大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大田区長・区議会議員など報酬引き上げ この時期に報酬引き上げを決める大田区議会の深刻な状況

2015年11月29日 | ●議会・委員会

突然区長から提出された区長・議員・教育委員会委員、監査委員などの報酬引き上げ議案。            与党も野党も賛成で反対したのは区議会議員50人中わずか5名。反対理由について討論したのは少数3会派だけでした。 

平均所得は下がり、雇用はさらに不安定化し、非正規雇用も半数に迫っています。
区政課題が高度化、複雑化するから報酬引き上げと言いますが、社会保障課題の優先順位さえつけられず、不要不急の課題に税投入し、困難な課題利用料負担で表面上乗り切ろうとしてきたのが国政与党はじめとした大田区政です。

しかも、いまも、保育料を検討し区民のみなさんの負担を大きくしようとしています。

私は、いかの理由で、反対といたしました。


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 今回、大田区は、大田区職員と議会議員はじめ首長特別職などの給与、報酬について同じように引き上げの議案を提出しています。

私奈須りえは、公務員や議会議員はじめ首長特別職などの給与、報酬は、これまで以上に区民の理解と合意形成が必要な時代に入っていると考えています。

 なぜなら、公務員や議員・首長についての在り方や考え方が、以前とは大きく変わってきているからです。
 しかも、公務員として大田区行政を担う職員と特別職などとして区政に関わる首長議員などは同じ視点で論じることはできません。

区議会議員、区長、副区長、教育委員会委員、教育長、選挙管理委員、監査委員、など特別職などの給料、報酬、費用弁償は、引き上げるべきでしょうか。

大田区政は、いまだに、大田区の責務である子育て保育所や介護、特別養護老人ホーム、障がい、などの基本的人権にかかわる事業の供給量がたりていません。
 しかも、公と民間企業が担っている事業では、負担の格差や、そもそも利用できないなどの公平性を欠く状況です。

大田区では歳入確保のため徴収率アップと財源確保が常に指摘されています。
 そうしたなか、現在大田区では、公平性、受益と負担の関係性の視点、少子化対策の視点の3つの視点から「大田区保育園・学童保育・保育料検討委員会」で保育料の県都が始まりました。
 検討委員会の中には、「保育料と公費投入している運営費はトレードオフの関係にある。現状維持は既得権益擁護。」といった発言をしておられる委員もいます。
 どのような形であれ、利用料をあげることで大田区の意味する「公平性」や「受益と負担の関係性」の問題を解決しようとしているように配布された資料を拝見し傍聴していて感じました。
 格差の拡大、平均所得の低下、雇用の不安定化、中小企業などに特に影響の大きい産業構造変化、グローバル化、外国人労働者の秩序無き規制緩和による流入、社会保障の目減り、税負担、利用料負担の増大など、区民生活をとりまく状況はさらに厳しくなっています。

大田区の責務である社会保障事業供給量さえ足りず困っている区民が大勢いる中、公共施設はじめ今後の財政需要が区財政に深刻な影響を及ぼすことを認識しているにも関わらず、大田区の意思決定のきわめて責任ある重要な役割を担っている区長・区議会議員はじめ特別職が、いま給料・報酬・費用弁償をひき上げる時期でしょうか。


 月額でみれば1000円から4000円の引き上げですが、年額で比較すれば、区長242,091円、副区長190,284円、教育長150,096円、議長173,634円、副議長137,245円、委員長120,932円、議員114,929円にもなります。(下表参照)

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 一方で、自らの報酬給料を引き上げながら、保育所や学童保育の利用料を検討することが区民からの理解を得られるでしょうか。

だからこそ、どのような問題意識をもって、区長が自らのそして、区議会議員はじめ特別職の報酬を上げる議案を提出したのか議案質疑したわけですが、区政課題が複雑高度化していて、安心安全を推進するには責務が大きく、自治体規模が70万人と大きいという答弁でした。

 確かに区政課題は複雑高度化していますが、現状をまねいている一つの要因は、投資家利益のためのアベノミクス経済にあります。
株価はあがり投資家利益はもたらされたもののそのために行われたのはその他大勢の賃金労働者の人件費の抑制と雇用の流動化で、それが多くの区民の生活を圧迫しています。

そして、その政策を推進してきたのが、区長、そしてこの議場にいる多くの議員ではないでしょうか。それで複雑高度化している区政課題に大きな責務を果たしていると言えるでしょうか。

自治体規模が大きいからと言いますが、人口5万人の千代田区の給与や報酬はどうでしょう。
 本来であれば、私たち議会も、議会改革の一環として議員とはどうあるべきか、その責務を担うための報酬はどうあるべきかといった根本的なことを区民とともに開かれた形で議論し、そこから報酬についても区長とともに考えていくべきではないかと思います。
 いまの議会のままでは、議員は少ない方が良い、議員報酬は少ない方が良い。といった論調に流される危険性があります。議会制民主主義において住民の代表である議員や議会の力を小さくすることは住民の力を小さくすることにほかなりません。結果として相対的に誰の力が大きくなるのか、私たちは真剣に考えねばなりません。
 そうならないためにも、私たちはこうした議員はじめ区長、特別職などの報酬の在り方について、区政、区財政、区民生活などを総合的に検証し、区民の理解を得ることなどで、根底にある政治不振をふっしょくしていかなければならなりませんが、今回の報酬引き上げでは逆に不振をまねくばかりです。現状における引き上げは到底区民の理解を得られない状況にあり反対といたします。


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