日本のマスコミの見識のなさが良く分かる一件である。
現在、世界中の政府要人、企業家、投資家などを巻き込んで大騒ぎになっている通称パナマ文書問題なのだが、日本ではほぼ無風状態である。
日頃あまりTVを観ない私だが、このパナマ文書に関する日本のTVと、欧米のTVの報道格差には呆れてしまう。私が主に観るのは、CNNとBBCであるが、特集を組み、かなり詳細に報じている。
日本のマスコミ様は、よくご理解していないようだが、民主主義の根幹は、「私は納税者である。だから、政治に口を出す権利がある」である。国民の税金により政府の活動は賄われている以上、その納税者が政治に口を挟むのは当然の権利だとの認識である。
だからこそ、今回のパナマ文書で明らかになった政府要人の、タックスヘブン(租税回避地)を使った節税行為に、国民は厳しい視線を投げかけるのだ。驚いたことに、民主主義の国ではないロシアや共産シナでさえ、今回の事件を嫌がっている。
それに引き替え、我が国の追及は甘いというか、ヌルイというべきか。プーチンや習が羨ましがるほどである。
タックスヘブンを活用した節税策は、税制をよく勉強しないと理解しずらいのは分かる。特に日本の記者様たちは高給取りではあるが、サラリーマン故に税金は年末調整で終わってしまう。
だから、自分が一年間にどれだけ税金を払っているかも知らない記者様が大半だ。これは源泉徴収という納税者に納税の痛みを感じさせない制度のおかげでもあるので、一概に記者が鈍感だとは言えない。
しかし、根本的に民主主義を理解していないからこそ、これほどまでに無関心でいられるのであろう。特に朝日新聞と共同通信は、今回のパナマ文書の解明に協力を依頼された日本のマスコミであるにも関わらず、その追及は驚くほど甘い。
いったい、誰に気をつかっているのかと邪推したくなるほどに甘い。先進国で、これほど脱税問題に無関心というか、無知なマスコミも珍しいと思う。