リバプールという港町がイギリスにある。
たいがいの人は、ビートルズの生まれた街として思い出される地名だと思う。少し英国産業史を学んだ人なら、毛織物や造船業を思い起こすかもしれない。
でも、あるイギリスの歴史家は語る。リバプールの美しい町並みには、黒人奴隷たちの苦悶の声が埋もれていると。黒人奴隷たちの悲哀と苦悶を肥料にして、美しく育った華麗な花がリバプールなのだと書き記した。
リバプールの造船所でつくられた奴隷船が、アフリカから新大陸へと黒人奴隷を運び、三角貿易で得られた富がイギリスを潤した。レンガ造りの美しい建物も、綺麗に整備された道路も皆、奴隷貿易から得られた利益が源泉だ。
この汚辱の歴史を覆い隠してくれたのが、ビートルズだった。今やリバプールの名前を聞いて奴隷貿易で栄えた街だと思い起こす人はいない。まさにビートルズ様様だ。
20世紀後半から、世界的な大問題となっているのが、アフリカの貧困だ。長々と述べてきたように、その原因は欧米の奴隷貿易にこそある。それに協力したイスラムも同罪だ。
アフリカ諸国の独立と、冷戦時代の援助合戦。次第に荒廃を強め、内戦と餓死、疫病と天災に犯されたアフリカには、いくらODAを注ぎ込んでも、復興の兆しは見られない。
イギリス、フランスなどのかつてのアフリカ植民地の宗主国が中心となって行われるアフリカ国際会議は、その混迷の象徴的存在でもある。アフリカを食いつくし、破壊し放題の過去を顧みず、弱者への善意を前面に押し出す欧米の厚かましさの象徴でもある。
このアフリカ国際会議で、最もアホ面を晒しているのが、我が日本なのだ。欧米の失敗した援助の面当てとされ、もっと金を出せと迫られる。よりによって、そのアフリカ国際会議を日本で開催しやがった。しかも、石橋を叩いて渡らぬ福田首相の肝煎りだという。新聞等で公表される限りは、たいした成果を出さずに終わったようだが、本当に重要なことは隠されることが多いから、あまり信用できない。
多分、欧米が負担すべき復興資金を押し付けられただけだろうと憶測できる。ただ、まったく無意味とは言わない。国際経済に明るい人なら、既にご承知のことだと思うが、アフリカは資源大国でもある。原油、レアメタルの高騰を受け、既に一部のアフリカの国では、経済が活況となっている。
欧米ががっちり握っているアフリカの資源利権に、どこまで食い込めるかは難しいところだ。ダルフールへの中国の関与にみられるよう、既に北京政府は手をうってきている。人権問題に絡めて欧米が批難を強めているが、資源確保にむけて中国は引く事はあるまい。果たして日本に活路はあるのか。
一方でアフリカの政治指導者には根強い欧米不信がある。欧米の下っ端とみられている日本だが、それでも微かな期待を寄せられていることも確かなようだ。日本の技術支援に対する期待は、けっこう強いものがあるらしい。
従来、先進国に限定されていた租税条約の新規締結にむけて、現在財務省を中心にプロジェクトチームが活躍している。資源を持つ国を中心に、相手国との準備交渉が進んでいると聞いている。なんで租税条約なんだと思われるだろうが、物が動けば金も動く。利益が生じるところ、税の問題は必ず生じる。投資、貿易環境の整備のための租税条約なのだ。
アフリカは遠く、日本ではサファリなどの観光が中心であったが、この先は経済分野へのシフトが強まる気がする。租税条約の締結国は、現時点で58カ国。ほとんどが先進国だが、今後はアフリカ等の資源大国が増加すると思われる。少なくとも、財務省は本気なようだ。
たいがいの人は、ビートルズの生まれた街として思い出される地名だと思う。少し英国産業史を学んだ人なら、毛織物や造船業を思い起こすかもしれない。
でも、あるイギリスの歴史家は語る。リバプールの美しい町並みには、黒人奴隷たちの苦悶の声が埋もれていると。黒人奴隷たちの悲哀と苦悶を肥料にして、美しく育った華麗な花がリバプールなのだと書き記した。
リバプールの造船所でつくられた奴隷船が、アフリカから新大陸へと黒人奴隷を運び、三角貿易で得られた富がイギリスを潤した。レンガ造りの美しい建物も、綺麗に整備された道路も皆、奴隷貿易から得られた利益が源泉だ。
この汚辱の歴史を覆い隠してくれたのが、ビートルズだった。今やリバプールの名前を聞いて奴隷貿易で栄えた街だと思い起こす人はいない。まさにビートルズ様様だ。
20世紀後半から、世界的な大問題となっているのが、アフリカの貧困だ。長々と述べてきたように、その原因は欧米の奴隷貿易にこそある。それに協力したイスラムも同罪だ。
アフリカ諸国の独立と、冷戦時代の援助合戦。次第に荒廃を強め、内戦と餓死、疫病と天災に犯されたアフリカには、いくらODAを注ぎ込んでも、復興の兆しは見られない。
イギリス、フランスなどのかつてのアフリカ植民地の宗主国が中心となって行われるアフリカ国際会議は、その混迷の象徴的存在でもある。アフリカを食いつくし、破壊し放題の過去を顧みず、弱者への善意を前面に押し出す欧米の厚かましさの象徴でもある。
このアフリカ国際会議で、最もアホ面を晒しているのが、我が日本なのだ。欧米の失敗した援助の面当てとされ、もっと金を出せと迫られる。よりによって、そのアフリカ国際会議を日本で開催しやがった。しかも、石橋を叩いて渡らぬ福田首相の肝煎りだという。新聞等で公表される限りは、たいした成果を出さずに終わったようだが、本当に重要なことは隠されることが多いから、あまり信用できない。
多分、欧米が負担すべき復興資金を押し付けられただけだろうと憶測できる。ただ、まったく無意味とは言わない。国際経済に明るい人なら、既にご承知のことだと思うが、アフリカは資源大国でもある。原油、レアメタルの高騰を受け、既に一部のアフリカの国では、経済が活況となっている。
欧米ががっちり握っているアフリカの資源利権に、どこまで食い込めるかは難しいところだ。ダルフールへの中国の関与にみられるよう、既に北京政府は手をうってきている。人権問題に絡めて欧米が批難を強めているが、資源確保にむけて中国は引く事はあるまい。果たして日本に活路はあるのか。
一方でアフリカの政治指導者には根強い欧米不信がある。欧米の下っ端とみられている日本だが、それでも微かな期待を寄せられていることも確かなようだ。日本の技術支援に対する期待は、けっこう強いものがあるらしい。
従来、先進国に限定されていた租税条約の新規締結にむけて、現在財務省を中心にプロジェクトチームが活躍している。資源を持つ国を中心に、相手国との準備交渉が進んでいると聞いている。なんで租税条約なんだと思われるだろうが、物が動けば金も動く。利益が生じるところ、税の問題は必ず生じる。投資、貿易環境の整備のための租税条約なのだ。
アフリカは遠く、日本ではサファリなどの観光が中心であったが、この先は経済分野へのシフトが強まる気がする。租税条約の締結国は、現時点で58カ国。ほとんどが先進国だが、今後はアフリカ等の資源大国が増加すると思われる。少なくとも、財務省は本気なようだ。