ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
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「あんハピ♪」を見て

2016-06-28 07:29:20 | 2016年アニメ
2016年の春アニメ「あんハピ♪」を見ました。

 不運に不憫、不健康。様々な「負の業」を背負った少女たちが集められた「天之御船学園1年7組」。そこに在籍する花小泉杏、雲雀丘瑠璃、久米川牡丹、萩生響、江古田蓮たちは、小平先生やロボット・チモシーのもとで「幸福」になるための様々な授業を受けることに・・・という物語。
 実は最初の頃は、小平先生の不穏な発言や、チモシーの存在から「日常系からとんでも系になるんじゃないか」と不安になっていました。多分あの学校で暮らす作品の影響もあったと思います。結局あちらは1話しか見てません(汗。

 そんな感じで最初は不安でしたが、いつの間にやら今期アニメの中で一番好きな作品になっていました。何といっても杏の魅力が半端無いです。ツッコミ担当ということもあって瑠璃が話す機会が多いので、彼女がメインなのかなと思った時もありましたが、この作品を支えているのは杏のポジティブさであると、話が進むに連れて気づかされました。
 犬を助けて自分が川に落ちても、犬が無事だったから良かった。箱庭で鬼ごっこさせられてあわや崖から落ちそうになったのに、皆で鬼ごっこできて楽しかった。罰ゲームの野宿も皆とのキャンプということで楽しい思い出に変えてしまう。誰よりも不運な杏ですが、誰よりも明るく元気に日々を過ごしており、その輝きが失われることなく最終回まで明るい笑顔を見せ続けてくれました。まぁ胸部に関しては若干暗い顔になっていましたが(汗。

 杏を注目するきっかけになったのは、第6話の昼食時、瑠璃が両親の都合で1人暮らしということが明らかになったシーンです。瑠璃は「だからって別に寂しいとかは・・・」と言いかけるのですが、杏は「いいなー!お父さんとお母さんが雲雀ちゃんを凄く信頼してるってことだよね!」と笑顔で瑠璃に告げます。この発言は目から鱗でした。「1人で大丈夫?寂しくない?」でも「今度うちに遊びに来てよ」でもなく、「家に1人でいる」ということを「両親が信頼している」ということに繋げられる発想は私にはありませんでした。
 そんな杏のポジティブな考えと、あふれ出る笑顔こそ、この作品最大の魅力だと私は思います。アンハッピーなんて気にしない、楽しかった時間だけ覚えておけばまだまだ面白くなる・・・OPとEDの歌詞も心に響きます。

 第1話と最終話で、家を出る瑠璃の顔はまるで違っていました。相変わらず不憫で、あれこれ予想だにしない出来事に巻き込まれる瑠璃ではありますが、杏たちと一緒にいるその時間を楽しんでいました。遅刻しそうになったけれども、友達と一緒に登校できて良かった・・・最終回でチモシーに見せた瑠璃の笑顔からは、そんな雰囲気がありました。
 自虐が多い牡丹も最終話では体を張って杏と牡丹を助けようとしていましたし、方向音痴の響も大事なところでは迷わず、道を外れない。蓮は最初から最後までイケメンでした(笑。
 当初はどこか掴みどころの無い雰囲気があった小平先生も、話が進むに連れて幸福クラスの担任に相応しい、非常に頼りがいのある人物だと分かってきました。時に厳しいことも言いますが、何だかんだで生徒たちの幸福を願う優しい先生です。
 マスコット的なチモシーは終盤中の人と思しきキャラクターが登場しましたが、本格的な登場はせず・・・ぜひとも2期をやってもらいたいところです。


 アニメを中盤までみたあたりで原作を買い始めたのですが、響や蓮、チモシーの登場時期が遅かったり、アニメで5人で行動していたシーンが原作では杏、瑠璃、牡丹の3人だったりと、あれこれ違いが見受けられました。アニメはそれでいて原作の雰囲気を崩さず、上手く話を組み合わせたり改変しているなぁと感じました。8話はバトルアニメだっけかと見間違うほどの演出で、挿入曲も相まって非常に熱い仕上がりになっていました。

 曲といえば、OPとED共にいい曲で、特にOPは何度もリピートするぐらいにはCDを聞いています(笑。明るく楽しいOPから始まり、落ち着いた雰囲気のあるEDで締める。これから始まるワクワク感のあるOPと、今週も終わったんだなぁという余韻に浸れるEDの組み合わせは最高でした。
 最終話では先にEDが流れ、後にOPが流れましたが、この演出もまた良かったですね。林間学校が終わったということをEDを流すことで感じさせつつ、OPを流すことで再び杏たちのはちゃめちゃな日々が始まることを予感させる。そんな終わり方でした。

 チモシーの中の人の話も含めて、ぜひとも2期をやってもらいたい作品です。本当に素晴らしい作品をありがとうございました!
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「ふらいんぐうぃっち」を見て

2016-06-28 07:26:31 | 2016年アニメ
2016年の春アニメ「ふらいんぐうぃっち」全12話を視聴しました。

 15歳になった真琴は魔女のしきたりとして独り立ちのために家を出ることに。けれども親から高校は出ておくようにと薦められ、青森県弘前市にある親戚の倉本家に居候することになった。兄の倉本圭と妹の千夏、真琴の姉である茜らを中心に、真琴の魔女として、女子高生としての日々がのんびり、まったりと描かれている作品です。

 魔女や魔法というと、人の世界から遠く離れたことのようにも思えますが、この世界の魔女は真琴を初めとして日常の中に溶け込んでいます。EDテーマのタイトルが「日常の魔法」ということもあり、日常生活の中にあるちょっと不思議な物語、といった感じですね。空を飛ぶクジラも普段は雲に擬態しているとのことでしたから、もしかしたら気づいていないだけで、すぐそばに魔女や魔法、不思議な存在はいるかもしれないと思わせてくれる作品です。

 おっとりしていながらも意外と活発なところもある真琴、魔女の世界に興味津々でいつも楽しそうな千夏、女子力が高い圭くん、ゲストキャラかと思ったらすっかり居ついていた茜、たんげタイプだった犬養さんなどなど、どのキャラクターも好ましく感じました。出会う人がみんな優しくて、見ているこっちまで暖かい気持ちになれます。
 そうしたキャラクターの仕草にもこだわりが随所に見られました。露出は無いのに仕草や描き方だけで、どことなーく色気を感じさせるというのも凄いと思います。

 ゆっくりとした気持ちで視聴しているのに、気づけばED・・・と、時間の流れを忘れて楽しんでしまうこともしょっちゅうでした。楽しい時間は過ぎるのがあっという間、というのを身をもって体感する作品ですね。

 入学式に始まって、ねぷたで終わったということは、全12話の中で過ぎた時間は3ヶ月程度。つまり放送時期とほぼ重なっています。満開の桜、畑やりんご園での作業、ねぷたの記事が新聞に載っているのを見て「今年もそんな季節か」と、劇中の登場人物のみならず、視聴者にも感じさせてくれます。
 アニメではあるけれども、リアルと時間を合わせることにより、まるで一緒の時間を過ごしているようにも感じられるし、彼女たちをより身近に感じられる・・・そうした不思議な感覚があったと、最終回を見終わって感じました。

 いいところがありすぎて、これだという一点には絞れませんが、次に放送する機会があれば、夏から秋、秋から冬といった感じで、また一緒に季節を過ごさせて欲しいと思います。ありがとうございました! 
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