いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

中東女性の光明。 a glory of woman of the middle east

2015-08-21 19:42:25 | 日記
 (1)中東社会は総じて宗教規律(religious discipline)による極端な男性優位社会で、女性は外出時には「マントのような黒衣アバヤに身を包み、ヘジャブで髪を、ニカブで顔を覆う」(報道)ことが義務付けられている。

 日常生活でも旅行の自由や車の運転など制限されている。近年ようやく女性のスポーツ参加が認められて、五輪大会にも女性アスリートが冒頭のような肌を露出しない不自由な服装での陸上種目などへの出場が話題になった。

 (2)文化、伝統、歴史、思想があっての国家だから一概にこれらの女性冷遇社会を批難することは内政干渉となりあまり問題になることはない。
 中国の人権自治抑圧政策に対する米国による強い懸念が示されて、中国は内政干渉としてこれに強く反発しているが、同じ米国は中東の冒頭のような友好国に対しては無関心なのだから公平、公正とはいえない。

 (3)国王による絶対君主国家の保守的で男性優位、女性冷遇社会のサウジアラビアで、女性に初めて参政権が与えられて12月に実施される自治評議会選挙(地方議会選)の有権者登録の手続き(報道)が始まった。

 女性へのインタビュー報道によると「方法が周知されずにテレビ報道もほとんどなく、関心が高いとは言えない」ということのようだ。
 女性の立候補も初めて認められているが、冒頭のような全身を覆う服装で女性が立候補して見分けがつくのか、選挙運動の方法論(methodology)もわからないので何ともいえないが、女性の参政権で文化、伝統、歴史が変われる可能性の必然性は高くなる期待はある。

 (4)しかしイスラム教国家としての宗教規律は重く、アブドラ前国王が主導した女性の政治参加が現体制でさらに発展継続されなければ女性冷遇社会の伝統を超えることはむずかしいだろう。

 何しろサウジアラビアでは全国規模の本格的な選挙が導入されたのは05年(報道)からということで、政治、選挙に関する国民的関心はまだまだ低い国王全権の絶対君主国家なのだから、政治に関しては男性も女性も一般国民にとっては未成熟ということがいえる。

 (5)近年のイスラム教国家での女性の権利の見直しは女性の努力もあってのことなのだろうが、政治、スポーツ、文化と明るいきざしが見える。
 禁止されている車の運転に公然と挑戦したり、街角に女性の肌を露出(肩が出た程度)した商業用ポスターが登場(報道)したりと小さいけれど変革の機運は見られる。

 国家としても女性アスリートを五輪大会に出場させることによって世界に国家イメージの変革を強調したい戦略があるのだろうし、世界的にも人口比率の半分それ以上を占める女性の活躍、社会進出が刺激になっていることもあるだろう。

 (6)また日本のように成長戦略として人口比率の半分以上を占める女性の活躍を主要政策に取り入れているように、宗教規律による男性優位社会でも国家展望として女性の存在は幅広い政治、経済、労働力としても必要不可欠と認識されても不思議ではない。

 サウジアラビアは政治的には国王の絶対君主国家ではあるがアブドラ前国王が自ら主導した女性の参政権による政治参加で、石油依存経済の中東地域の勢力図に原油価格安の市場変化も起きて女性の政治、社会進出の伝統変革による時代、社会の展望開拓に活路を見出そうとしているのではないのか。

 (7)中東女性にも光明(a glory of woman of the middle east)が見えてきた。

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