いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

大統領令。 the president's command

2017-01-26 19:40:56 | 日記
 (1)トランプ大統領が1月20日就任以来選挙戦中に主張してきた考えにもとづき矢継ぎ早の大統領令(the president's command)の署名、発令が続く。
 オバマケアの廃棄、見直し、TPP離脱そしてメキシコ国境沿いの壁建設と大統領令に署名した。

 米国企業に対しては海外工場を国内に移して雇用を促進することを強制し、気候変動も枠組みから撤退することを表明して政府機関に取材、発信を規制することを通達(報道)した。

 (2)事の是非は別にして(しかし、それが大統領の判断として最も重要かつ問題影響のあること)、やると言ってきたことはそのままストレートに実行に移す姿勢は強い米国の大統領として国民の期待する姿でもある。

 なぜ米国民(白人マイノリティ層中心)がヒラリー・クリントン候補ではなく、政治経験のない過激、暴言トランプ候補を米国大統領に選んだのか有言実行で少しはわかる気がしてきた。
 米国民はこれまでも強い米国復活に強い関心と期待をあわらしてきた。

 (3)オバマ前大統領の8年間は伝統的な高い理想主義は掲げられたが、核のない世界実現の世界平和、弱者救済社会に目を向けてイラク後、シリア内戦から手を引いてパラドックス(paradox)として高い理想主義は中国、ロシアの影響力台頭を招いて、世界政治情勢の主導権は中国の南シナ海領有化拡大、プーチン大統領の影響力増大で、オバマ米国の存在感は比較後退してかっての強い米国は影を潜めていた。

 オバマ前大統領としては前政権からのアフガン、イラク、中東戦争への直接関与で成果があがらない中、米国内、国民に広くえん戦気分が強くなる中で、ベトナム戦争の二の舞を避けることもあったのか中東紛争からの撤退を決めたが、世界政治、軍事覇権国家の米国にとってはふさわしい責任の取り方に映らなくて強い米国を望む米国民とはかい離がみられた。

 (4)国内的にも伝統的な個人主義(自分のことは自分が責任を持つ)から弱者救済のオバマケアは支持を欠き成立に時間がかかり混乱を招いた。
 もちろん民主党オバマ前大統領は共和党優勢の議会対策から予算の成立、執行に制約があり、さらに就任時はリーマンショック不況の時代で軍事費の削減が求められてさらに核のない世界実現の平和理念からも中東紛争からの米軍撤退という方針に向かったとみられるが、その方針のおかげもあってか国内経済、雇用に集中して任期終盤では顕著な回復ぶりを示していた。

 結果として中国、ロシアの影響力台頭を招いたのは、強い米国を望む米国民からは非力と失望にみられた。

 (5)その反動としてのオバマ継承のヒラリー・クリントンではなく、強い米国、米国第一主義を唱えるトランプ支持に向かったとみられる大統領選結果だった。
 オバマ前政権で国内経済、雇用は回復したが、かえってその恩恵が及ばない白人マイノリティ層からはより強い不満、反発となってメディアも予想だにできなかったトランプ支持、期待に向かったと考えられる。

 (6)なにはともあれ、その結果としてのトランプ大統領は政権基盤も整わない就任早々からトランプ大統領が選挙戦で主張してきた考えを次々と実行に移す大統領令に署名して、行政機関に指示するという有言実行型政治を進めている。

 この効果、期待感でNY株式市場は1896年5月公表開始後初めての2万ドルの大台(報道)に乗せた。
 
 (7)トランプ大統領を支持した国民には期待どおりの船出であるが、問題はこれからだ。政権交代による数千人の異動といわれる政府機関職員の大半はまだ補充できずに(トランプ大統領はこれに関心はなかったと報じられている)、大統領令の執行、実行ができるのか、外国政府との関係も懸念材料として残る。
 

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少子化時代の起業率。 rate of establishment of era of a limited children

2017-01-25 19:31:05 | 日記
 (1)日本はかってはGDP比較で米国に次いで世界第2位を占めた経済国であり、現在は中国に抜かれて第3位となっているが依然として世界経済における存在感はある。
 「円」が安定した実力価値の貨幣として買われている。

 しかしこれが起業家となると、中小企業白書によると97年には約167万人いたが12年には約84万人と半減している。

 (2)これもかっては大学がベンチャー事業、起業(establishment)を積極的に推進、展開して大学知的財産、研究業績をもとに学内にもベンチャー事業、起業(venture business)を展開して、学生からもベンチャー事業に乗り出す勢いもあった。

 六本木ヒルズ族ともいわれてライブドアなど若い経営者がいくつも誕生して、株価操作で巨額の利益をあげてプロ野球球団買収などにも乗り出して社会の風雲児としてもてはやされた時代もあった。

 (3)東京、大阪中心に次々とベンチャー起業が続いたが、結局は企業家精神が社会との共生、成長、起業ではなく自己資本、自己利益至上主義でただやみくもに企業利益追求、増強に走ったために、ついには見せかけの実体のないバブル利益で相手をだまして投資をさそう違法な粉飾決算を引き起こして自滅して、せっかくの若い起業家、ベンチャー事業、起業の高まりに水を差して消滅の道と向かっていってしまった。

 (4)中小企業白書が示すとおり、起業希望者は15年余りで半減してしりすぼみ状態だ。世界的にみても全事業所のうちあらたな開業率(2011年比較)は仏(15.6%)、英(11.2%)、米(9.3%)、独(8.5%)に比べ日本は4.5%と格段に低い。

 それでGDP世界第3位の経済国なのは、1億2千万人の国民と自由貿易体制に勤勉で平均的知的水準、協調性が比較高い国民性、ダイナミズム(dynamism)があるからだろう。長らく儒教思想による家族制度が定着していた風土、社会構造、社会思想も影響しているように思う。

 (5)終身雇用制は日本企業独特の伝統的考え方、社会思想であり、日本経済、労働環境をけん引してきた結果としての経済立国日本ともいえる。一時期世界的に日本の終身雇用制が経済ダイナミズとして注目を集めたこともあった。

 経済はグローバル化して日本の終身雇用制、労働形態にも変化がみられて、さらに世界にも類のない少子高年令化社会を迎えて若者の労働力が低下して起業家の減少につながる要因となっている。

 (6)これから日本人口は8千万人時代ともいわれてGDP減少への影響も考えられるが、パラドックス(paradox)として労働市場のパイが比較広がることから雇用、競争となると間口が広がり活躍の場所も増える逆転社会構造も生まれてくる。

 情報化時代、社会の中で当然ながらグローバル経済社会が産業構造を変え、労働形態、機能改革が進んでおり、あたらしい未来、時代に向けた起業、企業社会構造変革が必然であり、積極的なベンチャー時代がやってくる予感はある。

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ポピュリズムと保守強硬主義。 populism and strong conservatism

2017-01-23 20:19:15 | 日記
 (1)トランプ大統領の支持率が就任式時点で40%台と近年のこれまでの大統領の中で最も低い数値と発表された。トランプ大統領以外は過半数の高い支持を受けていたので、現時点では不支持(関心もないも含め)が過半数というトランプ大統領はメディアの統計なんか否定して、今回の大統領就任式の参加者数もオバマ大統領の時の180万人に遠く及ばない25万人(報道)だったとの報道にも「150万人いたように見えた」と「(25万人は)うそだ」(報道)と決めつけて相変わらずのメディア報道を否定する対決姿勢を崩していない。

 (2)これからも都合の悪いメディアの支持率、不人気報道との確執が続くことになるだろう。日本のメディアによる直近の世論調査ではトランプ大統領の就任で日米関係は今より悪くなる(56%)が過半数を占めて、良くなる(5%)、変わらない(29%)を大きく上回った。

 裏表のないトランプ大統領の思考行動論理とみているから、まずTPP離脱は大統領令に署名して行政機関に命令したし、さらにこれから日本の輸出産業への高関税、国境税の課税、さらに駐留米軍基地の負担増とトランプ政権になって実行に移す確率が非常に高くなるので、日米関係が今より悪くなるのは比例して高くなるだろう。

 (3)さらに日本にも既成の政治ではない新しい政党や指導者が出てくることを期待するが51%と過半数で、期待しない41%を上回った。これで安倍内閣の支持率が前回より4ポイント上昇して55%と比較高い安定した内閣支持率を示しているのだから、国民の視点、意識もどこにあるのかわかりにくい状況が続いている。

 トランプ大統領の支持層は既成政治、社会に不満を強く抱く人たちであったが、現在の日本は小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が強く、政府が3年連続での賃上げを主導して4年目も経済界に賃上げを要請している経済優先政策を支持して比較安定した個人生活、社会に満足しているのが支持層とみられるので、安倍政権にとっては逆風でもない。

 (4)もちろん安倍政権の重要政策課題(特定秘密保護法、安保法制、自衛隊の駆け付け警護、消費税引き上げ)にはこれまでことごとく国民の過半数が反対(世論調査)しているので、比較安定した内閣支持率を維持しているのは、野党の力不足も大きく原因している(野党が増えた方がよい45%で与党42%を上回る)とみられるので、深層心理ではあたらしい政党、政治リーダーの出現への願望も高い(期待する51%)ことが伺える。野党に若いスーパー政治家の出現が待たれる。

 (5)安倍政権で政治家、閣僚の政治資金不正行為が続いて説明責任も果たさずに、さらに特定秘密保護法、安保法制と国民の過半数が反対する中で国会強行成立が続いて国会議員総とっかえが必要と書いたが、それが世界の既成政治、社会への不満、反発の潮流として現実のものとなりつつある。

 トランプ現象、英国のEU離脱に象徴されるように既成政治、社会への不満層を取り込んだ世界のポピュリズム(populism 大衆迎合主義)の潮流ではないが、もうひとつの流れの保守強硬、本流思想(strong conservatism)への信頼、依存、安定志向が強い小市民的国民意識、日本政治、社会だ。

 (6)19年10月消費税引き上げ時での社会経済構造がどうなっているのか、日本政治、社会の試金石になる。

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本当の混乱、混迷の予感。 a foreboding of true ‘khaos’

2017-01-22 19:38:55 | 日記
 (1)1月20日トランプ大統領が正式就任した。翌日の新聞論調ではこれまでの米国大統領は就任式で伝統的な理想を掲げて、民主主義、公正を格調高く説いて世界のリーダーとしての気構えを示したとして、トランプ大統領の就任演説には「大きく落胆した」(報道)とある。

 まがりなりにも選挙戦と違ってトランプ大統領には就任式での高い理想の言葉を期待したようだが、出てきたのは既成政治、社会との決別、国民に権利、雇用を戻し米国第一主義となるこれまでの主張の踏襲だった。

 (2)もともと政治経験のない、軍人経験のない不動産王としての初めての大統領とあって、いまさら高い理想主義、自由主義、民主主義の言葉など期待する方が無理だろう。また就任式にこれまでのトランプ大統領の主張と違って伝統的な高い理想主義など語られては、トランプ大統領を誕生させた既成政治、社会へ不満の支持層から「ひんしゅく」を買うものであり、それははじめからないものだった。
 それが米国民が選択した現在の現実の米国像であるからだ。

 (3)トランプ大統領は以外(多くの国、経済リーダーからはトランプ大統領は正式就任すれば少しは現実的に変わるとの期待感もあったようだから)とこれまで主張したことは着実に実行するタイプではないのかと書いたが、就任式当日にすでにオバマケアの破棄、見直し、TPPからの離脱、NAFTA(北米貿易協定)再交渉について大統領令に署名して行政機関に命令を出している。

 英国のEUからの離脱を支持して、ともに自国利益第一主義で保護主義同士の英国メイ首相とは早速トランプ大統領は最初の外国政治指導者として今月中に会談するなど主張の方向性は揺らぎはないようだ。

 (4)それは政治経験のないこと、大統領に押し上げた支持層が既成政治、社会へ不満を多く抱える人たちであることから、特別に政治的に深読みをすることなくストレートにマイウェイを進むであろうことは容易に考えられた。

 そういう意味では策謀うずまく戦略的な権謀術数ではなく、裏表のないストレートな対応が政治的にもいい悪い両面で特徴的といえるだろう。
 上院公聴会での指名閣僚の承認審査が続いているが、すでにトランプ大統領と閣僚間の政策上の意見の違いが報じられており、今後も政府内の政策の不一致が表面化ないしはトランプ大統領の流儀(fashioned)の主導で担当閣僚が立ち行かなくなることもしばしばで、混乱、混迷(khaos)を招くことも現実味を帯びている。

 (5)問題は米国第一主義、保護主義でトランプ大統領がこれまで掲げてきた主張が実行できなくなってきた時にどう転換するのか、それでも転換しないのか、そうした時に既成政治、社会に不満の支持層がそれでもまだトランプ大統領に期待して支持するのか、そういう事態は何年も先とかではなくそう遠い将来ではない気配がする。

 トランプ大統領はこれまでのように過激な発言でその責任を対外的問題に特化するだろうが、これまでと違って本当の混乱、混迷はそれからの問題だ。

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2017年安倍施政方針演説。 policy speeches 2017 of premier abe

2017-01-21 20:07:06 | 日記
 (1)トランプ米大統領の就任式に合わせるように1月20日に始まった日本の通常国会での安倍首相の施政方針演説(policy speeches)は「国づくり」(the build of a state)のテーマが並んだ。

 ①「世界の真ん中で光り輝く国づくり」は、何やらエンターテイメント、小説っぽい感じで美辞麗句の裏に潜む現実が心配で、②「力強く成長し続ける国づくり」ではデフレ脱却を目指しアベノミクスを「ふかす」経済再生、イノベーションで、アクセルとブレーキの踏み間違いが心配だし、③「安全安心の国づくり」では、これまでの安全未確認のままのベースロード電源としての原発再稼働とどうむすびつくのか心配で、④「1億総活躍の国づくり」では働き方改革、女性の活躍、成長と分配の好循環がパラドックッス(paradox)としてデータ分析から現実性、現実味を失い、実現性がまったく心配で、⑤「子どもたちが夢に向かって頑張れる国づくり」では誰にでもチャンスのある教育といいながら、さかんに民進党の前(民主党)政権時代の失政、失敗ばかりを指摘するこきおろしが心配で、ついでに安保法制で若者を戦闘地に導く保守的姿勢が心配だ。

 (2)結局は安倍首相が今回の施政方針で述べたそれぞれの「国づくり」の本論は、「おわり」での「憲法施行70年の節目に当たり、~次なる70年に向かって日本をどのような国にしていくのか。~憲法審査会で具体的な議論を深めよう」(演説文抜粋)という、本格的な憲法改正議論の開始宣言に集約されている。

 現行憲法は米国に押し付けられた憲法であり、自主憲法制定を目指し、自衛隊を国防軍に改組して、家族制度にまで国の意向を反映しようという国家統制主義、機能の強い自民党憲法草案が出発点だ。

 (3)「国づくり」とは国が国民の権利、生活、財産を統制、統括管理して、国体主義の強い国家思想社会を築くことにあるのではないのか心配だ。いつか来た道だ。
 国民の働き方を改革するという正規労働と非正規労働の格差解消、女性管理職の登用、成長と分配社会の実現は、政府の主導、お仕着せでは効果、成果をもたらすことはむずかしく、個人、企業、社会の自覚、自発的、自主的なダイナミズム(dynamism)にならないと持続可能性(sustainability)のある実現性はない。

 19年10月の消費税10%引き上げ時にどういう社会構造、体質になっているのかが分岐点だ。

 (4)安倍首相が「国づくり」、「国づくり」と並べているのは、総裁任期の延長をにらんでさらに3期目以降の首相続投の意思、意向をあらわすものとして受け入れられ、極めて国家的というより安倍首相の個人的概念、願望の強い施政方針演説に聞こえる。

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