(1)内戦で混乱の続くシリアから同アサド大統領がロシアを電撃訪問(a lightning visit to russia of p. assad)したニュースには驚かされた。ロシアが9月末にISへの攻撃目的でシリア空爆を開始したばかりで効果のほどもまだ未知数の中で、シリア政府も国土の半分近くは反体制派、ISなどが支配下に置く国内混迷状況の中だ。
内戦がどう推移展開するかもわからない危機的戦乱を残して最高軍事指揮者のアサド大統領が国内を離れる絶対危険性に、また安全に国外に移動するルートの確保の危険性、さらにはロシア訪問が世界に知れわたっての帰国の途の最大危険性もかえりみずにこれらを乗り越えてのアサド大統領のロシア電撃訪問だ。
(2)報道では今回のアサド大統領のロシア訪問はロシア側の招待(報道)で実現したというから、これまでシリア・アサド政権の後ろ盾としてシリア内戦で使用されたとする化学兵器の国際管理下の廃棄処分提案で米国によるアサド政権空爆攻撃を事前で中止に追い込み、さらに今回IS攻撃目的でシリア空爆に踏み切ったロシア政府の軍事協力演出にアサド大統領がいろいろな危険、リスクを乗り越えてまで応えた結果によるロシア電撃訪問であったということだ。
ロシア政府の世界を驚かす目的で相当な周到な準備、効果で行われたものに間違いはない。もちろんアサド大統領不在中のシリアで事変が起こればロシアと戦うことになるメッセージでもある。
(3)オバマ大統領の中東、アフガンでの軍事介入、戦略の方針転換の乱れをついてのロシア・プーチン大統領が中東シリア内戦で完全イニシアティブ(initiative)を確保しようという表明メッセージでもあった。
戦乱、混乱のシリアからアサド大統領をロシアに招いてロシアの政治、外交、軍事能力の高さを内外に誇示する目的はあきらかだ。
アサド政権が反体制派との内戦で化学兵器を使用して市民を含めた無差別攻撃をくり返して多数の犠牲者を出しているのは周知のところであり、当初から市民を巻き添えにしてきた非人道的行為のアサド政権の存在を認めてこなかったそれでいてオバマ大統領のあいまいなシリア対策、政策の責任は結果として重い。
(4)米国にしろロシアにしろ、強大な軍事力を背景に意図的、戦略的に他国に軍事干渉、介入することはあってはならないが、シリア内戦は市民を巻き込んだ内戦混乱が4年半も続いて化学兵器、生物兵器の非人道的作戦使用も取りざたされて、国際社会、国連としてもただ静観というわけにもいかない危険な事態が続いている。
混乱に乗じてIS、国際テロ組織も勢力拡大を狙っている。米国がシリア政府空爆攻撃から撤退して(IS空爆は再開した)、今度はロシアがIS攻撃目的でシリア空爆に参加したが米国が支援する反体制派への空爆も一部報道されて、ロシアの攻撃目的がIS攻撃に限定されたものなのか、アサド政権支援のものなのかはよくわからないものであったが、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で実態があきらかになった。
(5)ウクライナ・クリミア半島のロシア強行編入からロシア・プーチン大統領の戦略は米国、EUとの対立の中で影響力拡大を狙ったもので、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で対立戦略を明確にして米国、EUに強いメッセージ性を送ったものだ。
ロシアのシリア調停の戦略がかっての米ソ冷戦時代に回帰するような古い覇権主義志向であり、意図が露骨にあらわれて国際社会から疑心をもって見られることになるだろう。ロシア政府の時代感覚のズレが正されなければならない。
内戦がどう推移展開するかもわからない危機的戦乱を残して最高軍事指揮者のアサド大統領が国内を離れる絶対危険性に、また安全に国外に移動するルートの確保の危険性、さらにはロシア訪問が世界に知れわたっての帰国の途の最大危険性もかえりみずにこれらを乗り越えてのアサド大統領のロシア電撃訪問だ。
(2)報道では今回のアサド大統領のロシア訪問はロシア側の招待(報道)で実現したというから、これまでシリア・アサド政権の後ろ盾としてシリア内戦で使用されたとする化学兵器の国際管理下の廃棄処分提案で米国によるアサド政権空爆攻撃を事前で中止に追い込み、さらに今回IS攻撃目的でシリア空爆に踏み切ったロシア政府の軍事協力演出にアサド大統領がいろいろな危険、リスクを乗り越えてまで応えた結果によるロシア電撃訪問であったということだ。
ロシア政府の世界を驚かす目的で相当な周到な準備、効果で行われたものに間違いはない。もちろんアサド大統領不在中のシリアで事変が起こればロシアと戦うことになるメッセージでもある。
(3)オバマ大統領の中東、アフガンでの軍事介入、戦略の方針転換の乱れをついてのロシア・プーチン大統領が中東シリア内戦で完全イニシアティブ(initiative)を確保しようという表明メッセージでもあった。
戦乱、混乱のシリアからアサド大統領をロシアに招いてロシアの政治、外交、軍事能力の高さを内外に誇示する目的はあきらかだ。
アサド政権が反体制派との内戦で化学兵器を使用して市民を含めた無差別攻撃をくり返して多数の犠牲者を出しているのは周知のところであり、当初から市民を巻き添えにしてきた非人道的行為のアサド政権の存在を認めてこなかったそれでいてオバマ大統領のあいまいなシリア対策、政策の責任は結果として重い。
(4)米国にしろロシアにしろ、強大な軍事力を背景に意図的、戦略的に他国に軍事干渉、介入することはあってはならないが、シリア内戦は市民を巻き込んだ内戦混乱が4年半も続いて化学兵器、生物兵器の非人道的作戦使用も取りざたされて、国際社会、国連としてもただ静観というわけにもいかない危険な事態が続いている。
混乱に乗じてIS、国際テロ組織も勢力拡大を狙っている。米国がシリア政府空爆攻撃から撤退して(IS空爆は再開した)、今度はロシアがIS攻撃目的でシリア空爆に参加したが米国が支援する反体制派への空爆も一部報道されて、ロシアの攻撃目的がIS攻撃に限定されたものなのか、アサド政権支援のものなのかはよくわからないものであったが、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で実態があきらかになった。
(5)ウクライナ・クリミア半島のロシア強行編入からロシア・プーチン大統領の戦略は米国、EUとの対立の中で影響力拡大を狙ったもので、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で対立戦略を明確にして米国、EUに強いメッセージ性を送ったものだ。
ロシアのシリア調停の戦略がかっての米ソ冷戦時代に回帰するような古い覇権主義志向であり、意図が露骨にあらわれて国際社会から疑心をもって見られることになるだろう。ロシア政府の時代感覚のズレが正されなければならない。