水泳の北島選手が引退をした。
この十数年、日本の競泳界を牽引してきた功労者であり、競泳予選での敗退を受けての引退であった。勝って清々しく、負けて潔い選手であったと思う。
その一方で、その北島選手を追い抜いていった若手選手が幾人もいることに頼もしく思う。日本の競泳選手の層の厚さは、相当なものだ。
実を云えば、日本は世界屈指のプール大国でもある。特に小学校でのプール施設の充実は、世界屈指だといっていい。これは水資源に恵まれていることや、国公立学校の施設が充実していることに加えて、大半の体育教師が水泳の指導が出来ることも大きい。
もっとも、北海道など寒冷の厳しい地域では、水を抜いても施設が凍結して、破損してしまうため、プールは諦め、その代りにスケートやスキーを体育に取り入れている。
また水泳指導も、けっこう地域差があるようだ。東京育ちの私は小学生の時、水泳の習得は必修だと思い込んでいた。しかし、大学に入り地方の学生から、けっこう泳げない人もいると聞き、驚いたほどである。
だが、それでも世界的にみれば水泳指導と、公立学校等でのプール施設の充実度はかなりのものである。だからこそ、北島選手を引退に追いやるような、生きのイイ若手が次々と輩出されるのであろう。
また結果的に高齢者であっても泳げる人が多く、膝が痛んで歩くのは辛くても、プールでのウォーキングなら運動が可能である。多分、世界的にみても、泳げる国民の比率は、相当に高い方だと思う。
地味ではあるが、世界に誇るべき福利厚生政策だと考えるべきだと思う。水泳は一度覚えれば、年をとっても忘れないものだ。医者に通う回数を増やすよりも、プールなどに通って健康を維持することも大切だと思うようになりました。
引退を決めた北島選手ですが、きっと指導者として復活するでしょう。長いこと選手として活躍してきたわけですから、ここはじっくりと静養して、次なるステップを刻んで欲しいものです。