Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

窓の外には……

2010年10月31日 | 大学
 原稿とワヤンの上演が続いて終わり、次は来週末に名古屋で行われる学会発表の準備です。発表するにもかかわらず、「名古屋で何を食べようかな?」なんてことを考えるのは不謹慎ですが、沖縄を離れた場所で学会があるときの楽しみは(実家のある東京は除く)、やはりおいしい料理を食べること。
 研究室に来て、久しぶり遮光カーテンと窓をあけて、秋晴れの首里城の風景を眺めてみました。そうなんです。研究室からは世界遺産が一望できるのです。でも普段は暗いまま。パソコンの画面がとても見にくい上、沖縄の日差しは強く、書類や本が焼けてしまいます。
 昨日に続いて首里城祭なので、道路も通行止めで外は静か。観光客や地元の人々の姿も見えます。窓から手を振ってみようかしら。観光客も手を振ってくれるかな。(そんなことをしている暇あったら、仕事しろ!と、もう一人の自分に言い聞かせてますが、昨日の疲れがとれず、思考回路も停止中……)

ワヤン上演終了

2010年10月30日 | 大学
 大学の図書館前で昨晩、ワヤンの上演をしました。わざわざ見にいらしてくださった方々、キャンドルナイトを見にいらして立ち寄ってくださった方々、ほんとうにありがとうございました。第一場で「話の行き先」をちょこっと失ったところがありましたが、なんとか無事に演じました。
 今回、嬉しかったことは、ALL沖縄メンバーで上演できたことです。これまでは必ず東京から何人かお呼びして上演していたわけですが、沖縄のメンバー達は忙しい中、練習に付き合ってくれて数回の練習でここまでこぎつけました。でも、彼女たちは日ごろもグンデルの練習に精進しているし、なんといってもバリでワヤンと一緒にグンデルを演奏していたメンバーが二人もいるので安心でした。
 ダランの補佐、トゥトゥタンのメンバーのお二人にも感謝です。初めてこれを体験した息子は「あんなに動きが速いとは思わなかった。やっぱりもっと先読みしなきゃだめなんだ……」と終演後につぶやいておりました。そうなんだよ。練習と本番は違うもの。でもよく人形も覚えて、的確に矢などの小道具も用意してくれました。
 これから少しずつ、沖縄県内でワヤン活動の場を広げていきたいと思っています。ワヤンは地味な芸能かもしれませんが、やはりこれが私の演奏、研究の原点です。

モミジと紅葉(もみじ)

2010年10月29日 | 玄関飾り
 昨日、沖縄は台風の影響で午前中から暴風警報が出たために大学の授業は休講。といっても私は仕事があるので学生と一緒に帰るわけにはいかない。それでも4時過ぎに助手の車で送ってもらって家に帰る。
 家では玄関の鉢植えの移動でかみさんがバタバタしていた。暴風雨なので大きな鉢植えが倒れてしまうのである。特にわが家の玄関には高さが植木鉢もいれると1.5メートルはあるタイワン・モミジが置かれているのだ。夜になって、とうとう大きな鉢を玄関の中に移動することにした。
 鉢植えを運んだとき、玄関であることに気がついた。玄関が「W(ダブル)モミジ」なのである。ちょうど今週、玄関飾りの手拭いの柄を「紅葉(もみじ)」に変えたばかりだったのだ。しかし、タイワン・モミジは外来種で、名前は和名にはモミジとついているが、常緑樹で紅葉しない。お互いに友達に会った気はしないのだろうが、ちょっとしたアクシデントによって、緑の「モミジ」と秋の「紅葉」が出会ったわけだ。一晩、仲良くできたかな。

締切日に提出す

2010年10月24日 | 家・わたくしごと
 昨日が論文の提出期限で、最後の10日間は正直、それ以外のことが考えられず、ブログどころではありませんでした。朝起きるとすぐに考え、食事をしながら悩み、寝るまでそんな状態でした。ただし、ガムランとワヤンの練習は休みませんでした。必ず、練習から帰るときは、「行ってよかったな」と思うからですね。
 この歳になっても期限に提出できると嬉しい。今日から頭を切り替えて、まずは研究室の片付けです。大きな机の上は本や論文のコピーが大暴れしていますから。最後は、どこに何があるのかわからなくなってたいへんでした。
 土曜日にはワヤンの上演をします。大学の前の道路です。ちょうど首里城のイベントがあって通行止めになるので、その機会に沖縄のガムランのメンバーだけで上演することにしました。ただこの数日、沖縄は台風接近でたいへんな状態になりそうです。上演はできるかしら?
 ということでさんざんブログをさぼったので、近況報告でした。

牡蠣の松島

2010年10月21日 | 
「そうだ、松島へ行こう!」
 そう思ったり理由は、仙台が実家の友人からもらった一通の携帯メールである。
 仙台に着いてからローカル線に乗り換えようと思ったとき、観光案内所が見えたのでチラシのコーナーを眺めてみた。するとそこに牡蠣料理が掲載されていた。
「牡蠣食いたい!」
 そう思いはじめると、頭の中にふっくらした牡蠣が巡るのである。そこで私は友人にメールをしたのだった。
「牡蠣料理がおいしいお店を知っていますか?」
 私がそんなメールを送るとその後、仙台のお店についての情報が送られてきた。しかしその文面の最初に「松島ならば美味しいお店があるのだけれど」という前文があったのである。そのときぼくは閃いた。
「そうだ、松島へ行こう!」
 夕方、私は仙台から40分足らずの松島へ行ってみた。そしてその途中で「日本三景」を思い出していた。
「あまのはしだて、あきのみやじま、まつしま」
 おかしいぞ。なんだか「まつしま」だけリズムが違う。7・7・4というのはノリが悪い。
「あまのはしだて、あきのみやじま、かきのまつしま」
 これである。7・7・7と7並び。いいではないか。
 ところで、松島に行ってみて思ったのだが、その風景を本格的に楽しむためには遊覧船に乗らないとそれを実感できないことを知った。海岸から見るだけでは、何が日本三景なのかわからなかった。やはり松島は、「かきのまつしま」なのである。ところで、牡蠣料理はどうだったかといえば、まあ、普通だった。でも重要なのは、牡蠣を松島で食べたという経験と記憶である。

窓側・海側

2010年10月20日 | 
 東京の多摩に育った私は海にあこがれた。多摩の自然環境は山に近く、海の環境は身近になかったために、たまにでかける旅行で海が見えるとドキドキした。旅行に来たんだ、と実感できる瞬間でもあった。
 今、沖縄に住んでいると海はとても身近だ。大学から数分歩いて高台に出ると、天気の良い日は渡嘉敷島が浮かぶ青い海が一望できる。昔の私だったら「感動」だったのだろうが、今の私にとってあまりにも日常風景である。
 先週の土曜日の朝、新幹線の自由席で仙台に向かうとき、列車にのって自然と足が向かったのは、窓側・海側の席だった。仙台までの新幹線では海なんて見えないことはわかっているのだが、それでも「海に近い席」に座っていたい……。ところが東北に行く電車の窓側・海側の席は東側を意味するわけで、日が高くなっていくと暑くて仕方がない。そんなことまで考えなかった!結局、日よけスクリーンを下ろすハメになる。
 ぼくはそれでも海を見ることがあきらめられずに、仙台で仕事を終えた後のわずかな時間を使って仙石線に乗った。行き先は松島海岸。窓から見える美しい海の風景を見て、なんだかホッとできたのだった。やっぱり電車の席は、窓側・海側が一番である。

国立博物館で

2010年10月19日 | 東京
 日曜日、実家から空港へ向かう途中、上野の国立博物館に寄った。なぜなら「ワヤン インドネシアの人形芝居」という特別展示がおこなわれているからである。
 国立博物館でなぜワヤンなんだろう?正直、この時期にわざわざ所蔵しているワヤンを展示する理由はわからないが、それでも特別展示室の一室をすべてワヤンの展示に使うなんて、驚きである。なんとすぐ隣の展示室は、日本美術の常設展で海外からの観光客がたくさん展示を観ているのだ。なぜかその横に、誰も人がいないワヤンの展示室……。
 国立博物館に4名から寄贈されたワヤンの展示で、それほどたくさんのワヤンがあるわけではないのだが、さすが国立博物館と思ったのは、影も映しつつ、人形を見せようとした演出である。影は完全には映らないもののディスプレーは相当に考えたのだろう。私も昨年、浦添市美術館でバリのワヤンの展覧会を開いたが、ここまではできなかった。結局は影は見せられずに人形を見せたにすぎなかったからだ。
 この小さな展示のための図録も作られている。700円で飛び出すワヤンの付録つき。ちょっと笑ったのは、その飛び出すワヤンが、ディスプレーの一つとして展示会場に並べられていたことだった。国立博物館、なかなかやるね。

新幹線で思ったこと

2010年10月17日 | 
 東京から日帰りで仙台に出かけ、夕方6時26分の「はやて」に乗り込み帰路へついた。「はやて」は全席指定なので、決められた席に向かう。これは飛行機と同じ。二人掛けの窓側に座った。
 ここから約1時間40分、飛行機とはまったく異なる雰囲気を味わったのだった。シートベルトがない、なんてレベルの話ではない。私が最も違いを感じたのは、車内の「匂い」である。新幹線に乗り慣れている方にはごく普通なのかもしれないが、飛行機が足がわりの私にとっては、この匂いが耐えがたいのである。
 夕方6時半はほとんど夕食時だ。つまり皆が弁当を食べる。しかし食事をするのは国際線であれば飛行機も同じだ。しかし、違うのはお酒である。ビール、ウィスキー、チュウハイなどなど、多くの人が「お酒」を持ち込む。当然、そこには「複雑な酒の匂い」が充満する。そして、私が感じたのは、彼らが持ち込む「つまみ」である。数人が「牛タンジャーキー」などというサラミに近いつまみを車内でかじりながら飲酒をすると、もう車内全体に不思議な匂いが充満してくる。
 ちなみに私の隣のおじさんは、缶の水割りウィスキーを三本、はじめは「笹カマ」で、次に「牛タンジャーキー」で、東京につくまで飲み続けていた。おかげで私の嗅覚はマヒし、睡眠にいたらなかったのだ。私は「酒」を飲むことに否定的ではない。むしろ「仕事」を終え、あるいは旅行に向かう中で、好きなお酒を飲みながらほっと一息するのはいいではないか。しかし匂いの強い「つまみ」を食べるのはよろしくない。新幹線の窓は飛行機と同じで開かない上、さらに停車駅も少ないのだ。個人的には、新幹線に匂いの強い「つまみ」の持ち込みは遠慮ねがいたいものである。

余裕がないんです

2010年10月13日 | 家・わたくしごと
 このところブログが滞っています。パソコンの前に座る時間はいつもよりずっと長いのですが、余裕がありません。こういう時、1年に何度かあるので仕方ありません。ようするに論文の原稿締め切りが目前に迫っているからです。
 論文を書く人がすべて私と同じなのかどうかはわかりませんが、スパートがかかると、もう始終論文のことを考え始めます。そうなるとほんのわずかなことへも切り替えが難しくなります。もっとも苦労するのが授業です。当然ですが、授業は自分が書いている論文とは全く違うことを話すわけです。どうあれ、これは仕事ですからしっかりチェンジしなくてはなりません。
 しばらくこんな状況が続くかもしれませんが、あと10日がんばります。(こんなとき、また出版社から編集者コメント入りの原稿の初校が届いているんだよなあ。)

10,10,10

2010年10月10日 | 家・わたくしごと
 朝、パンにのせるハムのパッケージを何気なく眺めてみると、10並びの賞味期限が印刷されている。「10,10,10」、つまりは2010年10月10日、今日の日付である。
 考えても見れば、2001年1月1日から、2012年12月12日まで、年1度ずつ計12回はある計算だからとりわけ珍しいわけではないだろうが、それでも10並びというのは、「きり番」としてはいい数字ではないか。
 ということで、デジカメで撮影して記録に残すことにした。ただ、ハムはもう食べてしまってなくなったので(なぜって、賞味期限が今日までなのだから)、ラベルだけである。10並びの一日、いいことあればいいんだけどな。