いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

機長まかせの空の安全。 leave a safety of the sky to a chief pilot

2015-10-08 19:35:18 | 日記
 (1)航空機に搭乗する時は燃料を補給したり足回りを点検する整備士を見かけて、出発に際してはていねいに1列に並んで手を振って見送ってくれるのがいつも見かける光景だ。

 航空機は乗りものの中で安全性の比較高いもので、自動車に比べれば事故率も極めて低いが一度事故に見舞われれば被害は大きいから、安全対策は重要だ。
 出発前の整備士による点検はルーティン業務(routine)かと思っていたら、航空法では機長による点検実施のみが義務づけ(報道)られているだけで、内容も機体の周りを歩き異常がないかを目視でチェックする(同)程度のものだ。

 (2)これまでの整備士による出発前点検は航空会社の安全理念、安全サービスということだったが、それでも飛行中に油漏れとか車輪が正常に作動しないとかの緊急事故は起きる。
 これまでも航空法にもとづいて格安航空会社(LCC)では機長の事前点検のみですませており、一方日航、全日空など大手航空会社では冒頭のように整備士による出発前点検を実施してきた。

 LCCなどの機長による事前点検は航空法にもとづくものでコンプライアンス(compliance)に問題はないが整備士の事前点検でも不備事故は起きており、経費節減を安全飛行点検と引き換えに実施しているとなると、LCCのその理念は大丈夫なのかと考えさせられる。

 (3)航空大手の全日空も今後は整備士の配置をやめることを検討(報道)している。理由は「整備士による点検が機体メーカーのマニュアルで求められていない」(同)ことだ。
 たしかに整備士点検といえども「目視」によるもので実効性が十分かといえば、それでも不備事故が起きていることを見ればその程度のもので、出発前点検だけをみれば航空法にもとづいて機長のルーティンとして実施しても大差はないということになる。
 
 そんな理由でこれまでの整備士の出発前点検を突如廃止して機長だけの点検にするのでは、これまでの長年の整備士による事前点検は何だったのかという航空安全の基本理念の問題になる。

 (4)これを管轄する国交省は「メーカーがマニュアルで認めている以上、結果的に安全が確保されているなら問題ない。各航空会社の判断になる」(報道)と主体性のない人ごとのようでは、空の安全は本当に守られるのか、大丈夫なのかという疑念がある。

 航空会社が整備士を減らして(なり手が少ない事情など)経営合理化、効率化を進めるというならまだしも、しかしそれはそれで空の安全確保を経営合理化、整備士育成困難などで引き換えるという航空会社にとってあってはならない論理、理念となるもので、言い出せない話だ。

 (5)長年整備士による出発前点検を実施してきて、ここにきての突如とした航空法の基準を持ち出しての機長のみの事前点検に切り替えるなどとは、説得力のある理由にはならないものだ。

 日航では11年に一部の機種で整備士を外すことを検討したが、機長が不具合を見つけても整備士の呼び出しに時間がかかり出発が遅れる(報道)ことも考えられて見送った事例もある。

 (6)空の安全に責任を持つ国交省が航空会社まかせなのは論外だが、比較安全性の高い乗りものの航空機も一度事故を起こすと大惨事を招くだけに、航空法にもとづくだけでないこれまでの安全整備体制サービスを維持し、むしろさらに強化することによって利用者の信頼を確保、保障することが健全な航空安全理念であり肝要だ。

 今の突如とした出発前点検の整備士外しは、その空の「間違っても安全(fail safe)」に逆行するものだ。

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