やはりオーディオの要はスピーカーだと思う。スケール感はSPで決まる傾向が強い。質感はCDPやアンプで決まる傾向にある。一概にこうだとは決め付けられないが概ね前述の様な傾向が有る。
「音のスケール感」は表現力とも直結する処だが、「低域の再現性」でほぼスケール感が決まる様だと捉えている。SPの大型、中型、小型と云う分類はこれだと決まった分類はない。サイズ的は大まかに云われているモノで、38cmクラスウーハーで、1m×1m以上の横縦幅を持ち、奥行きも50cmを越える様なサイズのSPを大型と捉え、同じ38cmでもややサイズの小さいモノ(ハーフモニター)を中型と呼び、30cm以下のウーハーユニットを使ったモノを小型SPと私は考えている。25cm、20cmクラスのウーハーを使ったシステムは、全体的に小型SPの範疇であり、20cmウーハー以下のシステムはミニSPと捉えている。大型SPにも超大型システムが有る訳で、専用の大きな部屋でなければセット出来ないものも有る。
サイズ的分類とは別に性能的な分類も出来る。どちらもやはり「低域の再現性」が決め手になって来ると思う。「スケール感」は如何に「量感」や「重低音」を出せるかで有る程度決まって来る。現在の住宅事情で、大型SPもサイズ的に縮小の傾向にある様に思う。
部屋が狭ければ大きなSPは置けない。スペース的な問題が有る。おまけにAVとの関係でSPがトールボーイタイプにトレンドしている。音のヌケや廻り込み性能は非常に良いが、全体的に「音場型」の再生になり易い。「音場型」が好きな方はトールボーイイ型SPでも良いと思うが、「オールインワン」で作られたSPが多いので、後で手を加える事は非常に難しくなっている。
「生演奏」(原音再生)を目指す方には大型SPの持つ「スケール感」や「エネルギー感」が非常に大きな要素を持って来る。自分の目的に合わせてSPを選ぶ事が大切である。使いきれないモノより自分で使い切れるモノの方が良いだろう。だたこの趣味は延々と一生続けて行くものだろうと思う。人間は同じモノとマンネリに飽き易い。継続してSPシステムを「成長」させる様なスタイルが望ましいと私は考える。短期的にこの趣味のゴールは得られない。