店のシャッターが閉まるが、賑やかなのは学生たちが集まる居酒屋であろうか。どこもそんな店の前には自転車がいっぱいだ。ちなみに自転車だって飲酒運転はだめである。この店の前で警察が飲酒を取り締まったらたいへんだ。ただし自転車やバイクもエンジンをつけずに押して帰れば歩行者である。
 そんな店屋の一角に洒落たバー風の居酒屋がある。ガラスで中がよく見えるが、たまにお客が入っているくらいで、満員だった記憶はない。それよりも気になるのはいつもこの窓際に「おすまし」で立っている白い猫である。彼か彼女なのかはわからないのだが、ほとんど誰とも目を合わさずにいつもこの場所で、通る人々を見つめる猫。ぼくはこの猫が大好きだ。国分寺で練習のあと一座のメンバーと食事をして、帰りにほろ酔い気分でこの店の前を通ると、たいていここで出会うのである。その凛とした姿を見て、自分の少々お酒を飲んでだらしなくなった姿に気づき、「いけない、いけない」と背筋を伸ばして反省するのである。


セカオン radio ~ミュージックトラベラー/音楽旅人

2016年09月21日 | 浜松・静岡

 実は4月から毎週金曜日、浜松のコミュニティーラジオのFM haro!で「セカオン radio ~ミュージックトラベラー/音楽旅人」と題した番組のパーソナリティーを4月からやっています。ラジオの本格的なお仕事は初めてですが、ラジオ歴「うん十年」のベテラン・パーソナリティーのバグース長谷川さんが番組を仕切ってくれていますから安心です。彼がいらっしゃらなければ、とうてい成り立たない番組です。すでに24回がオンエアーされています。
 浜松が2014年12月にユネスコ創造都市の音楽分野の一都市に選ばれてからずっと思っていたのですが、もっと音楽の多様性を浜松から発信したい、それも一回のイベントではなく、長く細く続けていくためには何がいいか、考え続けてきました。その成果の一つがこのラジオ番組です。セカオンとは世界音楽のこと。世界中の音楽、とくに浜松とネットワークを組んでいる創造都市の音楽、浜松の音楽、またジャンルにこだわらないさまざまな音楽を発信しています。私のような研究者のわがままを聞いてくださっているラジオ局には頭が下がりますが、それよりも一緒に番組のパーソナリティーを引き受けてくれているバグースさんにはありがたいの一言です。
 この番組、金曜日15時からのオンエアーはパソコンやスマホで、世界中どこからでも聞くことができます。しかし「流して終わり」ではなく、いつでもパソコンで聞けるようにポッドキャストにすべての回が収録されており、無料で、お好きな時間に聞くことができます。重要なのはここなんですね。番組をアーカイヴ化するということ。そのためにパソコンでは、その回の趣旨、曲名などがすべてわかるようにしています。これ、もちろん私たちパーソナリティーがやっていますからたいへんな作業。でもこれがなければ、このラジオの魅了は半減してしまうような気がします。
 浜松市民でこの番組を知っている方はまだまだ少しだと思いますが、できるだけ細く長く続けて、浜松はセカオン(世界音楽)を発信できる魅力ある音楽都市に育てたいと思っています。ということで、浜松の企業の方、是非、スポンサーになってください。コミュニティーラジオだって営利企業ですから。よろしくお願いします。当然、番組の頭と終わりには、企業名を読ませていただいています。

これまでのセカオンradioは、毎回はこんなタイトルです。 どの回もFM haro!のサイトからいつでも聞くことができます。

第1回 セカオンって何だ?~出発前に浜松でお勉強 (4月1日放送分)
第2回 キングストンはジャマイカの首都だよ~レゲエの聖地を訪ねて (4月8日放送分)
第3回イダーニャ・ア・ノヴァって街の名前?~ポルトガルの音楽をめぐる旅(4月15日放送分)
第4回浜松まつりは音楽の祭典だ!(4月22日放送分)
第5回 浜松市楽器博物館を旅する~浜松で「セカオン」(5月6日放送分)
第6回 ボローニャは音楽の街! えっ、スパゲッティの街じゃないの?(5月13日放送分)
第7回 セビリア、いやいやセビージャでございます~スペイン、フラメンコの聖地へ!(5月20日放送分)
第8回 最初から振り返ってみよう~復習編(その1)(5月27日放送)
第9回 素通りしないでください~マンハイムは音楽の魅力でいっぱい(6月3日放送)
第10回 キンシャサの暑さに汗だく、音楽を聴いて背筋がゾクゾクだぜ!(6月10日放送)
第11回 リオだけじゃブラジル音楽は語れない~サルヴァドールを旅する(6月17日放送)
第12回 伝統と創作を考える~わらべうた・民謡の伝承とは(6月24日放送)
第13回 ビートルズだけじゃありません~リヴァプールを旅する(7月1日放送)
第14回 遠州大念仏を音楽として楽しもう(7月8日放送)
第15回 吹奏楽はセカオンだぜ!~世界の吹奏楽を学ぶ(7月15日放送)
第16回 素通りしないでください~ベルギー、ヘントへGO!(7月22日放送)
第17回 吹奏楽はセカオンだぜ!~浜松の吹奏楽(7月29日放送)
第18回 浜松ご当地ソングから浜松を知ろう (8月5日放送)
第19回 ヴァラナシは北インドの音楽の聖地(8月12日)
第20回 これがセカビリーだ!~セカオン化するロカビリーミュージック(8月19日放送)
第21回 ボゴタBogotáを旅する~コロンビアは多様な音楽の宝庫だった(8月26日放送)
第22回 サンバいろいろ~サンバはリオの音楽の「ふりかけ」だ!(9月2日放送)
第23回 ヴァイオリンでセカオン~セカオリン特集 (9月9日放送)
第24回 音楽的精神が人々に根付いた街~スコットランド、グラスゴーを旅する(9月16日放送)