ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「酎ハイれもん」 しのはら勉

2008-02-14 12:19:27 | 
はじめて飲んだお酒はウィスキーだった。

あれは小学校6年の移動教室のバスのなかでの出来事だった。当時、私は車が苦手だった。どうしても車酔いしてしまうからだ。移動教室は行きたいが、車のなかで吐くのは容易に予想できたので、その不安を先生にこぼした。

すると先生は、酔い止めのクスリと称して、サントリーのダルマを取り出して、金属性のキャップにウィスキーを注ぎ、私に飲むように言った。

初めて飲む洋酒は、琥珀色の液体で、ツンとした香りが怪しかった。が、勇気を奮って一気に飲み干した。味は思い出せないが、のど元が焼けるような記憶が残っている。

1時間以上バスに乗れば、必ず吐いていた私だが、クスリ(ウィスキーだが)が効いたのか、車酔いもせずに日光までの道中を無事こなした。

今にして思えば、心理的なものだと思うが、以来ウィスキーを特別な酒だと思い込むようになった。素行が悪く、タバコより先にシンナーを吸ったぐらい(すぐ止めた)の私だが、不思議と酒は好まなかった。どうも、酔い止めのクスリだと頭にインプットしてしまったので、気軽に酒を飲む気持ちになれなかったからだ。

多分、本能的に酒(アルコール)に弱いことを感じ取っていたのだとも思う。実際今でも、酒そのものを美味いと思うことは少ない。でも不味い酒は、すぐ分るから不思議。

ただし、酒を嫌いなわけではない。私にとっては、酒は食事を美味しくいただくために飲む。寿司なら日本茶でもいいが、やはりウーロン茶では物足りない。フレンチやイタリアンなら、やはりワインがイイと思う。ただし貝料理だけは、日本酒がいい。貝とワインの組み合わせは、どうも好きになれない。

日本酒はそれほど好きではない。むしろ焼酎がイイ。お湯割りでも、ロックでもいい。一番好きなのは、やはり酎ハイだ。

酎ハイの味を覚えたのは、高校生の頃だ。放課後、友達と連れ立って下北沢へ行き、パチンコで稼いだり、負けたりして財布に余裕があれば、安い居酒屋に駆け込んだ。一人1000円から1500円程度で飲むので、どうしても安い酒を選ばざるえない。当時は今より焼酎が安く、それをサワーで割ってレモンを浮かべた酎ハイ・レモンがお気に入りだった。

以来20数年、いまだに酎ハイが好きだ。昨今流行のグレープフルーツ割りも美味しいと思うし、ライム割りもけっこう好き。でもやはり、最後はレモンに戻るかな。一番さっぱりしている。なによりも後に引かないのがいい。

表題の漫画は、日本版ポパイとでも称すべき破天荒な刑事が主人公。ラグビーで鍛え上げた巨体と、溢れんばかりのヴァイタリティで大暴れした後、やり切れぬ想いを酎ハイで飲み干し、一日を終える場面が好印象。たしかに、一仕事終えた後の一杯は美味しいものです。もっとも、あれだけ暴れれば、始末書の提出に追われるのだろうなと、妙な心配してしまう。

ちなみに、酎ハイ5杯一度に頼んだことはない。いや、ちまちま注文するのが嫌で、いきなりウーロンハイ5杯頼む友人がいるもんで・・・
コメント (4)
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