いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ロシアの歴史観と本音。 view of history and real intention of russia

2015-08-27 19:55:31 | 日記
 (1)プーチン大統領は北方4島の返還交渉には前向き(priority)といわれている。自らも実践する柔道にちなんでか「引き分け」論で2島・2島分離返還を示唆したこともあった。しかしロシアは北方4島に対する投資も増強して、たびたびロシア首相が訪問してロシア領土の主張を強く印象付ける行動をくり返している。

 国内、国外向けと交渉当事国の日本に対する対応をそれぞれに寄りわけており、非常に分かりにくい方針だ。

 (2)ロシアはクリミア半島の併合に見られるように欧米勢力に対抗する領土拡大に意欲を示しており、北方4島返還も容易ではない。
 日本としてはプーチン大統領が提唱したとされる2島・2島分離返還(引き分け論)交渉など出来るわけもなく、4島一括返還交渉が大原則だ。

 ロシアは北方4島の再開発事業での日本の経済開発協力を必要としており、共同開発事業による協力を前提とした北方4島返還交渉をまず窓口とすることも考えられる。

 (3)沖縄の振興予算と引き換えの普天間飛行場の辺野古移設容認を迫られる同じ苦渋(anguish)を今度は日本政府がロシアとの北方4島返還交渉で味わされている構図だ。

 ロシアとの北方4島の返還交渉の苦渋を、日本政府は沖縄問題でもよく理解してもっと沖縄に寄り添った考え方を持つべきだ。

 (4)ロシアはそのクリミア半島と北方択捉島で若者対象の党組織の研修キャンプを開催して、クリミア半島にはプーチン大統領が択捉島にはメドベージェフ首相が訪問してロシア領土を強く印象付けている。

 日本政府はロシア首相の択捉島訪問に抗議しているが、これに対してロシアの副首相がツイッターで「本物の男なら(日本の)伝統に従ってハラキリ(切腹)して静かにするはずなのに、騒いでばかりだ」(報道)と伝えた。

 (5)日本でも安保法制案を審議中の参院特別委員長が、「法的安定性は関係ない」と発言した首相補佐官をあの発言の時に辞任すべきだったとして「あの日に腹切っておけばいいんだ」と述べてもいるぐらいだから、別にロシア副首相が日本を揶揄(やゆ)するように「ハラキリ」を使っても不思議ではないが、グローバル化社会のなかで意味不明の時代錯誤の文言だった。

 (6)ひょっとしてロシアの日本に対する認識がその程度の歴史観(view of history of russia)だったとしたら、北方4島返還交渉もロシアの世界大戦にかこつけての北方4島併合を正当化するごう慢な態度が思いやられるところだ。

 つまり日本は世界大戦の敗戦により「切腹して静かにしておくべき」責任の国だとの認識でいるのなら、使った文言も含めて時代錯誤もはなはだしいものだ。
 もちろんこんなものをロシア政府の考えだとは思わないが、副首相から意味(解釈)不明の言葉を投げかけられても、ロシア側が北方4島の返還について現実的な理解に立っていないことの証しにしかならない。

 (7)それでも日本政府はロシアとの話し合い、協議の窓口はふさげないと、自由主義圏のなかではひとりロシアとの友好関係は維持すべきだとしてロシアにその足元を見透かされている。

 今のままではプーチン大統領もロシアの国益に沿った対応をとらざるを得ずに、日本の極東地域への経済開発協力を引き出すだけの戦略につなげる公算が大きい。

 (8)ロシアの本音(real intention)がはっきりしないなかで、日本として北方4島返還についてどう戦略を加えるのか、戦後70年を経て課題は重くなるばかりだ。

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