いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮の軟化か。 does it go soft by north korea

2018-08-30 20:14:45 | 日記
 (1)石破茂議員は拉致問題解決を問われて、日朝間で連絡事務所でもなければ話にならない趣旨の発言をしていた。その通りのことだが、国交正常化していない日朝で双方に連絡事務所など開けない現状で拉致家族の高年令化を考えれば時間的な余裕はそうはない。

 北朝鮮前金総書記が日本人拉致行為を北朝鮮のものだと自ら認めて、5人の拉致被害者を帰国させてから事態は進展するどころか北朝鮮側はすでに解決済みの問題として取り合わずにすっかり後退してしまった。

 (2)昨年6月の米朝首脳会談で金正恩委員長はトランプ大統領が提起した拉致問題で自由な立場を述べたといわれて日朝話し合いに期待をのぞかせたが、その後の北朝鮮報道ではやはり解決済みというこれまでの主張をくり返すだけだった。

 外交交渉で有利な条件をつくるために表向きは従来の厳しい姿勢をみせつけてけん制することはよくあることで、一概にかたくなな態度とばかりはみられない。

 (3)そうこうしているうちに北朝鮮で日本人観光客が港湾施設などを撮影したとして拘束されたとの情報があり取り調べを受けているとのことであったが、早々に国外追放されて帰国した。

 観光客が北朝鮮の施設などを撮影して拘束されたケースは外国人にもみられるが、解放に向けては利害交渉で時間を要してなかなか解放されない事例が多い中で、早い段階での国外追放という政府間レベルでの決着を経ずして解放したことは北朝鮮の日本に対する態度としては友好的に軟化している(go soft)印象は与えた。

 (4)本日の紙面では7月にベトナムで日朝政府担当者が極秘で接触していたことが報じられている。担当者の役割からも日本人拉致問題の協議だった(報道)とみられている。
 
 米朝間の非核化約束問題は進展せずに、最近もポンペオ米国務長官の訪朝が直前になって中止となって交渉がとん挫している。そういう中で日本人拘束者の早期解放、国外追放に7月の極秘協議情報と日朝間には関係軟化のきざしもみえる変化だ。

 (5)米朝非核化約束のむずかしい交渉に対して、米国追随の日本に対して軟化姿勢をみせることで日本の米国への働きかけを期待した戦略なのか、北朝鮮通常の揺さぶり外交の日米同盟関係へのくさびとも受け取られる日本に向けた軟化対応だ。

 7月の日朝情報関係の責任担当者同士の極秘協議で何がどう話し合われたのかわからないが、日本人拉致問題に関する協議だったとみられており北朝鮮の軟化を捉えて継続性を持たせられるのかは重要な解決への糸口だ。

 (6)冒頭のように双方の連絡事務所の開設ということにまでなれば、一気に拉致問題解決に向けて動き出すことも考えられる。それに向けては米朝非核化約束問題の交渉がとん挫していることは好ましくないところで、ともにテーブルに着くことができるのか日本人拉致問題も正念場を迎えているともいえる。

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