絆

さて全国３６８億人（このネタわかる人いるのか？）のネクサスファンの皆さん、お待たせしました。

ネクサスはウルトラの世界に新たな風を巻き起こした作品。今まで以上に世界観が濃密に描かれており、その内容もよりハードな展開となっている。大河ドラマのような形式で各話が構成され、ストーリーに隠された数多くの謎解きもひとつの魅力である。怪獣ではなく「異生獣」＝「スペースビースト」の出現。闇のウルトラマンの存在。ＴＬＴの謎。様々な物語が交差して一つの壮大なドラマを作り上げていった。

そもそも企画自体は２０００年当初、「ＹＥＬＬＯＷ　ＥＹＥＳ」として誕生していた。ウルトラマンの目の色と「警告」を意味するこのタイトル。「警告」とはかつてウルトラマンを楽しんでいた子供たちが成長するに連れ、徐々にウルトラマンから遠ざかっていくことへの「警告」であった。親も子供を無理やりウルトラマンを卒業させる。そこで「大人でも楽しめるウルトラマンを」とこの作品は製作予定であった。しかしあの９・１１同時多発テロが発生。現実がフィクションを超えてしまったのである。それによりウルトラマンの暴力性を描いた「ＹＥＬＬＯＷ　ＥＹＥＳ」は中止となってしまった。そしてそれは新たなウルトラマン像を生み出す「ＵＬＴＲＡ　Ｎ　ＰＲＯＪＥＣＴ」として復活を果たした。映画「ＵＬＴＲＡＭＡＮ」と連動して雑誌やテレビシリーズへと繋がるという一大計画だった。しかしネクサスは対象年齢が高く、子供にはわかりにくい作品となり、短縮を余儀なくされてしまう。だがこのチャレンジは決して無駄ではなく、後のウルトラシリーズに必ず名声を轟かす作品になると私は信じている。