ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

喝采 ちあきなおみ

2008-02-01 17:33:03 | 日記
喝采


吉田 旺 作詞
中村泰士 作曲


いつものように 幕があき
恋の歌うたう私に 届いた報せは
黒いふちどりが ありました
あれは三年前 止めるあなた駅に残し
動きはじめた汽車に ひとり飛び乗った
ひなびた町の 昼さがり
教会の前に たたずみ
喪服の わたしは
祈る言葉さえ 失くしてた


つたがからまる 白い壁
細いかげ長く落として ひとりの私は
こぼす涙さえ 忘れてた
暗い待合室 話すひともない私の
耳に私の歌が 通りすぎてゆく
いつものように 幕があく
降りそそぐライトの その中
それでも わたしは
今日も恋の歌 うたってる


先週末、仕事で疲れた身体を湯船で休め、風呂上りに何気につけたTVから流れてきたのが、ちあきなおみの「喝采」だった。

驚いた。知っている歌ではあるが、歌詞をじっくり読んだことはなかった。こんな哀しい歌だとは知らなかった。「報せは、黒いふちどり・・・」子供の頃に聴いていた時は、その意味を考えていなかった。TV画面のテロップで流れる歌詞を読み、初めてその意味を知った。

わたしは昔読んだ本の再読を楽しみにしている。子供の頃あるいは十代の頃に読んだ時とは違う感慨を味わいたくて、わざわざ探し出して本の再読をしている。子供の頃は分らなかったこと、人生を積み重ねてこそ分ることって、確かにあると思う。若い頃、何気なく聴いていた歌にも、それはあるようだ。

長い人生のなか、誰もが一度や二度、制止を振り切って我が道を進んだことはあろうと思う。心の奥底に後悔を押し隠し、日々の暮らしを忙しなく過ごすうちに、その後悔は忘れてしまう。でも、突然の報せが、押し隠していた後悔を浮かび上がらせる。

もしかしたら、そんな日が近い将来訪れるかもしれない。それでも、それでも私は自分が選んだ道を進んでいくしかないのだろう。そんな予感を感じさせた週末でした。
コメント (8)
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