ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「11人いる!」 萩尾望都

2008-02-28 14:00:35 | 
予定外の出来事が闖入してくると、あたふたしてしまう。

子供の頃からそうだった。予期せぬ出来事が、突然に割り込んでくると、軽いパニックに襲われた。なにより、口調にその動揺が現れた。自分でも何を喋っているか分らないくらい、言語が不明瞭になる。アワワッて感じかな。

さすがに、この年になると改善されたと思うが、それでも言語不明瞭の悪癖は完全には消えない。

だからこそ、物事を落ち着いてさばける冷静沈着さに憧れた。その一方、予定外の椿事が起こらぬよう、状況を的確に分析して、予測することを習慣ずけるようになった。予測された事態なら、慌てずに対応が出来るからだ。

やはり山登りの経験が大きく役立った。自然という奴は、ある程度の予測は可能だが、思いもよらぬ突発的現象が起こることは珍しくない。どんなに事前の準備をしっかりしても、いざ山に入れば予想外の出来事はいくらでも起きる。そのなかで、二つ学んだことがある。

一つは、冷静に物事を観察することだ。堅くいえば平常心って奴だ。私は心のなかで、「だからどうした」とうそぶくことで平静を保つようにしている。ちなみに元ネタはアッテンボロー(笑)

もう一つは、勘を信じろ。緊急時には、ゆっくり考えている時間はない。そんな時こそ、長年の経験で培われた勘がものを言う。知識と論理的思考をないがしろにするつもりはないが、このあやふやなる勘という奴には、ずいぶんと助けられたのは事実だ。

ま!それでも予測不可能な突発的ハプニングは起こるし、いつも完璧な対応ができるはずもない。そんな時は、ひらきなおって「まあ、起きちまった事は、しゃーねえな」と泰然とこぼして苦笑いで誤魔化すわな。

表題の作は、虚空に漂う廃棄された宇宙船を舞台にしたSFミステリー漫画。舞台設定も新鮮だったが、ストーリー展開も鮮やかで、最後まで気が抜けない。今や古典的といっていい名作だと思う。

続編もあるが、私は本編のほうが好きだな。
コメント (6)
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