なぜに多くの有権者の声に耳を傾けないのか。
民主党、維新の会、日本共産党、社民党など野党が、統一して今年の選挙に挑むという。また、民主党と、維新の会の統合も取り沙汰されている。
民主主義とは、数こそ正義であるのだから、力を合わせるといった方向性は間違いではない。間違いではないが、民主主義の根幹が蔑ろにされているのに、何故に気が付かないのか。
自民党が下野し、民主党政権が生まれたのは、自民党の失政あればこそだ。小泉・竹中による構造改革は、結局のところ弱者切り捨てであった。天下り官僚や、業績を悪化させた経営者は温存され、立場の弱い派遣労働者や、下請け孫請けの零細企業を切り捨てることで、改革だと誤魔化した。
だからこそ、有権者は自民党に見切りをつけた。新たな民主党政権に希望を託した。
しかし、民主党政権は、その有権者の思いに応えなかった。過去に掲げ続けた善意と正義の政策の実現の機会としか捉えなかった。長年、野党であった自分たちを支持してくれた少数の有権者(労働組合、反日自虐マスコミ)の希望を実現しようと奮闘してしまった。
だから、民主党政権は3年で見切りをつけられた。国政を託すに値せず、これが有権者の判断であった。
はっきり言うが、野党が連合を組もうと、選挙協力しようと、そんなことに多くの有権者は関心を持たない。今の野党に必要なのは、声の小さい多数派の有権者の思いに耳を傾けることだ。
間違っても、声がでかいだけの愚かな少数派を大衆の声だと勘違いしないことだ。マスコミやら識者やらが賢しげに語る与党批判に耳を傾けるのではなく、アベノミックスの恩恵とは縁遠い庶民の声こそ、耳を傾けねばならない。
率直に云って、安倍政権は失政が多い。それは経済面で顕著であるのは、各種経済指標に表れている。いくら、霞が関の官僚が、統計数値を恣意的に解釈しようと、景気低迷は明らかだ。
それなのに、野党もマスコミも、大臣や閣僚の失言ばかり報じている。肝心要の国民の惨状には目を背け、国民の嘆きには耳をかさない。本気で政権を取りたいのなら、この姿は小さく、声も小さい大衆にこそ関心を向けるべきだ。
有権者は、いくら野党が力を合わせようと支持したりはしない。有権者の思いに応える可能性がある政党にこそ、投票する。現時点では、与党はその思いに応えているとは言い難い。
チャンスは十二分にあるはずだ。しかし、今のままでは野党は自滅の道をひた走る。彼ら野党に見えているのは、長年自分たちを支持してくれた少数の有権者と、最近ポヤっと出てきた世間知らずで、不満だらけの一部の若者だけ。
このまま、選挙に入ったら、えらい投票率の低い選挙になり、他に選択肢がなかった有権者の消極的投票により、安倍政権が続くだけであろう。安倍政権もまた、大衆の小さな声には耳を傾けないので、日本は当面低迷すると思います。