金曜日、新潟県の温泉に泊まった。温泉には一軒の宿しかない、温泉自ら、日本秘湯を守る会の会員になっている、いわゆる「秘湯」である。Wikipediaによれば、秘湯とは「主に山奥などの交通の便が悪い場所に存在する温泉のことを指す。読んで字の如く、秘=他人に知らせたくないような温泉のことである」と書かれている。
この温泉は新幹線の駅から車で15分程度、バスでも行くことができる。ということは決して、交通の便が悪い場所に存在しているとは思えない。また他人に知らせたくないのならば、営業は不要だし、ホームページもいらないはずである。しかし存在する。Wikipediaの定義が間違っているのか、それともこの温泉は秘湯ではなく、自称「秘湯」なんだろうか?そう考えてみると「秘湯」を自称し、それを宣伝文句に用いる温泉そのものが眉唾ものということになる。
ところで、この温泉の階段の途中には、異様ないでたちのタヌキの剥製が置かれている。なんとタータンチェックの蝶ネクタイをし、耳にリボンをして、どじょう掬いをしているのだ。由緒正しい「秘湯」旅館は、この不思議なタヌキをなぜ、旅館に飾っているのだろう?
剥製になってもここまでし続けてなくてはならないタヌキが哀れに見えるだけでなく、この剥製がタヌキへの冒涜のようにも見えてきたのである。せめてタヌキに瓢箪を持たすくらいならば許せるが、これはあまりにも不自然である。宿を出るまで、このタヌキと目をあわさないように過ごした。相手はいつも階段の途中にいるのだから避けることはできないのだ。
「秘湯」、「タヌキ」、「蝶ネクタイ」、このキーワードが私にとってのこの温泉の印象であった。
この温泉は新幹線の駅から車で15分程度、バスでも行くことができる。ということは決して、交通の便が悪い場所に存在しているとは思えない。また他人に知らせたくないのならば、営業は不要だし、ホームページもいらないはずである。しかし存在する。Wikipediaの定義が間違っているのか、それともこの温泉は秘湯ではなく、自称「秘湯」なんだろうか?そう考えてみると「秘湯」を自称し、それを宣伝文句に用いる温泉そのものが眉唾ものということになる。
ところで、この温泉の階段の途中には、異様ないでたちのタヌキの剥製が置かれている。なんとタータンチェックの蝶ネクタイをし、耳にリボンをして、どじょう掬いをしているのだ。由緒正しい「秘湯」旅館は、この不思議なタヌキをなぜ、旅館に飾っているのだろう?
剥製になってもここまでし続けてなくてはならないタヌキが哀れに見えるだけでなく、この剥製がタヌキへの冒涜のようにも見えてきたのである。せめてタヌキに瓢箪を持たすくらいならば許せるが、これはあまりにも不自然である。宿を出るまで、このタヌキと目をあわさないように過ごした。相手はいつも階段の途中にいるのだから避けることはできないのだ。
「秘湯」、「タヌキ」、「蝶ネクタイ」、このキーワードが私にとってのこの温泉の印象であった。