いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

酷暑の夏、電力安定。 power stability in intense heat

2015-08-12 20:06:40 | 日記
 (1)鹿児島県川内原発が再稼働した。原発規制委が世界一厳しい基準と自画自賛する審査に合格したはじめての原発再稼働だ。ところがその原規委も新規準に適合はしたがこれで安全が保障されたものではないと、再稼働は政府の政治的判断だと言い、政府は原規委の審査に合格したものを再稼働させる方針を示して原規委の審査にまかせるといわれる。

 さすがに経産相は「『事故が起きた時』は国が責任を持って対処する」(報道)と述べたが、どこか変だ。

 (2)福島第一原発の事故を見せつけられて、一旦原発事故が起きれば周辺住民、生活環境は苛酷な運命にさらされるのに、「(原発)事故が起きた時は」と経産相に言われてもその前に原発に頼らないエネルギー政策を考えてほしいと願うのが国民の安全、生命、財産、権利を保障する政府への注文だ。
 
 事故が起きた時の責任は別にして、再稼働に対する責任については政府と原規委が責任を押し付け合って、この構図は新国立競技場建設計画での責任主体があいまいなままに膨大な国民投資(税負担)を無計画のままに支出しようとしたのと同じだ。

 (3)この時の反省か、福島第一原発事故対応での東電まかせで復旧が一向に進まない反省からか「事故が起きた時は」国が責任を持つと経産相は述べているが、福島第一原発事故の汚染水対策でも安倍首相は政府が前面に出て対応するといいながら、その気配をまったく見せないままの汚染水漏水対策の遅れだ。

 (4)例年以上に酷暑の厳しい今夏の電力消費状況でもさして危機的状況は伝えられずに、原発が再稼働しなくても電力安定供給(power stability in intense heat)は全国的に確保されている。

 日本人気質、国民性というべきか省エネ対策、協力、工夫が効果をあらわしている結果だ。政府は原発再稼働を将来の環境適合対策、エネルギー安定供給、省コストに向けた政策だとしているが、将来エネルギー対策に向けての政策なら原発に頼らない再生可能エネルギー開発への移行を提案、考えるべきで、その実情は経済界の経済活動優先に応える原発再稼働でしかない。

 (5)今夏の電力事情を分析、検証、評価して将来にわたって原発再稼働が必要なのか、政府が責任を持ってリスク対効果(risk versus efficacy)を判断すべきだ。
 そうしたことを抜きにして政府と原規委が責任を押し付けあって責任があいまいなままに、川内原発再稼働を認めたことは国民の安全、生命、生活、権利を保障する政府としてはあまりに無責任体制と言わざるを得ない。
 新国立競技場無責任体質問題が政府の政治体質として引き継がれている現実だ。

 (6)川内原発のある薩摩川内市は原発事業への依存度も高いと言われているが、将来にわたっての産業構想を考えることも必要で、政府の原発再稼働推進政策のあいまいさの被害者(victim)でもある。

 こうなったら、そこでは原発に対抗する日本一、世界一のもの(農産物でも産業でも文化でもいい)をつくり出すことだ。そうすることによって原発に対するリスク対効果を周知するしかない。

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