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自殺の理由。/青年少女よ、春を貪れ。 第四十五話「それが、決定打」

2022-01-27 | 山田シロ彦








ハルが死んだのは、
自殺だったみたいです。
っていうか、
先に謝罪したいんですが、
ハルの父親めっちゃ良い人じゃん・・・!!
この感想で、
散々ラスボス扱いしたり、
「手籠めにした~」など予想して申し訳ない
ミスリードにまんまと騙されましたけど、最初からラスボス扱いしたのはダメだったな~
偏見とか大嫌いなのに自分で偏った見方してちゃ論外だわな、、、猛反省だわ。

むしろ、
実の娘想いで、
なおかつ母親に対して一途でもあって、
更に娘の官能的な目配せにもしっかりと対応しない冷静さもあって、
物凄い常識人じゃないか・・・と正直感じました
理性で抑えたのかもしれませんけど、
あの時点では、
自分「では」実の父親だと告げてもない訳で、
ちょっとくらいやましい気持ちが沸いても男なら有り得る話だとも感じたんですが、
毅然とした態度できっちりと正しさを選んで妻しか愛さない道を進んだ
そう考えると、
ある意味そんな人の善さが逆にハルを追い詰めてしまった~とも言えなくもないので、
ラスボスっていうのも捉え方によっては合ってるのかも?とも思いましたが(笑
 まあ、
いずれにせよ、
音無さんの件の電話からは(きっと)逃れられなかったとは思うので、
結局・・・自死という未来は変わらなかったのかもしれません。
あれが古崎さんの言ってた「罪」だったのかな?







いずれにせよ、
ハルは色々なものを背負い過ぎた。
母親から愛されなかった辛い体験だったり、
逆に何の関係もない古崎さんが認められた事で実の娘である自尊心が揺らいだり、
決して恋してはいけなかった相手に生涯の恋をして十字架を背負ってしまった
その他にも、
様々なストレスを抱えて生きてきたのだと思う

自分からすると、
多少ぶっ飛んでるものの、
本当は正しく生きたかった~という想いは伝わってくるし、
実際、
罪悪感を抱えたまま、
のうのうと生きていく事が出来ないくらいに正義感や責任感が強かったんでしょう
もっと言えば、図太くずうずうしく生きる事が出来なかったんでしょうね
引き金は音無さんだったんでしょうけど、
要因としては・・・
様々な負荷に因る積み重ねに因る自死の選択だったのでは?とか思いました
ある種真面目で、でも、だからこそ適当に歩んでいけるような「強さ」は無かった

俗に言う、
悪人と言う悪人が誰も居ない、
誰の気持ちにも共感出来る
でも、
誰かが耐えられなくなって、自殺してしまう。
その感じはとてもリアルであると同時に漫画漫画してない良さが確かにあります
エンタメ作品では間違いなくないけれど、それでも心に残っていく傷のようなドラマが存在しています
音無さんの電話に関しても本人はただ無邪気だっただけで内情とかを知ってた訳じゃないから、
結果的にあの行動は彼女を追い詰めましたけど、皮肉ではあるけど悪意はゼロだった







本音を言うと、
やっぱり母親に愛されて欲しかった
母親に大事にさえ、されていれば、きっと真面目に正しい生き方を送れていたんでしょう
この漫画の登場人物が抱えていたのは皆純粋な気持ちでそこに悪意は無かった
みんな血の通った人間だった
逆に言えば、
感情があるから皆辛いんだろうな、、、とも感じましたね
ハルが最後に選んだのは自死を遂げて罪悪感を清算するという最期でした
それが不幸だったのか、逆に精神的苦痛から解放されて幸福だったのか・・・は分かりません。

ただ、一つだけ言えるのは、「彼女は確かに愛されていた。」
それだけですね。



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