ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

暗殺教室 卒業編

2016-04-19 11:59:00 | 映画

アニメの映像化は難しい。

特にシリーズものでは、原作を知らないとストーリーの流れさえつかむのが難しくなる。そして、原作のファンであればあるほど、その実写化に厳しい視線が注がれてしまう。

表題の作品なぞは、その典型であろうと思う。二時間に満たない枠に、コロセンセーの出生の秘密や、その最後を描ききるなんて、無理だと原作ファンなら誰しも思うことだ。

致し方ないことではあるが、幾つかの重要なエピソードだけに重点を絞った結果、いくつか私が好きな場面がカットされている。それほど熱心なファンでない私でも、そのことに不満を覚えるのだから、熱心なファンの不満はそれ以上であろう。

また原作の漫画と、映画版では若干シナリオを変えているため、映画も前作から観ていないと、分かりにくい面があるのも致し方ないとはいえ不満が残る。

だが、冷静に振り返ってみれば、あの短い時間によくぞここまで詰め込んだものだし、いくつか実写化版ならではの美点もある。いくら漫画家が技巧を凝らして作画しても、実際に汗をかきながら熱演する俳優の情熱には負けてしまうこともある。

映画の監督や出演俳優も、この原作の愛読者であるようだし、その情熱も感じ取れた映画になっているのも事実だ。だから、あまり貶したくはない。

ただ、間違いなく原作の愛読者は程度の差はあれども不満を抱くだろうし、映画も前篇を観ていないと、少し辛いのも事実だ。それでも、ダメな映画だとは思わないのは、いくつか光る場面もあったからだ。

率直に言って、原作をまったく知らない人には、お薦めしがたい。むしろ原作の漫画をこそ奨めたくなる。だが、原作を知っている人ならば、案外楽しめる映画だとも思った。

文句をつければきりがないけど、少し目をつぶれば十分楽しめる実写化だと思いますよ。

コメント (4)
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