諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

少女漫画「キャンディ・キャンディ」は、究極の聖婚ストーリーだったのでは。その6

2020年10月23日 00時20分20秒 | 読書
これからはやっつけ仕事となります。続きです。

ラガン家で苛められ、エルロイからは嫌われたキャンディがアードレー家の養女に迎えられる。

そのセレモニーか何かは忘れたが、アンソニーは狐狩りに参加。落馬して命を落とす。

これっ、矛盾していますよね。バラの品種改良が趣味のアンソニーが、多数の猟犬を使って狐を追い立て、残酷に殺す狐狩りを行なうなんて。

あの心優しいアンソニーがですよ。急に人が変わった様に狐狩りをする。これは変です。矛盾しています。今までのアンソニーは何だったのかと言いたくなります。もしかしたらアードレー家の血の二面性を表現したのか。

私、思うのですが、これは旧約聖書の「カインとアベル」の関係をを表現したかったのかも。

「カインとアベル」はアダムとイブの息子達です。兄・カインが農耕民、弟・アベルが遊牧民と考えられます。

この二人が絶対神ヤハウェに貢物を捧げる。カインが農作物、アベルが子羊。ヤハウェは子羊を喜び、農作物には気にも留めなかった。

それに嫉妬したカインはアベルを殺す。それが人類初の殺人となります。

バラの品種改良が趣味のアンソニーはカイン。動物好きのアルバートがアベルのイメージですが、急遽、アンソニーに狐狩りをさせてアンソニーをアベルに仕立てたのかも知れないです。

其れは兎も角、その二人がキャンディに貢物を捧げた。アルバートは養女と言う地位。アンソニーはスイートキャンディと言う名のバラ。

それぞれ、キャンディへの愛がこもっていた。そしてキャンディが喜んだのはスイートキャンディ。アンソニーの愛だった。

それに嫉妬するアルバート。アンソニーの殺害を決意し、アンソニーの乗る馬に興奮剤を仕込む。

スカンクを肩の上に乗せて飼っている程のアルバートなら、動物に精通している。その位の芸当は容易い。だから作者はアルバートにアンソニーを殺させる為にも狐狩りを急遽考えたのかも知れない。狐狩りは重要な伏線なのは間違いないと思う。

そして、アルバートの異常性を知っていたエルロイ。直ぐにアルバートの犯行だと見破るが、アードレー家の今後を考えればアルバートの犯行は隠したい。

しかし、怒りは抑えられない。悪魔の子・キャンディがアードレー家に近付かなければ、アンソニーは死ぬ事は無かった。故に「お前のせいでアンソニーは死んだのだ」とキャンディを罵ったのではないでしょうか。

後にアンソニーの死のショックでアードレー家を離れるキャンディ。ナースとして自立する。

キャンディの勤める病院に列車事故で記憶を失ったアルバートが運ばれて来る。キャンディは自分の部屋でアルバートを介護する。そして何故かアルバートはキャンディの元から失踪する。

これはキャンディの口から人気俳優であるテリィの存在を知る。そしてキャンディを愛していた自分の記憶を取り戻したから。

記憶が戻った。それは神の蘇りを示したと言えます。これもアルバートが神であるとする伏線です。

キャンディを手に入れる為に、愛する姉の子・アンソニーまでも殺したアルバートなので、テリィの存在も許せない。テリィを殺害する為にキャンディの元を離れた。

時を同じくして、テリィは念願だった「ロミオとジュリエット」のロミオ役を手にする。ロミオ役をテリィと争った俳優の描写を印象深く書いていましたが、その俳優はテリィに対して強い憎しみを抱いていた。

その俳優にアルバートが何らかの関わりを持って、テリィを殺害する計画を企てた。


続く。


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4 コメント

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アルバートさんが殺人鬼ですか (みなみ)
2020-10-23 21:14:17
しかも甥っ子まで手にかける。
甥っ子、お説によると愛する女性の息子ですよ。
…私はそこまでは考えられません。
細かいことを言うと、テリィとは、ロンドンでキャンディ抜きで知り合っています。
テリィが夜の街で酒飲んで喧嘩した時に、アルバートが加勢し助けました。
照明落下事故は確かに、誰かの故意だと噂があります。
誰か…ライバル役者か、とにかく劇団内のライバル。
そこにアルバートさん黒幕ですか…ないな。
否定して、すみません。
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受代苦。 (綱永井寵生)
2020-10-23 23:10:06
みなみさんへ

イザナギ命・イザナミ命は最初の子・蛭子神を海に流し、最後の子・カグツチ神を切り殺しています(出産でイザナミ命が亡くなったので)。

親が子を殺す。その罪を人に代わって神が背負う。それが受代苦です。

イエスもユダヤ教のラビ達にエクソシストとしての能力を嫉妬され、安息日を守らなかったとの理由で殺されましたが、それも人間の嫉妬と言う罪を神が背負ったと言えます。

人間には誰しも善と悪があります。あのアンソニーでさえ、狐を殺す事に喜びを感じていた。神であるアルバートも嫉妬の心を隠している。

それを暈しながら表現したストーリーだと私は感じました。
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きつね狩り (みなみ)
2020-10-24 09:20:45
文化なのでしょうが、残酷ですよね。
アンソニーの死の直前の言葉が、キャンディに掛けた、
(きつねを見付け)「君の襟巻だ。僕の腕前を見て」ですよ。
アンソニーらしからぬ得意な表情で。
動物好きなキャンディも
「アンソニー、頑張って」
と答える。この時点で、異様な事態なのでしょうか。
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二面性。 (綱永井寵生)
2020-10-24 15:28:07
みなみさんへ

狐狩りは猟ではないです。とても残酷な娯楽です。それに興じるアンソニー。応援するキャンディ。それはアンドレー家一族の二面性を示している。

悪のニール・イライザ。善のステア・アーチ。その両面を持つアンソニー。アルバートに接しながら、アンソニーに染まったキャンディ。

キャンディを養女として迎えたアルバートは動物好き。狐狩りは嫌う筈。そこにキャンディを巡るアンソニーとアルバートの敵対が感じられます。

私は忘れていましたが、アルバートとテリィにはやはり接点が有ったのですね。そうするとやはりテリィ暗殺にアルバートが一枚噛んでいる感じがします。

神は傲慢。気まぐれ。そして陰湿。欲しいものは必ず手に入れる。そして自分の意にそぐわない者は絶対に許しません。キリスト教系の神は妥協もしません。

その事を考えると、やはり全てはアルバートの計画通りと考えてしまいます。

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