いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ノウブル・マインド

2009-09-05 19:34:45 | 日記
 9月の声を聞くと、プロ野球では優勝へのマジックも点いたり消えたりで、
いよいよ1年の長い勝負のラスト・スパートに入る。優勝しても、クライマッ
クスシリーズのステップアップもあり、安閑とはしていられない。

 米大リーグでは、マリナーズのイチロー選手が病気、けがの欠場もある中、
新記録への挑戦が続き、すでに視界に捉えた。
 日本人大リーガーとして存在感は抜きんでている。

 ヤンキースの松井秀選手。昨年のひざの手術のあと、なかなか結果を出せず
にいたが、この8月になって、チームの中軸を担って、ホームランを量産して、
チームのワールドシリーズ制覇に向けて大きな貢献をしている。
 この結果を9月にも続けて、大リーガーのスケールに匹敵する本来のパワー
を示してほしい。

 投手陣は、春先のWBC世界制覇で示した日本人投手の能力の高さを、けが
などでいづれも高い潜在力を発揮できない1年になった。
 レッドソックスの松坂選手は肩の故障で、オリオールズの上原選手もけがで
1年を棒に振り、黒田(ドジャース)、川上選手(ブレーブス)も好不調の波が大
きく、苦戦が続いている。

 社会人野球から大リーグに進んだ田沢選手(レッドソックス)の大リーグ昇
格もあった中、2A,3Aのまま1年が過ぎた日本人投手もいて、環境に早く
溶け込んで、本来の力を発揮してほしい。

 年が明けると、来年2月にはバンクーバー冬季オリンピックが開幕する。日
本のノルディック複合チームは、距離競技にも存在感を示して、メダル獲得に
も大いに期待できる。
 モーグルの上村愛子選手も、今年の絶好調を維持して自信をもってメダルに
挑んでほしい。

 ジャンプ陣も、採点方法の変更もあり、チームとして本来のお家芸としての
結束力、潜在力を発揮してほしい。スケートでは、男女フィギュアは十分に世
界とわたりあえるスタッフを揃えており、短距離スピードの男子にもメダルの
可能性がみえる。

 いづれも、この夏の強化トレーニングの成果がものをいう本番に向けて、最高
のパーフォーマンスを期待したい。

 本質的にはフィジカルでは恵まれない日本人選手がスキルと精進で、世界に
挑む姿勢が、きっと、年をあけて景気も安定をみせるはずの社会にも、勇気と
希望をもたらしてくれる。

 勝負にこだわる(スポーツの本来の意義でもある)あまり、暗い影もみえる
近年のスポーツ、公正な条件で、相手をたたえるところからはじまる、シンプ
ルで、ジェントルで、ノウブルなスポーツ・マインドが、世界を変える。

 今夏おこなわれた社会人野球(都市対抗)で、きわどい大飛球を打ち、ファ
ウルの判定。ひろった外野席の観客が、ポールの内側を通ったよと言う(報道)
程微妙なあたりに、思わず抗議をしようとした選手を止めて、試合を続行した
監督。この一打で追いつけなかった。

 「審判も一生懸命やっている。審判がファウルと言えば、ファウル」。選手
も一生懸命やっている。誰にも、わかりやすい、あきらかなのを打てとばかり
に、このノウブル・マインドがスポーツ(の信頼)を支えている。

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