脱官僚ースキルと人格と体力と。

　「脱官僚」の言葉が躍る。官僚政治の終焉を意味する。
　今までの政権政党が長期にわたってあまりにも目に余る官僚まかせの官僚主体
の一面的な政治運営だった反面として、あたらしい民主党政権の基本的な考え方
が、今更ながらだけど、強調されている。

　そもそも、政治家の母体（出身組織）のひとつが官僚組織だから、その権力構
造（特権意識）が政治にも持ち込まれ、そのまま「閉ざされた政治権力」の構造
関係の中で、国民への開かれた政治への「弊害」になっていた。
　
　その、閉ざされた一面的な権力構造の弊害を排除する「脱官僚」は、国民と共
有するデモクラシーには、当然の帰結なわけだ。

　こともあろうに、既存の長期政権がその権力構造（特権意識）に乗っかって、
その官僚組織に行政推進のプランニングからデシジョン（決定）まで預けて（事務
次官会議）、言いなりになっていた、気の毒な（国民にとっても）実態がある。

　言うまでもなく、行政推進の「デシジョン」からの「脱官僚」だ。
　国民と政権政党は、官僚を共有して、国、国益、国民（生活）のために行政機能
を最大限円滑に、多様に活用して、国、国民生活の安定した社会環境の整備に
努める。

　官僚とは、国民の負担（税金）を受けて、行政（国政事務）機能を運用する組
織（集団）の責任者だ。
　有能な官僚とは、目的遂行上の業務を効率的、効果的に隙なくプロセスを連続、
連結させて、業務効果を最大限に実行する「スキル」の所有者だ。

　また、有能な官僚は、不特定多数の他人から尊敬を受ける「人格者」でなけれ
ばならない。
　信頼されるに十分な「人格」のエネルギーこそが「能力」であり、国政運営、危
機管理に的確に貢献、効果をもたらすのだ。
　
　「スキル」と「人格」と「体力」のある官僚体系。現状からの「脱官僚」の本質とは、
そういうことだ。

　そして、「脱官僚」の最大の意義、価値が、国民への積極的な「情報公開」に
より、国益を共有するシステムの構築だ。

　あたらしい政権政党は、移行期間だからといって、変にもったいぶって、出し
惜しみしてはいけない。