(1)米国第一、保護主義を主張していた米トランプ政権時代に、中国は多国間主義を唱えて米国と一線を画して米国を批判して、双方関税強化により米中貿易戦争で対立していた。その中国が現在日本など7か国が加入批准するTPP加入に正式申請をした。
TPPはそもそも米国、日本、アジア諸国が中国経済に対抗する環太平洋地域の経済連携、貿易自由化のために難航する協議を進めてきたが、米トランプ政権が自国経済優先、優位で離脱を決めて米国を除く日本、豪、アジア諸国7か国で相互批准を進めて発効した。
(2)その後南米ペルーや英国が加入申請をして広がりをみせている。相互に農産品や工業製品の関税撤廃、知的財産権の保護により貿易自由化を促進する国際協定だ。中国としてはTPP委員会の議長国である日本と離脱米国との間にくさびを打ち込んで依然続く米国との貿易戦争対立を有利に導こうとする意図も見える。
TPPでは参加国すべてでの加入賛成、知的財産権の保護、国有企業の規制強化、強制労働の撤廃といった「高いレベルのルール」があり、中国は人権抑圧、知的財産権問題で米国と対立してこれまで内政干渉として突っぱねてきてことごとく問題を抱えており、南シナ海領有権問題ではアジア諸国とのあつれきを招き、TPP加入には克服すべき課題、問題は多い。
(3)中国がTPPに加入する背景には日米豪印4か国によるインド、太平洋構想による中国封じ込め戦略に英、EUが参加して中国包囲網が高まり中国の孤立感が形成される中で、中国の巨大市場による経済力を背景にTPPに加入して米国に対抗して局面を打開しようという目算がみえる。
あくまで中国のGDP世界2位の貿易、経済力に世界が関心をみせる巨大市場を背景にTPPルールの中国緩和をも考えての影響力誇示を考えてのものであり、TPP側が難航を重ねて合意にこぎつけた厳密な高いレベルのルールをはたして中国国情に合わせてどこまで譲歩するのか、できるのかの難題を抱えることになる。
(4)加入後に中国の国家思想、理念、体制を理由にしたルール無視を許せばTPPの足並みが乱れて、それは議長国日本のガバナンス、信用にかかわってくることになり中国のTPP加入交渉は簡単にはいかない。
多面、中国の抱える人権抑圧、海洋進出の脅威に対して国際貿易協定に取り込むことにより経済効果、政治効果は大きく、国際緊張を緩和する効果も期待されてTPP運用によっては自らTPP加入申請をする中国の独裁、独断主義を制御、規制することにつながる効果も考えられる。
(5)これに米国がどう対応、反応するのか、インド太平洋構想とTPP対象地域は複合しながら構成国が異なるというねじれ現象のなかで、これにクサビを打ち込む中国との関係利益、反利益の複雑な「揺れ」も抱えてTPPもむずかしい判断、決断に迫られるだろう。
TPPはそもそも米国、日本、アジア諸国が中国経済に対抗する環太平洋地域の経済連携、貿易自由化のために難航する協議を進めてきたが、米トランプ政権が自国経済優先、優位で離脱を決めて米国を除く日本、豪、アジア諸国7か国で相互批准を進めて発効した。
(2)その後南米ペルーや英国が加入申請をして広がりをみせている。相互に農産品や工業製品の関税撤廃、知的財産権の保護により貿易自由化を促進する国際協定だ。中国としてはTPP委員会の議長国である日本と離脱米国との間にくさびを打ち込んで依然続く米国との貿易戦争対立を有利に導こうとする意図も見える。
TPPでは参加国すべてでの加入賛成、知的財産権の保護、国有企業の規制強化、強制労働の撤廃といった「高いレベルのルール」があり、中国は人権抑圧、知的財産権問題で米国と対立してこれまで内政干渉として突っぱねてきてことごとく問題を抱えており、南シナ海領有権問題ではアジア諸国とのあつれきを招き、TPP加入には克服すべき課題、問題は多い。
(3)中国がTPPに加入する背景には日米豪印4か国によるインド、太平洋構想による中国封じ込め戦略に英、EUが参加して中国包囲網が高まり中国の孤立感が形成される中で、中国の巨大市場による経済力を背景にTPPに加入して米国に対抗して局面を打開しようという目算がみえる。
あくまで中国のGDP世界2位の貿易、経済力に世界が関心をみせる巨大市場を背景にTPPルールの中国緩和をも考えての影響力誇示を考えてのものであり、TPP側が難航を重ねて合意にこぎつけた厳密な高いレベルのルールをはたして中国国情に合わせてどこまで譲歩するのか、できるのかの難題を抱えることになる。
(4)加入後に中国の国家思想、理念、体制を理由にしたルール無視を許せばTPPの足並みが乱れて、それは議長国日本のガバナンス、信用にかかわってくることになり中国のTPP加入交渉は簡単にはいかない。
多面、中国の抱える人権抑圧、海洋進出の脅威に対して国際貿易協定に取り込むことにより経済効果、政治効果は大きく、国際緊張を緩和する効果も期待されてTPP運用によっては自らTPP加入申請をする中国の独裁、独断主義を制御、規制することにつながる効果も考えられる。
(5)これに米国がどう対応、反応するのか、インド太平洋構想とTPP対象地域は複合しながら構成国が異なるというねじれ現象のなかで、これにクサビを打ち込む中国との関係利益、反利益の複雑な「揺れ」も抱えてTPPもむずかしい判断、決断に迫られるだろう。