Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

Healthy!

2021年03月02日 | CD・DVD・カセット・レコード

 皆さま お久しぶりでございます。すでにIDすら忘れて探すのがたいへんでした。友人の村松健さんのニューアルバムが3月1日に発売になりました。この感染症の中で、自身をアップデートすること、rebornすることをテーマにした珠玉の9曲が収められています。私も文章を寄せました。
 村松君と続けているラジオ番組ミューグレ(静岡FM K-mix、毎週土曜日朝6時半から7時)は、来年度も継続します。そちらもお楽しみくださいませ。


美空ひばりの格好よさ

2019年07月30日 | CD・DVD・カセット・レコード

 美空ひばりが亡くなったのは1989年6月末だから、もう30年前のことになる。1989年といえば、もうぼくは20代後半だったし、美空ひばりが亡くなったことはハッキリ覚えているが、正直なところ、そのときは美空ひばりがどんなにすごい歌手かなんてことはほとんど知らなかった。もちろん歌謡ショーにはよく出演していたけれど、演歌を歌うおばさん歌手くらいな認識しかなかったことは、今思えば本当に恥ずかしい。
 美空ひばりの凄さを思い知ったのは、たぶん大学教員になってポピュラー音楽論の講義を始めてからだったと思う。戦後の日本のポピュラー音楽史を学ぶうちに、美空ひばりがあらゆるジャンルを歌いわけるオールマイティーなとんでもなく驚くべき歌手であることがわかったのである。アメリカから入ってきたポップスから新しいリズム、リンゴ追分のような民謡調の歌、さらには、コテコテのド演歌まで、どれも別人のように歌い上げるのだ。今では、「美空ひばりを知らなければ日本人ではありません」、なんて授業で言うようになってしまっている。
 最近、20代の卒業生が、美空ひばりのダニー・ボーイがすごくいい、とyoutubeの音源を聞かせてくれた。これがまたすばらしい。ダニーボーイはイギリスの民謡であるが、多くの人に歌われ、演奏される名曲である。その切ない歌詞を、実にみごとに歌い上げているのである。おもわず私は研究室に戻ると、amazonで美空ひばり、ダニーボーイと検索語を入れて、思わず購入してしまったのがこの写真のCD。2枚組のジャズスタンダードである。なんとA列車で行こう、までが日本語で歌われている。しかも本格的なのである。
 美空ひばりは、演歌を歌うおぼさんなんかじゃあない。この人は、ぼくの中では日本のポピュラー音楽界の中で最も恰好いい歌手であり、この人を超える歌手が今後、日本に誕生するかといえば、私の答えは今のところ「否」である。


Pete Seeger Carnegie Hall Concert June 8, 1963

2018年10月10日 | CD・DVD・カセット・レコード

  久しぶりにレコードを国分寺の珍屋で購入した。ピート・シーガーの伝説的なコンサート、1963年6月8日にカーネギーホールのライブである。1950年代にはレッドバージで歌ことができなかったピート・シーガーが公民権運動の流れの中でこうして大ホールでコンサートができるようになったことは驚きである。それにしてもこの時代のフォークソングのもつ社会性というのは本からしか学びようがないのだが、このライブコンサートのレコードを聴くと、観客がともに歌うフーテナニーのすごさを改めて感じてしまう。
 このレコードがCDになっているのかどうか調べたことがないからよくわからないが、今の世には絶対に発売されないようなこの社会性をぷんぷん匂わせたレコード(しかも日本版で故中村とうよう氏の解説付き)を手に出来て、なんだかとても嬉しい。レコードの音がいいとか、悪いとか、私はその点にはあまりこだわりはないのだが、1966年に発売されたこのレコードを今からきっと50数年前に胸をときめかしながら聞いた人がいたんだろうと思うだけで、心がときめくのである。


ギロックのピアノ曲集

2018年03月01日 | CD・DVD・カセット・レコード

 ギロックのピアノ曲を知らなかったわけではない。ピアニストの宮沢明子がこの作曲家の作品をよく演奏していた記憶があるし、実質的にはこのピアニストが日本にギロックを紹介したのではあるまいか?しかし、その頃は子ども向けの教本のたわいもない小品くらいしか考えていなかったのだが、最近、「題名のない音楽会」のギロックの特集を見て、考えを新たにしたのだった。
 だいたい、私はこの作曲家の名前は知っているものの現代アメリカの作曲家であることも知らなかった。ゆえにいわゆるクラシックの小品からジャズ、ブルースまで多種多様なジャンルの曲が多いわけだ。だいたい曲は2分前後だし、初心者の練習曲にぴったりなのだが、それにしても完成度の高さに驚かされる。結局、「題名のない音楽会」に出演していた熊本マリのギロックの作品集を、アマゾンでポチってしまう。
 テレビでは、近年、日本のピアノの学習ではギロックが大ブームだそうだ(本当かしらね)。まあ、そんな話は半分くらいで信じるとしても2500円以上払って買って後悔のないCDだった。さっそく、来週のラジオ収録で一曲使うことにした。曲名は…もちろん「秘密」よ。なんたって4月7日放送分ですからね。


買ってしまいました

2016年09月15日 | CD・DVD・カセット・レコード

 先週金曜日に発売されたビートルズのアメリカでのライブのCD、やっぱり予約して買ってしまったのでした。さっそく全部、聞きました。感想を一言で言えば、「それにしてもリマスターとか、編集の技術はすごい」という位でしょうか。
 この音源、ボーナストラックを除けば、すでにレコードを持っていてすべて聞いたことがあります。だから正直言うと、目新しさは全くないわけですが、ライブの臨場感とか音質は、レコードとは比べ物にならないほど向上しています。たぶん演奏していたビートルズだって観客の歓声に演奏なんてかき消されて何を歌っていたかわからなかっただろうし、スタジアムの観客だって周囲のキャーとかワーという歓声しか聞こえていなかったんじゃないでしょうか?それが、もう信じられない状態ではっきり音を聞くことができるし、あんな観客の悲鳴の中、ビートルズの演奏や歌の技術やレベルがそれなりに「すごい」ことにも驚きます。
 別にビートルズマニアというわけではありませんが、やっぱり60年代前半に生まれた私にとってビートルズの音楽は、恥ずかしいくらい「青春」の音楽なわけです。今やCD一枚くらいだったら、パソコンの前で買おうか、買うまいか何時間も悩むこともなくなってしまった(もちろん数分悩むことはありますが)ことから、購入したわけですが、だからといって後悔しているわけではありません。この先、このCDを何度聞くかはわかりませんが、やっぱり持っていることにこそ満足感のようなものを感じられるのです。


ELFA'S SINGERS

2016年04月09日 | CD・DVD・カセット・レコード

  もう出ることはないと思っていたインドネシアのコーラスグループELFA’S SINGERSの新譜が、ジャカルタのCDショップに並んでいた。あまりの嬉しさに胸が張り裂けそうだった。大げさな表現ではない。なぜってこのグループを育てたElfa Secioriaはもうこの世にいないし、まさかその名を冠したELFA'S SINGERSの新譜が発売されるなんて予想もしていなかったからだ。
 ちょっと使うにはためらう言葉に「青春の一枚」という表現がある。あえてあげるなら、ELFA’Sの一枚は自身の1980年代後半の一枚である。とはいえ、正確には一枚ではなく、一本である。なぜなら当時のインドネシアはレコードもCDもなく、購入できる音楽メディアはカセットテープだったからだ。よく聞いたCDで、一本はテープが伸びてしまい、二本持っていたのだが、引っ越しを繰り返しているうちにどこかに消えてしまった。
 新譜のタイトルはTIMELESS。まさにその通り、時代や時間を超越して、今なお新しい音楽だ。その素晴らしい4人のコーラスも健在である。インドネシア・ポップ独特なベタなバラードではなく、世界各地のリズムがうまく取り入れられて、実に「今風」な編曲。大好きだったAntara Anyer dan Jakartaもスローテンポになって、優雅な雰囲気で採録されている。久しぶりに「ツボ」の音楽に出会って、現在、ご満悦の日々を過ごしているPである。

(ちなみにamazonでは、このCDの収録曲をダウンロードで購入することができます。)

 

 


30年前にこんなCDが発売されていた!

2015年07月24日 | CD・DVD・カセット・レコード
 最近、浜松の住まいの周辺をウォーキングをしているおかげで、新しい店を次々に発見する。実は、案外近いところに中古レコード屋があったことを最近知ったのだった。レコードが中心だがもちろんCDも売られている。しかも世界各地の音楽のCDが安くて充実しているのである。これは驚き。
 今回、購入したCDの1枚がこのエルフィ・スカエシのベスト盤。なんと300円。この歌手は、インドネシアのポピュラー音楽「ダンドゥット」の女王である。そしてこのCDが発売されたのが1985年。ほとんどCDそのものがレコードに代わって発売されてまもなくの頃である。もちろん解説は故中村とうよう氏である。
 1980年代は実はワールドミュージックブームの時代だった。当時は「包(PAO)」という名前のワールドミュージック専門の雑誌が出ていたし、ニューミュージックマガジンもワールドミュージック系の雑誌を別に刊行していたのだ。そういう時期だからこそまだCDが流通したばかりの時期でも売られたのだろう。
 ベスト盤なので名曲ばかりである。一時、インドネシアでは発禁の対象になったMandi Madu(はちみつで水浴び)も収録。これは今度のラジオの放送で流さないと。まさにインドネシアのポピュラー音楽の歴史的名曲なのである。

Tesla Manaf

2015年01月05日 | CD・DVD・カセット・レコード
 日本でCDをジャケ買いするほど懐に余裕はないのだが、インドネシアだと新譜のCDは一枚300円から500円なので、つい表紙を見てジャケ買いなんてこともある。インドネシア人から見れば、一回にCDを10枚くらい買うなんて信じがたいであろうが(よく日本のタワレコで籠買いする客を見て嫉妬する)、そこは「業務」である。
 今回のジャケ買いの一枚がこのCD。そりゃあ買うでしょう。ジャケットがバリの仮面舞踊ジャウクだし、なんとなくオシャレだもん。だいたいよく見ないとこのCD、誰のCDなのかすらよくわからないのである。表には文字が一字もないし。全く期待することなく買ったこのCD、結構いいのである。このアルバムは全曲インストで、バンドゥン在住のギタリストTesla Manafの作品。しかもこのアルバム、バリのガムランのガンサ数台の音が、ギター、ドラム、サックスといい感じに入っている。ケチャとのコラボも収録。
 帰国して調べてみると、このアルバムがバンドゥン工科大学のバリ芸能グループ「マハ・ゴトラ・ガネーシャ Maha Gotra Ganesha (MGG ITB)」とともに製作したアルバムだった。2011年に作られたアルバムだが、昨年ジャケットをこの新しいバージョンにして再発したものなのだ。なかなか聞きごたえのある一枚。驚くことに、五線譜で採譜された40頁以上の楽譜が付けられている。これもまた驚き。
 ちなみにこの曲の一部を収録したTesla Manafのオフィシャルのyoutubeもあるし、ホームページもあってこのCDもちゃんと掲載されている。ご興味のある方、ご覧あれ。 



「ある風景の中で In a Landscape」 by 榎本玲奈

2014年12月24日 | CD・DVD・カセット・レコード
 久しぶりに素晴らしい選曲と演奏のCDに出会う。若手のピアニスト、榎本玲奈の現代音楽のCDーー現代音楽、という言葉はあまり好きではないが、ーー1948年のケージのCD表題の作品から今世紀にかけての作品を集めたアルバムである。このピアニストが学生の時の演奏を一度だけ聞いたことがある。そのときから何年たったか記憶は定かでないが、こんな演奏をするピアニストになったなんてあの時からすると想像できない。
 僕は批評家でもないし、西洋音楽の専門家でもないから、70分近く録音されている曲のうち、知っている曲はケージの《In a Landscape》だけで、他はまったく知らない(大学生の頃、ぼくはこの曲を演奏できた。結構、笑える話ではあるが)。たいてい1枚のCDを買っても受け付けない作品というのが収録されているものだが、このCDの収録曲、すべて「自分の壺」なのであり、恐ろしいくらいに音楽に身を任せることのできる演奏である。
 このピアニスト、高橋悠治を敬愛しているという。僕が現代音楽に興味を持ち、民族音楽学を始めたきっかけの一つが1970年代から80年代にかけて次々に出版された高橋悠治の著書や彼の思想、当時、高橋悠治 Part1から始まったコンサートとの出会いということを考えると、不思議な感じがする。何か同じような感覚や思想を共有できるのかもしれない。
 学者とバリ芸能のパフォーマーになる道を選んだ僕は、ピアノを演奏する道を放棄したが、今でも企画という立場でコンサートを作る道は残されている。私が20代のころ、高橋悠治や林光が行っていたちょっと不思議な、しかし他を寄せ付けないようなユニークな(時には「ふつうの」演奏者や批評家が酷評するような)企画のコンサートを幾度も体験した私としては、こういう演奏者の音に出会うと、沸々とコンサートの企画が頭を巡ってしまう。やりたい企画は山のようにあるのだから。

COMBAT!

2014年11月19日 | CD・DVD・カセット・レコード
 とうとうあのCOMBAT!が、朝日新聞出版からDVDブックとして登場した。すでに第二巻まで配本されている。いうまでもなく(迷うことなく)購入をすることに決めたのだった。全部で25冊、これから約1年、毎月、2冊が発売される。予約購入も検討中。これがあれば、余暇の楽しみも充実する。
 COMBATはある意味、私の「人生の師」といってもいい。今でも上司の在り方、上に立つものの姿勢としてサンダース軍曹は理想である。「理想の上司」を一人あげろというのであれば、サンダース軍曹と即答するであろう。
 わかってはいるのだが、日々の忙しさのなかでふと自分の態度や言葉を見失ってしまうこともある。テレビドラマとわかっているのだが、敵味方が交錯するヨーロッパ戦線の中で部下を守り、それでも目的を達成するサンダース軍曹のことを思って我に返ることもある。戦争とは何か、という問題についてもこのドラマはさまざまな側面を突き付けてくる。ドラマが後半になればなるほど、反戦色が濃くなり、悲惨なベトナム戦争を経験していたアメリカ政府にとっては、苦々しいドラマだったのではなかろうか?
 さて、このDVDだが、まだノルマンディー上陸の第一話しか見れていない。帰ると疲れがどっとでて、見ようと思っても瞼が開かないのである。いつのんびりこれが見れる時が来るのだろう?このまま突っ走ったら、定年後までお預けなんだろうかね。