今回のタイトル、流石に塩竃神社関係者に怒られそうです。
塩竃神社境内末社である御釜神社(祭神・塩土老翁)の御神体は塩竃神が塩を作ったと言われる塩竃です。元塩竃神社的存在の鼻節神社周辺で塩竃神が塩を作っていたとの伝承も残っています。塩竃の塩は海水から作った塩。そんなの疑う方がどうかしています。
しかし私は、あえて鬼渡神で神道を考えるようにしています。そして私は福島県生まれです。だからどうしても塩竃の「塩」は間違っていて「瀧」だったのではと思うのです。否、「塩」は間違いと言うより、「塩」にしちゃって誤魔化したのが正解でしょうか。
その理由は福島県が香川県と並んで日本で一番塩竃神社の数が多いのです。神社庁に登録されているその数は19社です。それに比べ塩竃神社総本社が鎮座する宮城県は4社しかない。勿論、神社庁に登録されていない社もあると思いますが、この違いはどう言う事か。
しかも福島県小野町に鎮座する塩竃神社の方が宮城県塩竃市の塩竃神社より古いとの話がある。これが不思議なのです。小野町は山の中にあるので。否、不思議な事に福島県の塩竃神社の多くは山の中にあります。塩は海で作られるのに。
岩手県陸中一ノ宮の駒形神社境内にも塩竃神社があります。本殿の駒形神社よりも境内社の塩竃神社の方が古い。この駒形神社も内陸部にある。
総本社の塩竃神社から分霊されたと聞いていますが、何故、海の塩竃が内陸部の地に分霊されるのでしょう。これが判らない。
最初に考えたのは「温泉から塩を作っていたからではないか」です。実際、温泉から塩を作っている地域が福島県にあります。
当然、温泉は塩化物泉です。日本では単純泉に次いで多いとされる塩化物泉ですが、湯量では50パーセントを占めます。
海岸線の温泉地で多く産出されますが、福島県は元々が海だったからなのか山地からも多く出ます。裏磐梯、柳津、羽鳥高原、喜多方、熱海、会津坂下等々の温泉地がそうです。
でも塩化物泉から塩を精製するのは大変です。海水に比べれば塩分は大幅に少ないので。実際、塩化物泉から作った塩を見たことがあるのですが、確か100gで1000円だったと記憶しています。
勿論、私はそんな高いの買いません。これっ、ぼったくりと言うより、それだけ塩化物泉から塩を精製するのが大変だからだと思えます。
古代の事情ですから断言は出来ませんが、海岸沿いで海水から塩を作って人力や馬で塩を運んだ方が効率が良いと思うのですが、どうでしょう。
古代ですから海の民と山の民の仲が悪かった可能性もあります。でも福島県の妖怪・手長は山の頂上に座って長い腕で海の貝を拾って食べていたとの伝説があります。これは手長、或いは手長足長の部族が海と山に存在し、往来しあっていたと考えられます。
そう考えると山で温泉から塩を作るメリットがやっぱり薄れます。やはり山に塩竃神社があるのは変だと思います。
続く。