オーディオの基本は「スピーカー」だと思う。どのスピーカーにするかで「表現の世界」が決まってくる。
工作アンプの試聴や録音製作の現場ではその用途に応じたSPが使われる。一般に言われる「スタジオモニター」と云うSPがそうです。
スタジオモニターにも色々あって「プレイバックモニター」と云う大型のSPが特にマニアの方の注目が高い様です。
いくら高価なアンプやケーブルを使っても最後は「SPから出て来る音」が総合力になります。だからSPの選定に特に気を使います。大きさも有りますのでそうそう簡単に入れ替えもできません。
40年くらい前は「コンポーネントSP」(コンポ)と云って、ウーハーやスコーカー、ツィーター、ネットワーク、エンクロージャーの各ユニットを組み合わせて作っていたものです。
自作となると「作りが悪い」とか「メーカー製に及ばない」とかの事がステサンとかで言われて次第に自作する人が少なくなりました。
各云う私もオーディオを始めた時は全くの素人でメーカー製のSP、アンプ、ADプレーヤーを長らく愛用していました。サラリーマン時代はそんなに突っ込める時間も資金もなくて当然な事です。
4年前に起業して「オーディオ」で事業をするようになりますと毎日毎日が私にとって「技術革新」の日々でした。
特にJBLの「オリンパス」との格闘はノウハウを得るのに有意な時間でした。この1970年代のフラッグシップの一つのSPは簡単には良い音で鳴ってくれません。この頃のJBLは「フラッグシップは鳴らない」で有名でした。沢山の方が挑戦し放り出した話をよく聞きました。
その後出たDD55000やK2 S9500SE辺りからJBLのSPの完成度が増し、「来たその日からまともなサウンドが聴けるようになった」との評価を得始めました。#375のエネルギー感あふれるサウンドからは遠のいて「聴き易さ」の方向に向いたのだと思います。
この点ALTECは意外と最初から聞き易いバランスをしていました。バイタボックスもそうです。
オーディオをやるなら「いつかは#375」と自分は思っていましたので、この375を手なずける方法を「オリンパス」で追及して行きました。その結果「伝送ロス対策」をする事で圧倒的なパワー感をそのままに低音と高音をバランスさせ「聴き易さ」も併せ持たせる事が出来ました。
今では中古品でないと「コンポーネントSP」は難しい時代になりましたが、メーカーが持てなかった技術を発見し、古いSPで最新のSPで出せない表現の世界を作り出すのは楽しいものです。
メーカー製のSPでは大きな「妥協」が有ると思います。コストの面と技術の方向性が常に付きまといます。
JBL #375 のサウンドは決して「ジャジャ馬な音」では有りません。そう云う風に鳴らす事も出来るだけです。