サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

最後の希望。/セメルパルス 第九話「ミュール」 感想(コミック百合姫2020年12月号)

2020-10-25 | 荻野純







基本的に、
ずっと一人倒すたび誰かが~って流れが続いてたので、
ここに来て「向こう側の世界に行ってすべてを終わらせて来る。」という流れは、
物凄く合理的というか、ある意味これしか方法ないだろうなあ。という流れで得心がいきますね
そうすれば、皆が救われる~という程・・・単純ではないんでしょうが、
苦しみ続ける事からは逃れられる、、、とは思います。
命乃も、
自責の念からか、
それとも、
自分にはその資格が無いと踏んでるからか、
友達に会わない生活を自ら選んではいますけど、
いずれは何らかの形で幸福になって欲しいなあ。。とは思いますね
その時にはすべてを告白しなければ、命乃の性格的には無理なんでしょうけど。

ただ、
そんな生真面目なトコも命乃らしいと言えばらしくて良かったですけどね。
それと同時に友達もまた寂しそうな表情してましたけど、
逆に言えば彼女には命乃しか友達がいなくなっちゃった(のかな?)、
それを考えると、いずれは仲直り、、、というか、また仲良くなって欲しい。とも思う。
だって、命乃が故意で生命を奪った訳ではないのだから・・・。







ただ、
ここに来て物語に「希望」が見えて来たのは大きかったですね
目標というか、カタルシスが生まれるであろう到達地点が示された事で、
いよいよキャラクターの応援もしやすくなるというか、
今までは絶望が主だったので(笑
百合シーンもたっぷりと出てきましたし、
先月とはうって変わってちょっとだけ光が見えて来た・・・のがいち読者としては嬉しかった
すべての希望は命乃に託されてる感じがガンマのミカちゃんを彷彿とさせますが、
戦力は整って来た・・・ので、みんなの力を合わせて「結実」に向かって欲しい。
そして、
命乃と様子は是非結ばれて欲しいですね・・・笑
まだまだドラマがありそうなんで、その辺にも期待です!


(・・・もしかして、同族対決とかあったり??)


君が守ったもの。/セメルパルス 第八話「竜崎 帷」 感想(コミック百合姫2020年11月号)

2020-10-10 | 荻野純
心に響いたセリフ。







でも実際、
100を選ぶか1を選ぶか~という選択に於いては、
誰しもが100を選ばざるを得ないと思う
日本人なら尚更、ね。
ただ、
100を選んだ代償として、
1を失うのも事実
その事実に対して、「割り切れ」というのも酷な話ですよね・・・。

哀しい時は泣いて良い、
辛い時は逃げても良い。
「落ち込まない」という事は一つの選択であって、「正義」ではない。
ちゃんと自分の感情に向き合ってから、前に進む事を選ぶ選択肢だってある。
その意味で、
ちゃんと命乃を“泣かせてあげた”今回の作劇はキャラクターに優しいものであった~と感じました
 個人的には、ガンマでユリが「悔しい」と泣いたシーンを彷彿とさせましたね
確かあの回で感動して(衝動的に)荻野さんにFL出した事を思い出しました。。
俺個人的に荻野さんの漫画の感想に関しては、
今後もずうっと書き続ける所存です。







今回の話は、
とっても「丁寧」だったと思います
この漫画・・・というか、荻野さんの漫画に共通して言えるのは、
いきなり展開が物凄いスピードで進まないので安心して読めるんですよね
勿論展開そのものにはドキドキはしてるんですが、
一つ一つの変遷がゆっくりしていて、
そこが個人的にはじっくり読める~という良さを生み出していると感じました
今回とか、
新しく出て来た設定を披露しつつも、
ちゃんと命乃のメンタルケアに努めてますからね
逆に言えばそれだけの事を命乃はやってきた~という事でもありますし、
ちゃんとキャラの心情を美しく掘り下げてくれる繊細な作劇はかなり見応えのある作品に押し上げてると思う
敢えて撮影しませんでしたが、命乃が涙するシーンは本当に美麗なので是非触れてみて欲しいです。
 そして、
こういう絆の積み重ねが、
「次」に繋がるのだと・・・
そう、一読者として信じています。
 そして、いよいよ決戦も近い雰囲気もあるので、
益々見逃せない展開になって来ました・・・!来月号からの展開も、本気で楽しみ。






そうそう、
遂に百合的に美味しい、
せ〇ぷんのシーンなんかもありますので(笑
これほど“必然性の高い百合”も早々あるまい、、、と感じました
そりゃ、ここまで支えてもらってたら、好きになるのも「自然」だわ、っていう。




君が奪ったもの。/セメルパルス 第七話「柿崎真帆」 感想(コミック百合姫2020年9月号)

2020-08-14 | 荻野純








「セメルパルス」を読んでて感じることは、
全ての他者の期待に応えるのは不可能、という事です
命乃のやってる事は全体的な視点で観れば真っ当だと思う
ただ、
ミクロな視点で観てしまうとその実他の誰かを傷付けてる訳で・・・
この世界を守る、という選択はしっかりとしているが、
その選択から零れ落ちてしまう誰かもいる
今回は、
その「誰か」が「友達」だった、というオチで・・・非常に鮮烈な話数に仕上がってると思いました。




この悲しみもまた、“真実”でもある。



結構・・・
現実でも正直どっちかを選ばなければいけない事は多々ある
誰かに憎まれても、誰かに嫌われても、その道を往く。勿論、そこには「辛さ」も付きまとう
だけど、分かってくれる理解者さえ居れば前に進める・・・それが様子さんであり、
またそれは様子さんにとっても同じ、なのかもしれません
最初から、
この世の全ての他者を救えないのは命乃だって分かってたと思う
それが身近な人間に及ぶ事だって想像は出来てたと思う
でも、
まさかこのタイミングだったのは正直キツいもんがありますね・・・。
世界自体は救っていても、誰かの世界自体は命乃が(自らの手で)壊してしまった。
その罪悪感はきっと残るでしょう

ただ、
先述の通り、
全ての他者を救う事なんて個人の力では無理ですから。
そこを割り切って、
例え誰かを傷付けたとしても、
違う誰かの笑顔の為に頑張れるか・・・が次回以降の命乃の鍵になっていくと思う
このまま、地獄を突き進む哀しき戦士になれるのか、、、が気になりますね。




固いシーンばっかじゃないよ!(喜)



個人的には、
この漫画を読んでると、
「誰しもを傷付けない選択などない」って現実をしみじみと感じます
自分が「良い。」と思ってやってる事でも、他の誰かを傷付けてたりもする
そこで優柔不断になるのか、
それとも、それでも自分の可能性を信じて突き進むのか・・・
今回は、
友達を間接的に屠ってしまったかもしれない
だけど、そのお陰で泣いてるあの娘の「生」がある、とも言えます
そう考えると、
中々に深いテーマ性と読み手に問いかけるパワーを持っている作品で、
百合描写もありますがそれもまた「心を保つ」為、って考えると
(前にも書きましたが)必然的な「恋愛描写」という気もしますね。
誰かの為のつもりでも、
誰かを傷付けていて、
誰かを傷付けていても、
他の誰かの心は救っている・・・と考えると、
分かりやすい“善悪”が一切無くて、そういう良い意味でグレーな部分が自分好みなのかな、
と感じました。
冒頭の命乃のカット、躍動感も凄いですが、様子を人殺しにさせないって覚悟も感じられて、
バトルシーンにもちゃんと意志が込められていてそこもまた秀逸な話数だと思いました。







ところで、
なんとなく、
最後悲劇的なオチになりそうな予感もしますね・・・
具体的に言及するのは避けますが、必ず中に人間が入ってる、って事は。。



誰がどうなるか?/セメルパルス 第六話「青木紗英」 感想(コミック百合姫2020年7月号)

2020-06-16 | 荻野純








そうそう、
様子さんはこう言ってるけど、
事実は小説より奇なり・・・で、
まさかの事態も有り得ますよね
っていうか、ぶっちゃけ「持ってない人」とか確実に居ますからね
友だちが出来て、愛しい先輩が出来て、満たされてるのはいいことですけど、
その分その反動がいつか来ないか、、、というのが心配であると同時に物語の面白さに繋がっている気もする
要するに、いつどこで誰が死んでも不思議じゃない、っていう・・・
そう考えると、
常にハラハラしちゃうし物悲しさも漂いますよね
でもそんな中でも努めて明るい作風にしていたのが読んでて楽しい部分でもありました。




このコマが何気に好き。



そう、
この漫画、
設定が設定なだけに、
何もかもが死亡フラグに見えてくる・・・っていうのが、
個性であり先が見えない良さに繋がっている気がします
常に薄氷の上を歩いてる感じですが、
多分自分が彼女らみたいな立場であったとしても身内とか知人の命を真っ先に気に掛けると思うんですよね
そういう意味合いではリアルでもあります 
ただ、
よしんば「そうなった」としても、
そこで辞めてしまうって事も正直無いような気もしますね
罪や責任を背負ってやってることですから、そういう絶望も乗り越えなきゃいけない
このままとんとん拍子に行くって作風でもないと思うので、新キャラ達含めて今後の展開にも注目、、、です
というかそういうシーンを早く見たい気もするし、まだまだ平和を楽しみたい気もするし・・・
複雑ですよね(笑
ただ、確実に言えるのは物語が進めば進むほど面白くなっていくのは間違いない、、、という事
逆に言えば必ずしも悲惨な展開になる訳でも・・・いや、なりそうな気配は強いですが(笑
でも、そういう張り詰めた雰囲気がこの漫画の揺るぎない個性になってるとも思います
楽しさの裏には常に切なさが付きまとう・・・それもまたリアルですよね。



今だけは。/セメルパルス 第五話「神之椅 美緒」 感想(コミック百合姫2020年6月号)

2020-05-03 | 荻野純
そのぬくもりに用がある。









先月、
単行本1巻が出ましたが、
ファンとしてはどうだったのか・・・が気になります
結構長年この方の漫画に関して感想を書き続けているので、
多少の贔屓目もあるかもしれない、、、いや、「無い。」って断言はしたいんですけど
正直思い入れも強いのでどこかで「応援したい。」という気持ちはあるんでしょう
しかし、
それを差し引いても興味深く面白い漫画だと感じます
誰かを犠牲にしてもこの地球を守るか、
それとも地球を捨ててまで誰かを守るか。。
それで、
前者を選んだ人々の物語。って書くとぶっちゃけ興味深さは強いと思う
実際この5話でもこの星を、みんなを守ろうとした挙句実の妹を殺めてしまった様子先輩の痛みが伝わって来る
でも、かといって、野放しに出来るかあの化け物を?って考えると受け入れざるを得ないのもまた事実。







そう考えると、
ある意味物凄く現実に根差した漫画のようにも思えます
きれいごとを言って逃げたり放棄することを許してないですよね
心情的にこの地獄を歩まざるを得ない構成にはなっていると思う
漫画でありながら、キャラが取っている行動はかなり現実的なものに感じる
だからこそ、 理解者及び自分の傍に居てくれる人が様子にも命乃にも「重要」なんでしょう・・・!って考えると、
この5話で描かれている二人の相様がクローズアップされるのにも納得感があるんですよね
そりゃ、
冷徹を選んでる人間だからこそ、
他人のぬくもりが絶対に必要なんだ、と・・・。

本当はみんな強がってても、
どこかで「一人では淋しい。」って想いがあるもんなんですよ
そういう人の根源的な気持ちがよく表れていて素敵な話数だったと思います
それと、
ここまで一気に物語的に駆け抜けてきた分、
今月ちょっとテンポを落としてたのも個人的には有難かった
単行本1巻に合わせるようにこの漫画自体の紹介にも成り得ている話数だと思ったので、
是非この回からでもこの作品の面白さに触れてみて欲しい・・・ですね
狂気に満ちている現状を生き抜く為には、
誰かの「何か」がどうしても必要。
それが良く出てました。だから共感出来たのかもしれないです。






1か100の世界。/セメルパルス 第四話「壊獣」 感想(コミック百合姫2020年4月号)

2020-02-22 | 荻野純
信じるしかない。







正直、面白い。
めちゃくちゃ面白い。
要するに1を選ぶか100を選ぶかって事ですよね
壊獣は人間のエネルギーを電池にしていて彼らを滅すると人間は死んでしまう
しかし、だからと言って放置していたらこの世界そのものがめちゃくちゃになってしまう・・・
非常に難しい問題だと思う
答えはあるようでない
個人的に敢えて命乃に死んでいった人々のデータを見せた演出が良かったですね
ただ漠然と死んでいる~って設定があるよりも、もっとリアルな痛みが伝わって来て秀逸でした







「この世界そのものがめちゃくちゃになってしまう~」って今書きましたけど、
それは確かに意味合い通り多勢の人間にとっては死活問題であり守らなければいけない命題だと思う
しかし、個人個人で考えるといくら世界が守られたって自分の世界が終わったら意味ないですよね
だから、
単純に分母の違いだけで正解を見い出せる問題でもないのが厄介であり悲しいところ
確かに、彼女らのお陰でこの世界は保たれていて今日も平和な日々が続いている
しかしその平和の陰に何も悪くないのに死んでいった人たちが居る
しかも、その行為をしたのは自分たちである・・・という
圧倒的罪悪感
かといって、
逃げても侵略という最悪の結末が待っている故に“責任”という問題も付いてくる
あの友達たちの普遍性を維持する為には自分が(色々な意味合いで)身を削らなければならない、
その物語性が辛くもすごく面白くて正直言って自分好みの作中観だと思いました。







ただ、
個人の世界は終わる~と言っても、
その代わりに誰かの今日あるはずだった世界を守ったのも揺るぎない事実
そして、 その罪も憎しみも全部自分らが背負って地獄に行く。という決断をした、
そんな二人の相様が最も覚悟に満ちていて読んでて切なくもグッと来た
亡くなった身内や親友の死に意味を持たせる、という意志も、
個人的な感情も棄ててなくて素敵に映りました
何かを手に入れる為には、
何かを失わなければいけない。
誰からも好かれたり嫌われない生き方は決して有り得ない。
そんな人生の本質を突いていると感じる物語性がやっぱり荻野純さんの作家性が滲み出ていて大好きだと、
そんな風に純粋に感じてしまった4話目、百合とか抜きにしても読んで欲しい漫画だな~、って思いました。
 
様子先輩のセリフも凄く良かった。そりゃ、狂わないとやっていけないですよね。
その上で二人抱きしめ合う~という顛末も凄く自然で素晴らしかったと思います
必然性のある百合、というか、結果的に百合、というか。
今までの話で一番面白かったように思います。







展開を予想すると、
死んだ人らは男女年齢一切関係なく無差別のように感じたので、
先月友達になった二人とかヤバいですよね・・・
そうなった時とかに、
どういう風に描写するのかも気になるところです。百合姫を買ってでも読む価値あると思うので是非。



衝撃の事実。/セメルパルス 第三話「堀内孝治」 感想(コミック百合姫2020年3月号)

2020-02-08 | 荻野純









壊獣の中には常に人間が居て、
壊獣を滅する=こちらの世界の人が死ぬ、という事らしい
これはいわゆる・・・「全体か、個人か。」って選択ですね
一体滅すると誰かが死んでしまう、その周りの人たちが悲しむけど、
そもそも奴らを野放しにしていたらこの世界自体が終わってしまう・・・というジレンマですね
どっちを選んだとしても“悲哀”が生まれるのが非常に辛い物語を紡いで来ましたな~という印象です。







途中までは、
結構順調に進んでたように思う
個人的に友達の出来方に関する一連のシーンが良かったですね
そりゃそうだ、友達って意図的に作るもんじゃなく、
自然となってるもんだわな
けっこう耳が痛いセリフだったりもしたんですが(笑
でも、そういう友達が出来て、この世界が壊されることが怖くなった
イコールよりこの世界を「自分の手で」守りたくなった・・・というのは良い流れだったと思うんです
その前のアストラル体についての説明も今後に於いて重要な要素になりそうな気もするし。。
ここまでは良い意味で王道のヒーロー劇を展開していたように感じてました。
モチベーションUPの描写をスムーズに描いているな、という。







そんであのオチだったから精神的には辛いよな、って思う
どういう原理でそうなっているのか・・・というのはまた次号以降説明が入ると思うけど、
今はっきりと分かってるのはどちらにせよ誰かの人生が終わる選択をしろ、という事で
ある意味シビア、、、というか全員幸福には出来ない、という現実的なテーマになって来たように感じました
理論的に言えば、犠牲にする人数の規模が段違いなんで、それでも壊獣を滅する~という方向性になりそうですけど。
まあ実際滅しなければこの世界そのものが終焉を迎えてしまうのは事実ですから
でも、
そう頭で理解していても、
はっきり言って理屈で割り切れる事では絶対にないですから、
その現実と理想の狭間で苦しむ未来が視えた気がする3話目でした
もし、その犠牲になる人間が、今の友達だったとしたら・・・?って問題も出てきますよね
分母の違い・・・とは言っても、そもそも天秤に掛けられるもんでもない、って気もする
その関係者にとっては、その人が世界のすべてだったりもするので。
凄く気になる引きで終わってしまったので、
4話以降どうするのか、、、が気になりますね
罪の意識を背負いながら戦ってゆくのか、それとも・・・。




動き出した百合。/セメルパルス 第二話「防壁師 日本支部 第三部隊」 感想(コミック百合姫2020年2月号)

2019-12-21 | 荻野純
カッコいい。









初回は百合要素そんなに濃くなかったけど、
2回目で思いっきり出して来た。それも、お風呂シーンで・・・(笑
なんだかガンマのヒカリとミユキを思い出しますが、どっちかっていうと、
命乃はちょっと素直になれないタイプというか、逆に言えば使命を背負い過ぎるタイプなのかな
それを良い意味でふわっとさせるのが様子の役目なんだと思いますが、
それはそれとして、
今月もバトルアクション漫画としてシンプルに面白かった
命乃のモチベーションが伝わりやすいというか、単刀直入に言って「復讐」ですよね
リベンジって言葉に置き換えてもいいかもしれないけど、目的が明確な分感情移入し易い節があって気持ち良く読めたと思う。







また、
バトル描写が良いんですよ
やっぱり蹴る殴るやっつける、ではなく
シンプルに思い切り殺し切る、という
読んでてスカッとなる感触とダイナミックな構図/演出が心地良くて
こういうスケールの大きなバトル漫画が好きな層にもきっと伝わる漫画になってるのではないでしょうか
なんせいきなり両腕切り落とした挙句、最後には噛み殺しに来た顔面を真っ二つですからね
その可愛い姿からは想像もつかないサイレントキラーっぷりがカッコよかったし、
スピード感のあるバトル作画も読んでてその躍動感にワクワクするものがありました
血まみれの雨の中、物憂げに佇む姿も彼女の覚悟を感じさせてくれて良かったです
その怪獣アクション漫画としての面白さに是非触れて欲しい、、、と同時に、
ある意味「THE荻野純」って漫画にも仕上がってるのが個人的に面白かったですね。

怪獣、アクションもそうですが、
メガネっ子、名古屋、パートナー、百合、そして登場人物の名前・・・(tacicaの「命の更新」「神様の椅子」から来てると思われる)、
どこを切っても今まで荻野純さんが描いてきた漫画の集大成のような内容になっていて、その点で物凄く安心感がありました
なんでしょう、読んでる最中に理屈ではなく感覚で「面白い!」ってなる感じがあったんです
これから、いずれもっと強い壊獣だとか命乃でさえ苦戦する展開があるかも分かんないですけど、
ただ命乃の過去が過去な分、読んでて既に「頑張れ」と応援したくなる要素が揃ってるので
そういう意味ではどういう展開になったにしろ“これから”に期待が高まるのが本音ですね
命乃は戦いにすべてを捧げてる分、こと恋愛及び性体験には不慣れな感じがするので、
その辺りを様子さんがどういう風に料理していくのか・・・も楽しみにしています(笑




この人の生死が心配(黒髪の人)



気になるのは、
最初からシリアスで厳しい展開を攻勢&示唆しているので、
これから先ヘヴィな展開が多々待って居そう・・・ということ
まあ百合姫はどっちかって言えば青年誌寄りだと思うので(たぶん)
その辺の展開に対する耐性はありそうですが、、、
とはいえ、
2話の時点で結構ハードな百合模様も展開しているので(笑
予想以上にニヤニヤ出来そうなのもまた今月分の収穫と言えば収穫でした
特に最後のお風呂シーンに関して言えばここまでやるとは全然思ってなかったのもあって、
結構度肝抜かれたというか、、、あ、純粋に目の保養的にも良かったんですけど(笑顔
でも、この二人の関係性に関して言えばまだまだこれから構築していくと思うので、
そういう意味合い(百合的な方)でもこれから先に期待・・・という所ですね。
というか、二人とも巨乳っすね(爆








そういえば先月、アンケートも出したんですけど、
読切の時読者コーナーに自分のアンケコメントが載った経験があったんで、
今回も載ることはあるのか・・・にも是非注目して下さい(笑



荻野純新連載!「セメルパルス」第一話 新更命乃 感想(コミック百合姫2020年1月号)

2019-11-30 | 荻野純
始まった!








「γーガンマ-」「透明人間の骨」の荻野純氏による新連載。
以前同誌に本作の原型となる読切「互いのガーディアン」を掲載した事があるけれど、
その作品がずっと人気が高かった為連載されたのが本作・・・だと(個人的には)感じています
このご時世にアナログのカラー、という時点で非常に荻野さんらしくて素敵だなあ、ってまず思いました
そんでもって独特の画面作りが変わってないのも往年のファン的には嬉しいんじゃないでしょうか。


そう、
何気に、
荻野純さんの漫画の感想を書き続けて6年半くらい?になるんですよね
ある意味荻野純さんの漫画の感想を書くベテランの領域に入って来たかもしれません
それ、どういうベテラン?って言われたらあんま返す言葉がないんですけど(笑
ただ、前のブログから数えて足掛け6年半、
その間読切も含めずっと荻野純さんの漫画を追って来たんだなあ、、、と思うと感慨深いですね
そんな自分にとってはかなり久々のアクション百合漫画。。という事でまたあの熱狂を感じれると思うと凄く楽しみです。







内容は、
凄く「γーガンマ-」から地続きなところがあります
異世界の怪獣との対峙、素質を持った選ばれし少女のバトル、そして信頼が生み出す百合・・・
ガンマはあれはあれで完結してますが、ある意味あの漫画が好きだった読者に向けて、
もう一度ガンマっぽい世界観をおかわりしている感覚がありましたね
或いはガンマでやり切れなかった事を描こうとされてるのかもしれない
これらはいち読者としての想像に過ぎませんが、
取り敢えず荻野純さんの漫画が好きな人にとっては相当面白い漫画なのは間違いない
それと同時に、
近年百合姫からヒットするような漫画もちょいちょい出て来てるので(ゆるゆり、わたてん、シトラスなど)
その点では決して専門誌だからといって狭い世界に来た訳ではなく、
むしろ知名度の高い作品を生み出せるチャンスは確実にあると言えます
そう考えると、
「γ」的な素晴らしさ、を
もう一度問うような目的もあったりするのかもしれません
いや、これ全部個人的に感じたことなのでもし違ってたら申し訳ないんですが(笑

初回から、
いきなり死人が出たり、
ガンマでもあったような厳しい展開も健在
またその描き方が切なくも美しいものに仕上がっていて、
以前よりも更に表現力が進化されたのも感じる事が出来ると思います。







この初回は、
件の読切をなぞりつつ、
ちょいちょい変えつつ、
基本的には世界観の紹介の意味合いが強いんですが、
その中でも豪快なアクションシーンの素晴らしさは健在でした
何が素晴らしいって、
ただ蹴る殴るではなく、
躍動的な体感だったり、
完全に切り刻んで「屠る」というある意味スカっとする残酷さと爽快感があったりして
そういう・・・ある種のリアリズムも楽しめるような作品に仕上がっていると思う
文字通り怪獣映画とか好きな層にも響く漫画になっていると思うので、
個人的にはガチの百合好き以外にも読んで欲しい漫画だと感じました
どれだけ大事に想っていても、
どれだけ美しい思い出があったとしても、
人は、
人なので、
いつか(あっさりと)死んでしまう。
そういうこと、そういうことの切なさを描きつつ、
その中で奮闘する人の強さ、を描いている導入的でありながら非常に洗練された初回にも感じました
そういう意味では、読んでて励まされる部分もあるかもしれません
特に最後の命乃の表情なんかは、ね。









ちなみに、
この初回ではガチ百合っぽさは控え目ですが、
多分どんどんお互いの可愛い表情も見られると思う、
というか荻野純さん自身が予告してるので(笑
その辺も是非、
というか、
「γーガンマ-」も合わせて読んでもらえるとより楽しめると思う
そして、その後は各話感想書いてたので前ブログ「超進化アンチテーゼ」にも来訪して下さい(最後に自分の宣伝乙)。




荻野純「疎遠になった友達〜元トモ〜 小学校時代のライバルT君」感想(となりのヤングジャンプ)

2019-10-24 | 荻野純
カワイイ。








荻野純さんの「元トモ」シリーズの最新作がとなりのヤングジャンプで公開になった。
詳しくは自分のツイッターでリツイートさせてもらってるのでそこから辿ってもらいたい。
やはり、荻野純さんの漫画は面白い・・・というか、好き。
なんでしょう、
一応原作は投稿者のエピソードなんですけど、
最後、
お話としてこういうオチです!っていうきっちりした感じで終わるんじゃなくて、
その後その彼がどうなったのか、とか、そういう部分を描かずに(まあ実体験だから描けないのが正解でしょうけど)、
淡々と懐かしむようにフェイドアウトしていくのが良い意味であいまいで想像力を刺激してくれて、
原作付きとは思えないくらい荻野さんの漫画っぽくて実に最高でした・・・笑
正直、読み終えた瞬間にこれは感想書きたい!って思いましたから。







また、男女の友情なのもいいですね
正直恋愛感情があったかどうかは未知数だし、
そういう描かれ方もされてないので不明っちゃあ不明ですが、
ただ、
何となく、
純粋なライバル・・・
「仲間」として彼を見ていた気がして、
そういう純粋な感覚、、、も読んでいて気分が良かったですし、
また荻野純さんの美麗で静かな作画がその雰囲気を盛り立てていたように思う。

前回に引き続いて、
誰かの実体験、
つまり原作付きのお話なんですけど、
そうとは思えないくらい荻野さん自身の世界観が感じられて・・・
そういう意味合いでは単純に面白い以上にその作家の個性も感じられる作品になっていると思う
今はどうしてるか知らない
だけど、
あの作品は素敵だった、
叶わなかった-
純粋に感動してしまった・・・という、
儚いけど、確かに心に残っている、そんな思い出をそのまま描く。っていう
そういう強い意義を感じられる新作になっていて個人的に是非読んでもらいたい、って思いました。








でもなんか、
小学校の頃のいちいち勝負したがる感じとか、
淋しいから別れを告げられない想いとか・・・
そういう良い意味合いでの「幼さ」の表現もまた素敵で、
このシリーズ是非続けていって単行本化して欲しいな。って素直に思いました

また、
荻野純さんは、
来月18日にコミック百合姫で、
新連載「セメルパルス」をスタートさせます!
以前読切が載った時に、感想とアンケートで応援頑張ったので、これは純粋に嬉しいです・・・!
当ブログでは毎月取り上げてプッシュ予定なので荻野純さんのファンの方もお暇でしたら。

荻野さんの告知のツイート!
https://twitter.com/ogino_jun/status/1184950550439137280