いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

書籍改革はノンフィクション。 books innovate at the nonfiction

2010-07-19 20:03:12 | 日記
 (1)紙仕様(base)の「本」の特性はまだまだあるので、当然、情報伝達のツールは多様
化したので規模は縮小するのはあたりまえだけれど、存在はする。
 書店の規模の縮小の中には、かっては「購入本があって、書店を訪ねる」消費行動が普
通であったのが、今は単なる「時間つぶし」や、「何か知識欲に応える」本でもないかとの無
目的性の多様な消費行動に移行していることがある。

 消費行動の時間つぶしや無目的性から、書店もエンターテイメント志向(entertainment-
aim)で売り場面積の巨大化でジャンルを問わない多様な書籍分類、数量を揃えて、かえっ
てコアな書籍マニア達にとっては、どこに何があるのか検索も手間取る書籍の氾濫化現象で
随分と利用しにくいブックセンター化が目立つ。

 書店(ブックセンター)にとっても、膨大な書籍をかかえて購買率は低く(せいぜい来店者の
20%と言われる)、売り場面積と収益性比較の費用対効果の低いものだ。
 書店はみだりに売り場面積を拡大して、過剰な書籍数の氾濫で使い勝手の悪さを「演出」
して、消費行動にブレーキをかけ、自ら書店、書籍の持つ知的財産の価値をゆがめている。

 東京の老舗書店では、時間つぶし、目的性をもたない知識欲に応えるためにか、メディア
専門家プロデュースによるジャンル、作家に捉われず自由無造作に並べた書棚群が出現し、
売り上げも40%台を維持しているという。
 コアな書籍マニア達からすれば、その利用勝手の悪さからみれば「演出」以上に東京駅前
のビジネス街というロケーションの優位が購買率を上げているように見える。

 インターネット、電子書籍の時代に入って、紙ベースの書籍の需要も減少するのは避けら
れない。が、紙ベースの書籍には、記録性、自在性、分離性、即応性、積み上げれば足場に
と、利用価値も多様だ。書籍の購買率減少には、それに応えきれない作家がいなくなったこ
とも原因だ。

 その時は、巨大売り場もいらなければ、過剰な演出もいらない、利用勝手のいい書籍数も
含めて適正なキャパシティの書店となっているだろう。
 知的財産の普及には、当然ながら「使い勝手の良さ」が条件となる。

 (2)本を書き上げるというのは、大変な作業でこれは特異な能力。フィクション(小説)では、
若い書き手も出てきて、内容はともかく時代は継続されている。

 これが「ノンフィクション(nonfiction)」となると、書く前の資料収集、分析だけでもフィジカル
面とあわせて大変な重い作業で、その分、作品の持つ説得力、文章力はすばらしい。
 社会に現実に起きた出来事を題材に一般人が知り得ないプロセス、深層心理にまで解析
する能力は、流行に左右されないジャンルを問わない多くの読者の関心を呼ぶ。

 そのノンフィクションで興味を引くものがなくなった。取り組みが大変な分、書く能力が旺盛
でない今の時代は、元気がない。
 松本清張、大宅壮一の1900年代後半の時代はノンフィクションに、重み、深み、元気があ
った。日本の未解決、疑惑事件を清張史観で見た「日本の黒い霧」は、何度も目を通した。

 「ノンフィクション」が元気になれば、文章力も書籍も読者の興味を起こすことになる。

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