Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

1960年代初期のSPのフラッグシップモデル

2017年10月10日 | ピュアオーディオ
個人的にはスピーカーは1960年代初期のフラッグシップモデルで、家庭用のSPは完成の域に達したと思っている。その頃のフラッグシップSPにはどんなものが有るかと云うと、JBL:ハーツフィールド・パラゴン・オリンパス・ソブリン他 ALTEC:A5・A7・612(604E)他 タンノイ:オートグラフ他 ボザーク:B-410ムーリッシュ他 バイタボックス:CN191コーナーホーン EV(エレクトロボイス):パトリシアン他 マッキントッシュ等々・・・今でもマニア懸垂の大型SPの名器たちである。中には「高級家具」を思わせるモノも有る。

1960年頃と云うと今から60年前の商品である。それらを現在も使い続けていらっしゃる方もいる。その頃のフラッグシップモデルのSP達は、使い続けてさえ有れば「壊れない」モノが少なくない。現在の様に「ウレタンエッジ」は使っていない。

SPシステムの理想はその頃のSPに有る様に思う。片や最近のSPはプラスチック製のトールボーイ型のシステムが多い。金額はバカ高くても20㎝口径のユニットが使って有り、SPと云うより「調度品」と云った風情のモノが多い様に思う。時代の流れの中でスタイルも変わり、性能も変わってきたように思う。しかし、フラッグシップモデルのSPについては「退化」したと言わざるを得ないと自分は考える。

1960年代初期のフラッグシップSP達はそれぞれに強烈な音の特徴を持っていた。それは部屋も選ぶし、使い手のスキルも要求するものであったと思う。それらのSPは一度聴くと記憶に鮮明に残る印象が有る。例えばボザークのB410ムーリッシュは部屋を突き抜けて奥に立体的に広がる音の広がり方と、精緻な構築物を思わせる音の「建築物」を感じる。クラシックのオーケストラなど「演奏会」で聴いている様な感覚になる。

JBLハーツフィールドもオールドJBLの良いとこ取りをした様な爽快なサウンドを出してくれる。タンノイ:オートグラフもオーケストラの弦楽器奏者が増えた様に奏でてくれる。各SP共に「ある分野」をターゲットに開発されている様なので、その分野の音楽とマッチすればそのままで素晴らしい「音楽」を聴く事が出来る。

ただ良い事ばかりでもない。「万能型」ではない。どんなソースもSPの主張するサウンドで出してくる。聴く側がそのSPに寄り添う様な聴き方を求めて来る処が有る。