ヌマンタの書斎

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次期FX選定問題

2007-09-15 14:19:55 | 社会・政治・一般
少し旧聞に属するが、気になっているのが次期FX選定問題だ。

私は平和を守るためには軍事力が必要不可欠だと考えている。民主主義国家における有権者の一人として、その納めた税金がどのように使われるかも、当然に関心がある。

海に囲まれた日本の国防は、必然的にシーレーン防衛が中心となる。非常に広大な範囲を守る意味で、次期主力戦闘機の選定は、非常に重要な問題だ。

少し前までは、アメリカの新主力戦闘機F‐22ラプターで決まりと思い込んでいた。ところが、海上自衛隊の機密漏洩事件を契機に、アメリカが輸出に待ったをかけた。当時は利権政治屋が我が国の防衛大臣であったため、それを厭うての嫌がらせかとも勘ぐったが、どうも違うらしい。

なんとアメリカ議会は、日本のみならず他の同盟諸国にもラプラーの輸出を禁じてしまった。その一方で、海軍の新型VTOL機F-35Bを勧めてきた。どうなっているのだ?

改めてF‐22ラプターについて考えてみると、まさに日本の国防向きの機体だと思う。レーダーに映りにくいステルス性がクローズアップされているが、このラプターの一番凄いのは超音速巡航性能。従来の戦闘機は最高速こそマッハ2以上出ても、それはアフターバーナーを吹かせてのこと(つまり燃費が悪い)。巡航速度はそれほど高速ではない。

ところが、このラプターに搭載されたエンジンは、巡航速度が超音速で可能だという。詳細な性能は明らかにされていないが、ステルス性能をあわせて考えれば、桁外れの高性能だと考えていいと思う。

日本の防諜能力が、極めて低いことを考えると、アメリカがラプターの機密事項が中国やロシアに漏れるのを畏れて、輸出禁止措置を講じたのも当然だと思う。しかし、広いシーレーン防衛を考えると、ラプターは日本にとって理想的主力戦闘機であるのも事実。

一方、今回アメリカの大使が新たに勧めてきたF‐35Bはどうだろう。これはハリアーの後継機だと言われている。戦闘機としては低速なハリアーと異なり、超音速飛行が可能であり、滑走路を必要としないだけに汎用性は高い。ただし、航続距離は1000キロ程度と短い。

細く狭い国土の日本では、まず実戦投入はありえず、高額なわりに軍事的価値が低い戦車(今の日本に必要なのか疑問)よりも、VTOL機のほうが遥かに国防に役立つと思う。思うが、F≠P5の代替機とはなりえない。それを承知で日本に勧めるとなると、アメリカは一体日本の今後の国防をどう考えているのだ?

今年完成した海上自衛隊の新型護衛艦は、見かけは空母だが中身は揚陸艦だ。つまりジェット戦闘機の離発着は不可能だが、ヘリ空母にはなる。しかしながら、カタパルトがなくても離発着が可能なVTOL機なら搭載可能かもしれない。まあ、実際は整備システム、管制機能などの大幅な改装が必要不可欠だが、F‐35Bの搭載は不可能ではない。

私は新型護衛艦は、アメリカの補給部隊としての役割を担っているはずと考えていたが、もしかしたらVTOL機及び対潜ヘリ空母としての活用を目指しているのかもしれない。

アメリカは日本の自衛隊を、アメリカ軍極東支援部隊として位置づけていると思う。F≠R5の推奨は、自衛隊の海外でのアメリカ軍支援をますます拡げる一環なのだろうか?

F-22にせよ、F‐35Bにせよ、従来機の数倍の超高額戦闘マシーンだ。今後経済規模が縮小していくと考えられる日本の財政事情を考えれば、そうやすやす買えるものではない。高齢化社会を迎えるための福祉予算は膨大する一方なのも目に見えている。

護憲だの9条だのと戯れ言吹いてる暇があるなら、もう少し真摯に国防予算の使い方を考えて欲しいものだ。
コメント (15)
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