令和4年11月25日
総務省検討
脱炭素化の地財措置拡充=地域おこし協力隊も
総務省は、地方自治体が地域のグリーン化や地方への人の流れの強化といった重要課題に対応するための地方財政措置の拡充を検討する。
公共施設の脱炭素化や、地域おこし協力隊、民間事業者の地域密着型の起業を支援する「ローカル10,000プロジェクト」といった取り組みへの支援強化を想定。
2023年度の地方財政対策に向け、具体化の作業を進める。
松本剛明総務相が、22日に開かれた政府の経済財政諮問会議に示した。
デジタル変革(DX)への対応として、地域のデジタル化の財政需要拡充と、
マイナンバーカード交付率の普通交付税算定への反映を検討することも説明した。
地域のグリーン化を巡り、総務省は22年度、「公共施設等適正管理推進事業費」に「脱炭素化事業」を4年間の措置として創設。
自治体が所有する公共施設に太陽光発電を導入したり、省エネルギー改修などを行ったりする場合に支援を講じている。
政権が脱炭素化を進める中、さらなる対応を検討項目とした。
人口減少に直面する中、地域への人の流れの創出に向けては現在、地域おこし協力隊の隊員活動経費や
「ローカル10,000プロジェクト」の取り組みなどについて、特別交付税で支援している。
総務省は、現在約6000人の協力隊員数を26年度に1万人まで増やす目標を掲げており、
地方財政措置の拡充による対応強化を模索する。
22日の諮問会議ではこのほか、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化の推進に向け、
「緊急防災・減災事業債」の拡充も検討課題に挙げた。
地方財政制度は、
地方交付税、地方譲与税、国庫支出金等の財源移転を通じて、その運用、制度において国の財政制度と密接な関係にある。
地方財政法に地方財政運営の基本が定められており(地財2)、地方公共団体は、地方財政につき健全な運営に努め、
国の政策に反し、又は国の財政若しくは他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならないこととされている。
ローカル10,000プロジェクトの推進について
産学金官の連携により、地域の資源と資金を活用して、雇用吸収力の大きい地域密着型事業を全国各地で立ち上げる「ローカル10,000プロジェクト」を推進しています。
具体的には、地域金融機関等から融資等を受けて事業化に取り組む民間事業者が、事業化段階で必要となる初期投資費用等について、
地方公共団体が助成する経費に対し、地域経済循環創造事業交付金を交付します。