(1)橋下大阪市長が12年に職員の入れ墨(tattoo)調査を実施して、調査に答えなかった職員を懲戒処分にしたことの是非(違法適法)を争う裁判で1審地裁は「違法」と判断し、2審控訴審は「適法」とまったく異なる判断を下した。
入れ墨調査ごときで訴訟とはと思ったけれど、回答を拒否しての懲戒処分となるとおだやかではなく、やむを得ないところだ。
古くは「遠山の金さん」が入れ墨奉行として正義の味方の象徴のように描かれて、近代では反社会的勢力の象徴として公の場所から締め出される結果となっている。
(2)近年はプロのスポーツ選手、歌手などが入れ墨をパフォーマンスとして取り入れて、その評判いいか、悪いかの判断はいろいろあっても一般社会の若者中心に流行した時期もあった。
大阪市の入れ墨裁判は「市立の児童福祉施設で職員が子どもに入れ墨を見せて威圧した」(報道)ことが発端となって橋下市長が全職員対象に同調査回答を求めて、回答を拒否した職員を懲戒処分にしたことの憲法判断の是非だった。
(3)極めて入れ墨を見せて子どもを威圧した同施設職員の個人的資質の問題であったが、これを全職員調査にまで拡大したのは問題の本質、本意を逸脱している。
入れ墨も時代、社会の変遷にともなって受け取り方も変化してきており、現代は反社会的勢力の象徴となっている一方でパフォーマンスとして興味流行の側面もあるのが現実だ。
そうした現実社会、時代感覚の中で仮に入れ墨をしていても公にする(つまり見せる)のかどうかは、個人の判断、選択、能力、良識の問題であり、是々非々で対応されるものであり、不特定多数(ここでは全職員)を対象として(市長権限で)調査回答を求めることは、パラドックス(paradox)として問題が業務遂行に影響しなければあくまで個人の自由、基本的人権尊重、保障の範囲内のものと考えるのが当然だ。
(4)冒頭の訴因となった入れ墨を見せての威圧のような事例、不利益が聞かれない中で、それを除外目的に全職員を対象に市長権限で調査するのは権限行使の行き過ぎだ。
せめて通達(notice)程度で全職員に周知徹底することで目的は達成できたのではないのか。
そういう意味で2審控訴審での「市政への信頼が失墜しないよう、目に触れる場所に入れ墨がある職員を把握し人事配置に生かす目的で正当だった」(判決報道)というのは、同職員全体で事例、不利益が多く社会問題化しているわけでもない中で不特定多数(全職員)を対象に調査を実施する目的利益を有しないものだ。
(5)司法は予見、予測、憶測を対象に判断を示すものではなく、事実効果をもとに利益保障の是非を判断するものでなければならない。
2審控訴審の「調査も処分も適法」という判断は事実関係を適正に検証判断したものとはいえない。
(6)橋下市長はこれまでの慣行であった労働組合の勤務時間内活動の禁止で社会常識のパラダイム(paradigm)を実行した政治姿勢が市民の支持、人気の高さであったが、全職員メール閲覧の思想調査(指摘を受けて中止)の行き過ぎ、勇み足も多い。
入れ墨調査ごときで訴訟とはと思ったけれど、回答を拒否しての懲戒処分となるとおだやかではなく、やむを得ないところだ。
古くは「遠山の金さん」が入れ墨奉行として正義の味方の象徴のように描かれて、近代では反社会的勢力の象徴として公の場所から締め出される結果となっている。
(2)近年はプロのスポーツ選手、歌手などが入れ墨をパフォーマンスとして取り入れて、その評判いいか、悪いかの判断はいろいろあっても一般社会の若者中心に流行した時期もあった。
大阪市の入れ墨裁判は「市立の児童福祉施設で職員が子どもに入れ墨を見せて威圧した」(報道)ことが発端となって橋下市長が全職員対象に同調査回答を求めて、回答を拒否した職員を懲戒処分にしたことの憲法判断の是非だった。
(3)極めて入れ墨を見せて子どもを威圧した同施設職員の個人的資質の問題であったが、これを全職員調査にまで拡大したのは問題の本質、本意を逸脱している。
入れ墨も時代、社会の変遷にともなって受け取り方も変化してきており、現代は反社会的勢力の象徴となっている一方でパフォーマンスとして興味流行の側面もあるのが現実だ。
そうした現実社会、時代感覚の中で仮に入れ墨をしていても公にする(つまり見せる)のかどうかは、個人の判断、選択、能力、良識の問題であり、是々非々で対応されるものであり、不特定多数(ここでは全職員)を対象として(市長権限で)調査回答を求めることは、パラドックス(paradox)として問題が業務遂行に影響しなければあくまで個人の自由、基本的人権尊重、保障の範囲内のものと考えるのが当然だ。
(4)冒頭の訴因となった入れ墨を見せての威圧のような事例、不利益が聞かれない中で、それを除外目的に全職員を対象に市長権限で調査するのは権限行使の行き過ぎだ。
せめて通達(notice)程度で全職員に周知徹底することで目的は達成できたのではないのか。
そういう意味で2審控訴審での「市政への信頼が失墜しないよう、目に触れる場所に入れ墨がある職員を把握し人事配置に生かす目的で正当だった」(判決報道)というのは、同職員全体で事例、不利益が多く社会問題化しているわけでもない中で不特定多数(全職員)を対象に調査を実施する目的利益を有しないものだ。
(5)司法は予見、予測、憶測を対象に判断を示すものではなく、事実効果をもとに利益保障の是非を判断するものでなければならない。
2審控訴審の「調査も処分も適法」という判断は事実関係を適正に検証判断したものとはいえない。
(6)橋下市長はこれまでの慣行であった労働組合の勤務時間内活動の禁止で社会常識のパラダイム(paradigm)を実行した政治姿勢が市民の支持、人気の高さであったが、全職員メール閲覧の思想調査(指摘を受けて中止)の行き過ぎ、勇み足も多い。